ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

Clover Hokkaido 1200 (4)

Day 4


起きて,北海道で雪が降ったことを知る。道理で寒かったわけだ。それでも吸水性0のポリプロピレンアンダーウェアに,カイロ貼り付け,GOREウィンドストッパーの長袖ジャージのおかげで,走りながら震えるほどというわけではなかった。RxLのアームカバーしていたのだけど,腕が寒いところが気になったくらい。指付きグラブがあればなと思ったことはあったが,シューズカバー欲しいとは思わなかった程度の寒さ。

最終日にして,やっと雨は降らなさそう。阿寒湖あたりがちょっとあやしいが,大きく崩れることはなさそう。気温は夜は10度,昼間は20度くらい。3日間洗濯して使い続けたNanoflexのショーツから,RedWhite The BIBにチェンジ。本来なら超長距離用に買っておいたのだが,雨だったので出番がなかった。レッグウォーマーもNanoflexからRelicへ。上はゴールする時を考えて記念ジャージにする。長袖だが,寒さ対策で下にはアームカバーしておく。

もう少しで夜食が始まるが,昼食がまだ残っている感覚があったので,夜食を食べずにスタートする。順調に行けば昼頃に帰ってこられるはず。出発時刻のボードはDNFの赤線が1/3くらいはある。やはりDay2の豪雨とDay3の寒さはきつかった。最終日は気持ちよく走れそうだ。

スタートして30分ほどでリゾートホテルが立ち並ぶ十勝川温泉を通過する。レストランのピザの看板を見て,ピザ食べたいなと思った。まだ営業時間中なのだが,さすがにスタート30分で休憩いれているといくらでも休みたくなるので,先へ進む。池田町の分岐点を右に曲がって,海に向かう。月が沈みかけて,東の空に星がきれいに見えてきた。内陸から海に向かっているはずなのに,寒くなってきた。キューシートでミスコース注意の地点をミスコースしてしまう。気分転換に立ち止まって,GOREウインドストッパーの長袖ジャージをサドルバッグから取り出して着る。たまたま通りかかったドライバーに「大丈夫ですか?」と声かけられる。「着替えているだけなので大丈夫です」と答えて先に行ってもらう。コースに復帰して,走っていると波の音が聞こえるようになってきた。ただし真っ暗闇で何も見えない。ところどころ道路が波をかぶった跡がある。海は結構荒れているようだ。なるべく左によって波しぶきをかぶらないように用心しながら走る。
厚内で根室本線と並走する。電車の灯りが見えると,文明を感じてちょっとホッとする。走っていて途中でリタイア考えた時に,鉄道のあるなしは大きい。サドルバッグには輪行袋入っているけど,北海道では使えない区間が長すぎる。au損保の回収サービスだって50kmでは最寄りの町までが限界。トラブらないことが最優先。小刻みなアップダウンが続くようになってきた。大した登りではないが登坂車線が用意されている。白糠町の看板が見えて,遠くに町のあかりが見えてきた。ほぼ平坦なのにペースはあがらないままPC9に到着。昨日一緒になったひとが出発するところだった。次の阿寒湖でと挨拶(それはこの後のグダグダ走りで適わなかった)。ホットシェフは終わっているので,パスタとホットコーヒー。
次は75km先の阿寒湖。順調なら4時間くらいで着くはず。暗闇の中をetrex30のナビに引き釣り回されて釧路空港を通過。昼間なら休憩できるのだろうが,深夜なので立ち入ることすらできない。さらに走っていると阿寒ICの緑の看板が見えてきて,その先にはセイコーマートの物流センターが見えた。この4日間ですっかりセイコーマート漬けになったので,ある意味聖地。阿寒町の町中を通り過ぎた頃に眠気がやってきた。道の駅が先にある看板が見えたので,そこまでは耐えて走る。道の駅阿寒丹頂の里は,派手なLEDが輝くガラス張りの建物が見えたが,そこへの入り口は閉ざされていた。その先の駐車場への入口は開いていたので,駐車場に入ってベンチを見つけて,しばらく休憩。寒いけれど耐えられないほどでない。
気がつくと,東の空が明るくなってきた。眠気はなくなったが,今度はゆるい登りが続くので,進まなくなる。気分転換にちょっと険しい登りはダンシングで,ゆるい登りはシッティングとメリハリつけて走る。時々林の中に鹿がいる。ちょっと先を横断してたりもした。頼むから衝突だけはしないでくれと思うが,それは向こうさん次第だよね。釧路からの距離が1km刻みで数字が増えるのだけが楽しみ。残り20kmほどから路面が濡れてきている。空が曇って霧雨が振り始めた。レインジャケット着るほどではないけど,なるべくなら濡れたくない。あと5kmほどのところで本降りになってきたので,諦めてレインジャケットを着る。標高も上がって寒くなってきた。走っていると追い抜いたトラックがセブンイレブン。そのトラックが右折した。やっと阿寒湖にたどり着いた。濡れたレンガ張りの路面を慎重に走って,PC10に到着。ローソンならホットミルクが飲めると思ったら,ここのローソンはカフェがなかった。温かい甘酒はあったので,あんぱんと一緒に店先で食べる。途中から胸焼けがしていて胃薬でごまかしていたが,食べると落ち着いた。一応用心のため食後にも胃薬を飲んでおく。ここまで来ればあとはトラブルさえなければ問題ない。雨も止んだのでチェーンに注油。やっと気持ちが観光モードに切り替わって,ちょっと阿寒湖の写真でも撮っていこうかと思って,阿寒湖のボート乗り場から写真撮影。灰色の空で風で波打つ湖面の風景写真が撮れた。温泉街も早朝なのでほとんどの店は開店前だが,イートイン付きのローソンがあった。ホットミルクに砂糖2ついれてもらって,休憩。ツイッターを見ると未明出発組の日の出の写真があがってる。気持ちよさそう。同じコースを走っているとは思えない景色の違い。
残り120kmなのであと半日走るだけ。残り200mほど登る。もう少しで登りの終わりってところでうっかりミスコース。Day4のコースに近接アラートを入れ忘れてるので,分岐点で確認忘れるとミスコースしてしまう。コースにもどって足寄峠を越えると,ボーナスステージの下りの始まり。しばらく下っていると「ゆでたてもろこし」の幟が見えた。観光モードになっているので,ゆでたてもろこしを食べる。いままでに食べていたとうもろこしは,茹ですぎてのびたうどんのようなとうもころしだったことを思い知らされた。みずみずしくシャキシャキとした歯ざわりで甘い。採りたて茹でたては別次元の食べ物。下りはまだまだ続いて,走り続けると足寄の道の駅。松山千春がエンドレスで流れている。トイレに寄って,販売所でチーズケーキと牛乳。空腹だと胸焼けするなら,胃になにか入れておけば不快感がやわらぐという言い訳でぷちグルメ。気温もあがってきたので,Goreジャージを脱いだ。日差しが強いのだけど,日焼け止めを忘れてきた。日に照らされて温度が上がってきて,サイコンとetrex30の液晶が曇ってきた。この3日間で浸水していた証拠だ。機材の寿命削って走っている証拠を目の前に突きつけられながら走るのは気分が良くない。それも30分で消えた。
足寄町から本別町に入るころから追い風でボーナススタージ第二弾。アウター×トップで踏み回す。2日目終わり頃から右アキレス腱が痛むようになっていたが,ホテルではアイシング,走っている時は消炎湿布で痛いのだけど悪化はしてないまま。あと70kmくらいだから,気にせず残りの力を使い切れる。風向きに助けられて2時間かからず池田町の分岐点にたどり着けた。あとは通った道を逆にたどるだけ,のはずだが夜と昼で時間帯が違うし向きが逆なので風景が違いすぎて,一度通ったという既視感はほとんどない。行きの時はすんなり走れたはずのちょっとした上り下りがきつい。気温もあがって暑い。この3日間せいぜい15度くらいだったのに,今日は20度超えているだろう。また胃がムカつき始めたので,十勝川温泉のセイコーマートで最後の休憩。北海道メロンソフトと飲むヨーグルト。音更川を渡って,国道241号に入る。後ろからスタッフの乗った車から「残り,気をつけて」と声かけられる。残り2kmは後からの車に気をつけながら走ってゴール。雨でぼろぼろになったカードとPC9と10のレシートを受付に提出して,完走時間にサインを記入。スタッフの方たちと記念撮影して1200kmブルベ完了。

Clover Hokkaido 1200 (3)

Day 3

起きると夜食が始まる20時前。あまり寝られていないが,二度寝で失敗するのは四国600kmだけにしたいので,着替えて食堂に降りる。今日は豚汁と麻婆豆腐に鶏肉のソテーにサラダバイキング。寒そうなのでここでカロリー取るべく,ちょっとご飯多めにして,ゆっくり噛んで食べる。食べ終わって歯磨き終えてから出発する。出走の時刻を書くと,スタッフの方にGPSトラッカーが余ってるから持っていけと言われる。三国峠は携帯の電波が通じない区間らしい。今日は悪天候でDay2の狩勝峠は通行規制がかかったと聞いた。iPhoneだと一端電波が途切れるとトラッキングが終了するため,PCで確認して再接続していた。そういう手間が省けるならありがたい。ずしりと重く頑丈そうな塊なので,最初はサドルバッグの上に取り付けようと思ったが,結局ジャージのファスナーが閉まるポケットに入れた。

相変わらずの雨に加えて,今日は向かい風。最高標高に向かうこともあるので,スタート直後のコンビニで薄手のビニール手袋を買う。寒いだろうから汗で濡れるよりも雨を防ぐ効果の方があるだろう。平坦なのに向かい風で進まない。音更町を抜けて,時折後続車が追い抜いていく人気のなくなった道をハンドルにしがみつきながら進んでいく。風の強さにやばさを感じてたまたま見つけた屋根付きバス停に逃げこもうかと考えたが,それだったらホテルで休んでおいたほうがよかったわけで,進み続ける。士幌町の道の駅を通過する。もう営業終了しているし,寄ってもしょうがないよなと諦めの気分。セイコーマートのホットシェフの看板に誘われるが,晩飯は2時間前に食ってると自分を言い聞かせる。上士幌町の分岐点を左に入って,ミーティングでも言われていた最後の補給地点のセブンイレブンに寄る。トイレを済ませて,あんぱんと一本満足バー2本にホットコーヒー。風が強くてちょっと出たくない気分でtwitterを見てしまう。

決意を固めて,残り50km以上先にある三国峠を目指す。1時間ほど走ると,糠平温泉街にたどり着いて,ホテルの灯りが嬉しい。ホットココアを売ってる自販機があったので,ちょっと休憩。ゴミ箱がないのでフードポーチに突っ込んで再出発。温泉街を過ぎると,真っ暗闇。追い越していく自動車もほとんどなくなる。眠気覚ましも兼ねて独り言を絶叫しながら走る。バス停も東屋もなにもない。路面はきれいで2車線あるので,フレッシュな状態で天気が良い昼間なら楽しくヒルクライムということになるだろうが,雨の夜の爆風の中,600km以上走ってきた者にとってはただただ辛い。三国峠までの距離がなかなか縮まらない。登りでエネルギー使っているはずなのに,だんだんと寒さを感じるようになってきた。胴体部分はカイロやらアンダーウェアで大丈夫なのだが,腕が寒い。やはり疲れていると熱を生み出せなくなっているのか。北海道ではめずらしく90度や180度ターンで登っていく。おかげで先が見通せない。曲がり切ったそこが峠かと思ったら,さらに先だったりすること2-3度。やっとのことで三国峠橋の看板を見つける。フォトチェックは三国峠の看板と書かれているが,そもそも現物の写真がないので,なにを撮っていいのかわからない。とりあえず用心のために三国峠橋の看板を撮影。さらに先に三国峠駐車場の看板もあったので,これも撮影。最後にやっと三国峠の看板を見つける。

三国峠のちょっと先のトンネルからは下りになるはずだが,スピードが乗らない。しかも寒い。いままでは下りはボーナスステージだったが,この日の下りは罰ゲーム。とにかく寒い。下っていると,「大雪山」とか「層雲峡」とか有名な地名が出てくるのだが,自分がいまどこを走っているのかいまいちわかっていない。旭川の南東くらいの位置だろうなくらいしかわかっていない。下った後アップダウンをダラダラと走っていると,後ろから追い越される。どうやら,昨日私が寝る前に出発していった人のようだ。寒いから駐車場で雨避けしていたそうだ。一緒に走るひとがいると気が紛れる。ふたりとも口をついてでるのは「寒い!」。標識にある温度計は5度。石北峠からの長い下りが本当につらい。とはいっても手足がかじかむほどではないので,まだ余裕はある。でもやはり寒いのは嫌だ。やっと平地に降りてきた。あとはほぼ直線の道路を20kmほど走れば,PC7。ローテーションしながら走る。なんか予想外にスピードが出るなと思ったら,あとで確認すると下り基調だった。走っている時はそんなことに気づかず,「オレって結構走れる!」と浮かれてた。etrex30の画面が壊れたんじゃないかと思うくらい,ひたすら直線が続く中,やっと留辺蘂町のPC7にたどり着く。

店内に入ると,弁当や麺類の棚がほぼ空。まだ朝の配送前だった orz。仕方がないので,ブリトーとホットココアで朝食。食べ終わる前に配送トラック来ないかなとちょっと期待したが,結局来なかった。南に方向転換して,置戸町に入った頃に眠くてついていけなくなる。どんどんと遠ざかる背中を見送ってだらだら走っていると,北海道にしてはめずらしく屋根付きのベンチがあった。これ幸いとちょっと横になる。30分ほどたって目が覚めて,チェーンに注油して再出発。あと30kmほど走れば足寄町との境界にたどり着いて,そこからは下りになる。2時間くらい頑張ればいい。とはいうものの,この2時間が長い。雨が上がってくれたのは良いが,登りが平地になるわけじゃない。林の中を縫うように通っている登りをだらだらとペダルを回し続ける。やっと足寄町の境界に到着。

ここからの70kmほどは快調に進んだ。置戸町でのだらだら走りのタイムロスを取り返すには十分な下りで追い風。ここで時間を稼いでその分休憩に充てると目標をもって走れた。さすがに,音更町の街なかに入ると信号もあってゆるんだが,十分時間は稼げて,予定通りにゴールに着いた。

受付を済ませて,ルーティン通りの充電,シャワー,洗濯,その間に昼食,戻ってきて乾燥機回して,終了後に洗濯物取り込んで,昼寝。

Clover Hokkaido 1200 (2)

Day2

日付が変わる前に起床。相方を起こしてしまったようで申し訳ない。身支度して出発しようとすると,通訳スタッフの方に「緑の人」と呼ばれる。「日本人のほとんどは緑ですよ」というと,どうやらゴール受付時の処理で私を確認する必要があったらしく,写真から見つけ出したらしい。ということで,私はモンベルグリーンの日本代表,緑 of 緑s に認定されたらしい。ホワイトボードの出走に出発時間を記入してスタート。

雨はまったく止む気配なく,道路には池のような水たまりがあちこちに。30分も走るとシューズの中はすっかり水浸し。狩勝峠は標高644m,獲得標高400mなので1時間弱耐えるだけ。「狩勝峠5合目」とかの看板があるけど,そこは素直に残り距離か標高表記にしてくれないとわかりにくい。九十九折の峠のコーナー番号もそうだけど,走っている者にとって必要な情報を簡潔に提示する原則を守ってほしい。絶景ポイントらしいけど,夜で雨なので景色どころじゃない。そして登っていると眠くなってくるが,どこにも雨をよけるところがなくて走るしかない。夜でサイコンのバックライト消しているので,積算距離はわからず,「まだかよ」「眠いぞ」とか眠気覚ましに大声で独り言絶叫しながら登り続ける。トンネルを抜けて,やっと狩勝峠の頂上に到着。そのまま下りに突入。

ハンドルに手を添えるだけの楽な下り。だけど,気温が高くないので冷えてきた。南富良野町に入った頃にセブンイレブンがあったので,ホットコーヒー,ブリトー,カイロを買って,内と外から温める。その先の樹海峠は100m程登るだけなのに進まない。心拍数も全然あがらない。ケイデンスも80以上がつらい。ペダリング効率を高めるようにトルクかけて回す練習をしているつもりで走って,やっと峠を越える。下って富良野市に入ると小刻みなアップダウンが続く。見慣れない北海道らしい畑が広がる風景で気が紛れるが,フレッシュな状態ならパワーかけて進めるはずの道をだらだらと走るのは,ダメな自分を受け入れる覚悟が必要。富良野市を抜けると上富良野町,そういえば高知も四万十町四万十市があるから,富良野と名乗る自治体もたくさんあっていいんだと勝手に納得。もうすぐPC4かと思ったら,PC4はさらに20km程先の美瑛町だった。見晴らしの良さは一方で走っても大して景色が変わらないわけで,飽きてくる。北海道は集落と集落の間はほぼなにもない。コンビニはもちろん自動販売機すらない。畑しかない中をアップダウンを繰り返し走って,やっと美瑛町に入る。美瑛町といえば馬鈴薯だよなと貧困な地理の知識が頭の中をよぎる。ちょっと小雨になったが,寒いのでそのまま走る。やっとPC4に到着。

ちょうど朝食のタイミングだったので,プロテインとペペロンチーノにトマトジュース。店員さんから,「雨で残念ですね」と声かけられる。ちょっとした会話がうれしく感じられる。精神的に結構ぎりぎりになってきたようだ。「雨でも楽しんで走ってきます」と返事して,店先で雨宿りしながら食べて,チェーンに注油して出発。

PC3からPC4までは150km近く開いているのに,PC4からPC5までは30kmちょい。1時間半あれば大丈夫だろうと思ったが,美瑛町を出て上富良野町に戻ると西よりの爆風,しかも横をかすめるように自動車がとばす。昨日は北海道のドライバーは自転車に優しいなと思ったが,ここはそんなことなかった。路側帯の広くない,片側一車線だと自動車も避けようがないから仕方ないのかもしれない。幸い風が西よりなので,煽られても事故につながることはなさそう。コース分岐で富良野線に沿って,風上に向かう。全く遮るものがない一直線道路で風に向かって10km以上進むだけ。風が強すぎて,シャワーキャップがはためく音がうるさすぎる。ラベンダーとかメロンの看板が見えるけど,そんな誘惑に負けたら再出発がつらくなるだけ。そもそもラベンダーは食べられない,メロンは冷たい,だから寄る必要がないと言い聞かせて走り続ける。途中でミニベロ乗りとすれ違う。超ハイテンションな外国ツーリストのようだった。こちらも負けじとハイテンションなりアクションで返しておく。富良野市に入るころに風も緩んだ。PC5を誤解していてローソンに入って,ホットミルクとホットココアを注文。温まると気分が落ち着く。ブルベカードとレシートを見比べて,PC5がセブンイレブンだと気づいて,セブンイレブンに寄り直し。

PC5から狩勝峠までは登り続ける。とはいっても2箇所の峠以外は斜度1%にも満たない平坦に近い。それでもやはり平坦なら惰性で進み続けられるのに,踏まないと進んでくれなくなるのは疲れた身体にはつらい。雨がだんだんと強くなってきた。樹海峠を越えて,南富良野町に入ったところで,昼飯時でもあったので道の駅に寄る。三角反射マークつけた自転車が止まっているので,先行した人が休憩していると思ったら,DNFを決めたひとだった。パンクが続いてチューブがなくなってしまって後続のひとからわけてもらったそうだ。私も1本差し上げようとしたが固辞された。これだけの雨だとパンク祭りになっても不思議じゃないのか。四国600kmは路上に角ばった小石が散らばっていて,パンクしないほうが無理だろうという難コースだったが,今回はタイヤを変えたこともあってかいまのところトラブルなしで来ている。豚丼食べて,もう大降りといってもいい中再出発。狩勝峠に向かうにつれて風も強くなってきた。風で路面の水が波打つような状態。道路上をパトロールカーが巡回している。風速か降雨量次第では通行止めになるのかもしれない。急ぎたいのだけど,身体は急げない。ペダルの回転数を数えながら,ペダルを回し続けて,やっと狩勝峠に到着。

ガスっていて視界が非常に悪い。ライトと尾灯を点けて,下りに入る。パトロールカーが待ち受けていて,「気をつけて」と声かけられる。下っているうちに視界はよくなってくる。さすがに手を添えるだけはやめてときどき減速しながら下り終える。雨は激しいまま,だんだんと交通量が増えてくる。「北海道のスピードメーターはマイル表示」という冗談を聞いたことがあるが,本当に1.6倍くらいの速度で追い抜かれる。たっぷり水をぶっかけられることも度々。残り40kmくらいなので,あと2時間のはずが,体感的に3時間くらいかかったような気分。それでも走り続け,十勝川にかかる橋を越えて残り20km。音更町までの看板が見えたときはやっとかとちょっと安心したが,一方でグロス20km/hを下回ってることを確認。疲労と雨で登れないし,平坦も走れなくなってることがわかって,残り600kmをどうしようかと算段しながら走る。帰ったら,充電して,洗濯して,寝て,飯くおうと予定を決める。音更町セブンイレブンで,ヨーグルトとプロテイン飲んでからゴール。

ゴールしたら,予定どおり,ライトとサイコンを水気を拭いてから充電開始。etrex30の電池交換,尾灯も電池交換。シャワー浴びて,洗濯して,乾燥仕上がり待ちの間,脱着が難しくなったスピードプレイのクリート交換(持ってきておいて良かった),その後寝落ちしないようにtwitter見ながら,アキレス腱と膝に湿布貼る。飲み物買おうと自動販売機から戻ってくるころに,もう再出発するひとがいた。寝ないで大丈夫なひとなのか。人それぞれのプランとペースがあるからうかつに真似するとやばい。まずは寝る。

Clover Hokkaido 1200 (1)

Clover Hokkaido 1200は帯広(正確にはその北の音更町)を起点にして,初日は襟裳岬を東から西に周る,二日目は狩勝峠を抜けて美瑛・富良野と通り再び狩勝峠,三日目は上士幌から三国峠を抜けて留辺蘂から上士幌に戻る,四日目は池田から十勝川沿いを通り海岸線に沿って白糠を通って,阿寒湖へ,足寄から池田に戻ってきて音更ゴールの4つのコース。

 

一本300kmで,累積獲得標高は1499m,2059m,2432m,1482mだし,最高標高も三国峠の1079m。四国と違って斜度10%なんてない。グロス20km/hで走って15時間,帰ってきて洗濯,食事,仮眠で6時間とすると,78時間。マージンが12時間あるから,深刻なメカトラや体調不良にならなければいけるはず。

装備としては,タイヤをVittoria Corsa Controlにした。北海道は道が悪いと聞いていたので(現実は四国よりもずっと良かった),パヴェでも大丈夫なタイヤということで選んだ。重量はSchwalbe Oneよりも重いが,ヒルクライムレースではないので耐パンク性能の方が大事。四国600kmではパンクに泣かされたのでチューブは8本買って,そのうち6本をサドルバッグに入れた。もちろんタイヤブートも6枚。他はいつもと変わらず。

スポーツホテル・クロス・コートがPCであり宿泊場所でもあるので,必要なものは全部送っておける。予備タイヤ,クリート,ライト,空気入れ,シューズ,ヘルメットなどほとんどの物は自転車と一緒に西濃運輸カンガルー自転車便 で送った。自転車はバイクサンドに入れた。縦横高を203cmにするか230cmにするかで旅客会社の扱いが変わると聞いていたが,ANAは230cmでもいけるので,サドルやステム外したくないので230cmのバイクサンドを選んだ。

ウェアは,晴れなら20度程度だから夏用,雨なら15度程度と予想して下はNanoflexショーツとレッグカバーで,上はモンベルレインジャケットだけ着て,寒ければGoreのWindstopperジャケットとカイロ追加。アンダーウェアは100%ポリプロピレンDry,寒さと雨にはモンベルのジオラインとウール追加。シューズはむき出しのまま,ヘルメットにはシャワーキャップかぶせただけ。グラブは初日だけパールイズミのナノフロントのスリップオンだったが,手のひらがしびれてきたので残り3日間はSpecialized BG GEL GLOVE。反射ベストはJ2X。風通しが悪いのだけど,バックポケットの大きさの便利さで結局今年はこれを愛用している。

 

Day 0


羽田乗り継ぎで新千歳,JRで帯広へ。土地鑑のない路線バスは苦手なのだが,問題なく受付のスポーツホテル・クロス・コートに到着。受付でスタート時刻を6時か6時10分かの選択なので早い方を選んだ。アンクルバンドをもらった。そういえばいつもつけているアンクルバンドを忘れていた。個室を頼んでいたのに,相部屋に強制変更で返金された。相部屋だと相方の生活リズムに左右されるし,特に二日目以降のスケジュールがかみ合わないときついことになりかねない。幸い,相方は紳士的な振る舞いで,スケジュールのズレも問題なかった。SR600を三本走っているベテランの方だった。四国山脈のことを聞いてみたら,「登りと同じ速さでしか下れない。ロードバイクじゃなくてグラベルロードのほうがいい」とのこと。他の二本とは難易度が違うらしい。
西濃運輸の輸送は大した問題もなく,無事に組み立てられた。忘れ物もなく車検をパスした。来るまではライトや尾灯,反射ベストを忘れてたらどうしようか気が気がじゃなかった。ミーティングはあっさり終了。道があれてる箇所があることと,三日目の三国峠の前は上士幌町が最後の補給場所ということ。
夕飯は帯広なら豚丼ということで歩いて5分ほどのぶたいちへ,帰りにセイコーマートで北海道メロンモナカ買って,北海道らしい食事終了。帰ってきて自転車を見てみると前輪の空気が抜けている。どうやらバルブから抜けてるようなので,新品に交換。翌朝出発前に確認しなきゃ。
翌日から雨ということなのだけど,自転車は野ざらし。ハンドルまわりやサドルはポリ袋でカバーできるけど,他は無防備。どうせ明日から雨ざらしで走るんだからとも考えられるけど,やはり走ってないときは濡れないところに置きたいのが自転車乗りの心情。翌朝は4時から朝食が出るので,目覚ましかけて就寝。

Day1


朝4時前に起きて,仕出弁当とサラダバイキングの朝食。プチトマトがうまい。食事が終われば,身支度してライト,GPS,サイコンを自転車に取りつけ,サドルバッグの中身を確認して装備完了。タイヤの空気も問題ない。
スタート前に集合写真撮影して,6時にスタート。最初は帯広市内を通るので,信号峠が過酷。みんな1200kmということなのかどこかのんびりムード。私はなるべく早く帰ってきてその分休む時間に使えばいいと思っているので,あんまりのんびりでも困る。市街地だと信号で止められて,集団から抜け出しても無に帰す場合があるので,市街地は集団からちょっと距離をおいて走る。市街地を抜け出して信号がなくなった頃に,集団を追い越した。しばらくするとその前を走っている集団に追いつく。海外参加者がほとんどのグループのようだ。ちょっとした登りの手前で追い越してみると,登りで追いかけて追い越される。体格のいいひとは重量あるから登り苦手じゃないのかよとちょっと驚き,追いつかれたのでおとなしく集団の後ろでひらひら走ることにする。雨なので水しぶきあびたくないし,右側通行のひとたちはどうしても右によりがちのようで,集団の中にはいたくない。途中の信号の切り替わりでうっかり一人置いてかれる。見通しのいい直線道路なので,追いかける集団は見えている。まだ序盤だけど,集団で走れるメリットのためにちょっと頑張る。見えているけどなかなか追いつけないじれったさに耐えながら,心拍数が上がりすぎないように加減しながら走っているとなんとか追いつく。追いついたことに気づいたアメリカ人が「お前,先頭を牽いて,こいつらにカツを入れてやれよ」(というようなことを言っていたような気がする)と言うので,"I'm very tired." と中学生英語で返事しておく。
結局,集団のままPC1に到着。ここでキューシートを落としてしまったのだが,巡回に来ていたスタッフの方に拾ってもらって助かった。買い物して,トイレ済ませてさっさと出発。広尾からえりも町にかけては海岸線なのだけど,トンネルが多い。途中のえりも黄金トンネルはあまりに長かった。寒風山トンネルよりは500mほど短いのだが,中が曲がっていて先が見えないので精神的にきた。先行していた二人に追いついて3人で走る。連続するトンネルが終わると雨が上がった。途中で北海道らしい風景の写真を撮るために立ち止まって,先に行ってもらう。ちょっと時間を使ったのだが,見通しがいいので先行するひとの姿が見え続ける。見え続けるから頑張れるのか,追いつけないのに見え続けるから心が折れるのか。襟裳岬へはちょっと登って到着。西岸側は横風が強くて車体ごと振られる。風は強いしアップダウンは繰り返される。えりも町を抜けて様似町に入るころには平坦基調になって走りやすくなった。海岸線なので似たような景色が続くし,灰色の空を見続けるのは楽しくはない。たまに自動車に抜かれるだけを繰り返す。こういうときに参加者が前に見えるとちょっと嬉しい。PC2に到着。
昼食時間帯なので,セイコーマートの駐車場があやしい自転車乗りたちの集会場所みたくなっている。豚丼食べて再スタート。浦河町は馬産地で有名で,牧場の看板がたくさんあるし,競走馬が放牧されている。そんな景色を見ながら天馬街道を走るのだが,この道が平坦に見えているのに登っていて,パワーださないと進まない。まるで毒の沼地のように進むごとにHPが減る感じがする。ちょっと気が滅入ったし,チェーンから音が出てきたので,注油してチェーンを拭いて気分の切り替え。タイヤはパンクはしてなかった。進まないのは斜度のせい。となるとあとはパワー見ながら走るだけ。頑張りすぎない程度に頑張る。700mの三坂峠ならせいぜい1時間もあれば頂上につくのに,なぜかここでは着かない。やっとトンネルが見えて頂上に着いた。下りはボーナスコース。四国と違ってコーナーがゆるいのでほぼノーブレーキで下れる。コーナーの度にブレーキかけて体重移動して,タイヤのグリップをフルに使って曲がる四国とは全く違う。ハンドルに手を添えているだけで下れる。下り終わって,最初に通った国道236号線に合流。
上がっていた雨も再び降り出して,幕別町に入ったころには本格的になってきた。東の地は日の入りが早いのでもう暗くなってきた。信号待ちの間に尾灯を点けた。しばらく走っているとアメリカチームの3人に追いついた。朝は4人いたのだが,年長ぽいひとがいなくなってる。朝と違って人数も少ないのでローテーションに加わる。疲れているようで,10分くらいで代わってる。雨が強くなってきたし,ゴールも近い,暗くなってきたと速く帰りたいのは皆一緒。途中ちょっとした登りで,後ろがちぎれてしまう。朝だと追い抜いていったくらいなのに,この雨の中半袖で走るような人でも疲れている。ちょっとペースを緩めて待って,しばらく引き続ける。
帯広市に入ると,交通量は増えるし,信号待ちも増えて,精神的に疲れてきた。アメリカチームの3人は逆にテンションあがってきたのか元気に走っている。そんな中,先頭交替終了したひとりがちぎれて前を二人で行ってしまう。中切れなのか,あとは各人勝手に走れってことかと思って,前の二人に追いつく。それまでは30km/h前後だったのに,32-33km/hくらいで走るようになったので,じゃあ全力で行くわけかと思って,先頭になったので,いいペースで引いたら,先頭交替するときに肩を叩かれ,「お前,やるじゃん」とか言われたような気がするので,"Thank you."と答えておいた。ちぎれたと思った3人目もちゃんと追いついている。こういう底力ほしい。スピードを急には上げられないけど,持続できるのは羨ましい。
十勝川にかかる橋を越えてやっと音更町にたどり着いた。ゴール受付で,レシートと写真を提示。予定より2時間稼げた。まずはライト,サイコンの充電開始,ウェア脱いでシャワー浴びて,ウェアを洗濯する。洗濯が終わったら乾燥機を回して,その間に次のルートの確認。夜食が始まったので,カレーにハンバーグとカツのトッピングとブロッコリとプチトマトを食べて部屋に戻った頃に相方の帰還。お互いに出発時刻を確認して,お互いの目覚まし時刻を気にしないことを確認して就寝。

 

 

2018 ミッドナイトエンデューロ

ミッドナイトエンデューロは以前から行きつけのショップに誘われていたが,今年は久万高原ヒルクライムとかぶらなかったのでやっと参加できた。4時間かけてやっと岡山国際サーキットにたどり着いた。途中でブルベのルートのようなアップダウンが続く1車線の山道でちょっと悪夢が蘇りそうになった。

コースは自動車・2輪とは逆向きで,試走に出ると,ピットの出口からコースに入るまでが登っている。登りといってもヒルクライムじゃないので,アウターでいける。下りコーナーは1周目はブレーキかけたけど,道幅もあるし路面もいいのでちゃんと走ればノーブレーキでいけるはずと2周目からは,それぞれのコーナーをどう走ればいけるか,確認しながら走る。キッズからママチャリ,ソロ8時間までのレベル差の大きい混走なのでどうなるかと思ったが,道幅に余裕があるのでそれほど気にすることなく走れる。試走だと1周6分後半から7分。本番はもうちょっと頑張れそう。

試走が終わって,キッズレースが始まって終わり,表彰式が終わって,レース前の打ち合わせ。スタート時点が一番混雑度が高いので,最初の2周は任せて,2番手で3周単位で走ることになった。

21時になりスタート。さすがに大集団がライトをつけて,道幅いっぱいに走る光景はサーキットならでは。5分もしないうちに先頭集団が帰ってくる。スタートから2周で帰ってくる話だったので,ピットで交代待ち。意外と早く帰ってきて,センサーのストラップを巻いてもらってスタート。最速の集団はとっくに先を行っているので,自分の前にいるのは,遅いひとたちなので,追いつくための目標にはなっても,風よけにはならない。追い抜きやすいのは登り部分。下りだと速度差が小さいのでコーナーが近いと追い抜けない。アトウッドコーナー抜けてから平坦に見えるゆるい登りを走っていると,ホームストレートのダンロップが見えてくるのでもう少しと思うのだが,意外と長い。ホームストレートに入っても登っているので,踏み続けないとスピードがでない。緩い登りなので個別の力よりもドラフティングの効果が大きいので,ここは集団で走れる方が有利。ホームストレートでメーターに時速34kmと見えて,自分の力のなさに軽く絶望する。先頭集団に追いつかれることなく,2周目と3周目を走って第3走者に替わる。ピットで出番待ちのひとたちがスマホを見ているのでなにかと思ったら,リアルタイムでラップタイムが見えるそうだ。メンバーのタイムが一目瞭然。帰ってきて,まずは水分補給。走っている最中は下ハン握っていてとてもボトルに手を伸ばす余裕がない。18分そこそこ走ればいいだけなので,ボトルなしで十分。汗でジャージはもちろんグラブまでじっとり濡れてしまってる。ヒルクライムほどではないが,強度は高く追い込んで走っているので発汗は多い。

待ち時間を計算しながら,ピットで選手交代の手伝いしながら,次の出走待ち。今回は心拍計測センサーを忘れたので,どの程度休めたかがわからないが,足が攣る気配もない。2回目も結局,先頭集団に追い抜かれることなく,足が合うひともいないまま周回重ねる。斜行するひともいないし,落車もみないので,気を使うことはほとんどない。ナイトランなのでライトの明かりで後続が来ているかどうかがわかるので,これは昼間にはないメリット。結局1回目よりちょっとタイムが落ちて,交替。

4人チームなので,一人3周だと3回か4回走れば4時間のゴールになる。たぶん最後の走行になる3回目。ピットからの合流点で足が合いそうな人の後ろにつけた。登りだと私が速くて,下りと平坦はあちらが速い。さらに前にもう少し速そうな人がいるので,登りで牽いて追いついて3人になる。アトウッドコーナー抜けて,中切れになりかけたので間にはいってつないで,ホームストレートの入り口でお別れ。ピットインして第3走者に交替。この3周目が最速ラップ。

4時間目で誰が最後になるかが話題になって,誰も最後の走者になりたがっていないので,引き受けることにした。同じエントリーフィーで多く走れるのでどうかと思ったが,皆疲れているので「どうぞどうぞ」で譲られた。最後の走行で,かなりの大集団に追いついたが,これが微妙に遅いが集団が大きすぎて追い抜ききれない。登りで先頭近くまでいけるのだが,その後に外側からかぶさってきて,結局集団に引き戻されるを繰り返す。結局,集団のまま4時間経過してゴール。

サーキットという快適な環境で走れたのはいい経験だったが,往復で8時間以上かかってしかも徹夜というのはちょっとつらい。

 

久万高原ヒルクライム試走

久万高原ヒルクライムに参加する職場の同僚に誘われて,美川に試走に行った。先週の豪雨の影響で前日まで三坂峠は不通だったので,車に同乗させてもらった。今朝には開通していたらしい。

炎天下90分のヒルクライムなので2ボトル。いつものブルベ装備と比べて自転車の軽いこと。乗ってる人間はこの2週間何もしていないので重いこと。古岩屋から美川までは下り基調なので楽に走れる。先月走ったコースを一部通過して,美川の登りに。登り入り口にスラローム大会の幟があるのだが,ラリーの時のような交通量は見られない。パワーメーターで200wを目安にスタート地点まで登るが,もう疲れた。

スタート地点からの急傾斜で同僚にみるみる離される。60分切りと80分切りではレベル差がありすぎるので無理せず見送る。パワーメーターの数字だけ見ながら走るが,最初の20分でへたれる。スキー場を過ぎたあたりから右足が攣りそう。ところどころ快調に走れているが,その倍の時間だらだら走ってしまう。森林限界を越えたあたりで,左足もやばい。ゴール前の直線スパートをしているつもりなのだが,時速15kmと絶望的な数字。結局80分どころか90分切るのがやっと。

20分間パワーに対して60分間パワーが低すぎる。FTPテストだと20分間×0.95を60分間の値として利用するが,90%しか出てない。30分を境にパワーが急減している。ロングヒルクライムが苦手なのが数字で明白。久万高原ヒルクライムよりも石鎚山ヒルクライムのほうが向いている。

路面は豪雨の影響は見られなかった。砂や砂利が浮いているコーナーはなかった。何か所が木の枝が落ちているが,それはいつものこと。

あと2週間せめて体重くらいは減らそう。

MAVICホイール試乗会

雨天でのMAVICカーボンホイールのブレーキの利き具合を試したい,でも雨の中走るとまた回転部のメンテナンスが必要になるので走りたくないと前日はアンビバレントな気持ちだった。起きてみると曇っているけど,ぎりぎり天気はもちそう。予定よりも遅くなったけど,昼前にクールスモールに到着。

まずはコスミックプロカーボンSL UST。専用アプリの空気圧設定で前5.1,後5.2bar。いつもが7barなので,キシリウムSLと比べて300g以上重くなっているし,25cで接地感が高くタイヤ履いていますって感じだ。これとくらべるとキシリウムSL+シュワルベワンは鉄輪でレールの上走っているような感覚。

上林小学校への上りを試してみるとぬるぬる走るという感覚。振動吸収が段違いにいい。ちょっと抑え目に登って,上林小学校を通り過ぎた緩斜面まで走って折り返す。下りもグリップの安定感高くて,気楽に下れる。ブレーキの利きもBORAと差がない。

戻ってホイール待ち時間がありそうだったので,キシリウムSLでさっきのコースを走ってみる。やはり切れ味鋭く走れるといえば聞こえはいいが,路面状況をありのまま伝えてくる。登りはさっきよりもちょっと頑張って登って,下りはさっきよりも少し気をつかう。リムハイトは低くなったが,風の影響は同じくらい受ける。

帰ってきて,時間待ちの間にタイヤの取り外しからはめて空気入れるまでを試させてもらう。クリンチャーと同じくらいの手間だった。ビートを落とすのが手間とか言われているが,まったく気にならない。MAVICの人から手で無理やりこじるくらいならタイヤレバーつかったほうがいいといわれたので無理せずタイヤレバーで普通に外せたし,はめられた。ビートがあがらないといわれているが,普通のポンプであっさりと空気が入る。これじゃクリンチャータイヤと同じ。チューブ咬みを気にしないでいい分扱いは楽。

最後はコメット。平坦区間でもがいてみるが,大してスピードはあがらない。登りはほぼ全力で登ってPR。64mmのリムハイトはダンシングで振っても気にならない。下りで風にあおられることもない。

ログで登りの仕事量を計算すると,コスミックが若干少なくて,コメットとキシリウムSLはほぼ同じ。3つとも1%も差がないので,実質同じ。軽いホイールが有利とはなんだったんだという結果。登りで差がないなら,振動吸収や下りの安定感でコスミック使う。これならキシリウムカーボンSL USTならもうちょっと速くなるのかなと思ったが,ホイールの重量差は大して影響しないだけかもしれない可能性もと思い聞かせて物欲を押さえておく。

BRM622四国600km

去年の600kmブルベよりも獲得標高が500m程増えて,スタートからいきなり40km以上登りが続く。しかもUFOラインを夜中に通過するので景色は全く楽しめない。それでも去年よりもエントリー数は倍増。それほど広くない武丈公園に反射ベストの一群。

ブリーフィングは工事区間の説明くらいで,車検を受けてスタート。今回は心拍数150を目安に抑え気味に寒風山に向かう。去年も走ったはずなのに,あまり記憶に残っていない。1時間弱走ってやっと新寒風山トンネルの看板が見えた頃に,旧寒風山トンネルに向かって左折。雑草が生い茂っていて,GPS無しでは夜には走りたくないコース。旧寒風山トンネルまで登り10km走らされてやっとトンネルを抜けて,さらに10km以上山道をぐるぐる回らされて,UFOラインらしい開けた場所に出る。ただし真っ暗闇。ちょっと下りに入ったところで通過チェック1に到着。この時点ですでに平均15km/hを下回る。この後下りで雨が降り始めることが予想されるので,長袖ジャージ着込んで下る。県道に入った頃から道が荒れてくる。センターラインには砂利が溜まっている。手前手前でブレーキかけて下っていくと,霧雨だった雨が本格的になってきた。長沢貯水池のあたりで,上だけモンベルのレインジャケットを着る。下はNanoflexで濡れてもいいビブショーツ。靴下と靴は最初から諦めてむき出し。グラブはパールイズミのナノフロントで濡れても大丈夫。

国道に合流して下って,道の駅633美の里でボトルに水の補給とトイレ休憩。PC1が250km先なので,適宜補給と休憩を取る必要がある。雨は本格的になるが,幸い高知らしい強さではない普通の降り方。国道494号線に入って狭い山道を久万高原町に向かって走る。県境はそこそこの登りがあったが,まだ余力があるので問題ない。やっと見覚えのある道を走れる。道の駅みかわを通過して,ゆるく登りの後はダウンヒルで小田の郷せせらぎに到着。笹峠山に向けて朝食を取って休憩する。買っておいたアンパンを食べて,アミノ酸を補給,ホットコーヒー飲んで再出発。

笹峠山は去年の四国200kmで走ったが,傾斜がきつい印象しかない。しかも雨が降り続く中パワーメーターでオーバーペースにならないように抑えめにのんびり走る。のんびりといっても急傾斜なのでペダルには力入ってる。左コーナーを曲がると下りに入ることだけはぼんやり覚えているので,左コーナーが見えるたびに「あれか」と思っては,まだ先だったを繰り返して,やっと頂上を越える。去年は春先で道には枯れ草や枝が積もっていて,下りがやばいと思ったが,今年は路面はきれいだった。ブリーフィングで注意のあった工事区間もなにもなく通れて,通過チェック2に到着。1時間半ほど稼げた。肱川沿いに出て西予市に入って山道を下っているときに,後輪が破裂した音が聞こえた。雨が激しくなってる中,パンクの原因箇所をさがすのに手こずる。タイヤの表裏を確認して,さらにサイドの左右をチェックしてやっと原因箇所がわかる。タイヤブートあてて,ポンプで空気を入れるが,5気圧ほどで力つきる。せっかく稼いだ時間をパンク修理で吐き出す。この先の道の駅で空気入れ借りればいいかと思って走り出すが,雨で身体が冷えてスピードが乗らない。雨は上がってちょうど昼頃にきなはいや城川に到着。ここでレインジャケットと長袖ジャージを脱ぐ。長丁場なので焦ってもしょうがないと,まずはカレーを食べ終えて,空気入れを借りるが,ポンプの口が合わない。10kmほど先にも日吉夢番地があるので,そこで借りればいいやと,再出発して,日吉夢番地で空気入れを借りると,こちらはちゃんと空気が入った。ゆるく下り基調なので,快調に走れてやっとPC1に到着。昼食はさっき食べたばかりなので,飲み物だけ補給して再スタート。

まだまだ平坦が続くので,時間稼ぐために頑張る。県境を越えたあたりからまた雨がぱらつき始める。宿毛までの残り距離の看板が見える頃には雨は本格的になり,レインジャケットを着る。ヘルメットのつばから滴り落ちる水滴がうっとうしい。宿毛市に入ってPC2に到着。PC1まで250kmなのに,PC2までは50km。プロテインとトマトジュース飲んで出発。雨の中交通量の多い国道56号線は片側一車線しかないので,テールライト点灯して神経使う。足摺サニーロードに入って交通量が減ったのでまた気分は楽になる。今回は大月町には向かわず,土佐清水市にそのまま入る。それほど標高はないのだけれど,山の中を走っているような景色の中を走り続けて,やっと海沿いに出る。竜串を通過すると通過チェック3のめじかの里。営業は終了しているので,撮影だけして足摺岬に向かう。市街地を通り抜けて1時間程走ると,去年の10月から3度目の四国最南端の看板。雨の夜ということもあって観光客はまったくいない。

予報では夜には雨が上がるはずだったのに,雨は全然止まない。以布利のジャングルのような道はゴミだらけで,こんなところでパンクしたら精神的にやられそう。パンクしないことを祈るしかない。幸い何事もなく通り抜けて,市境の長いトンネルを抜けて四万十川にたどり着く。雨の夜で疲労もあって,ペースがあがらなくなってきた。10kmもないはずなのに,なかなかたどり着かない。市街地のあかりも見えない。橋が見える度に,あの橋を渡ればいいのかと期待しては外れるを繰り返して,やっと渡川大橋が見えてきた。橋を渡ってから北上するのだが,もう精神的にやられててPC3までの距離が長く感じる。やっとのことでPC3に到着。

スパゲッティを食べた後,雨があがらないので,去年の10月に泊まったホテルに電話すると空き部屋があったので,投宿。シャワー浴びて,着てるもの洗って,タイマーを90分でしかけて寝る。で起きたらなぜか3時半だった。その場でDNFの連絡しようかと思ったが,2時間遅れでもなんとか取り返せるんじゃないか,どうせ四万十町のPC4まで走るのは同じなんだから,いけるところまで行ってみようと,準備をして4時に再スタート。

平地を20km/hで3時間走れば,1時間遅れを取り戻せるのでPC4に行けるはずと自分に言い聞かせて,スピード見ながら走る。国道439号線杓子峠への登りでは路面はまぁまぁなものの,ガードレールなしで1車線しかない。こんな道を雨の夜中に走りたくはない。峠を越えて下りでは小石をうっかり踏む度にヒヤリとしながら走る。道の駅四万十大正にはロードバイクがおいてあったが,DNFを決めた参加者のものだったのだろうか。ゆるい登りだがペースは保てている。途中で日向ぼっこしている副代表のグループに会う。ここでDNFして合流したら気楽だろうなとは思ったが,とりあえずはPC4まではと挨拶だけして先に向かう。津野町に入って四万十川源流点への登りに入る。通過チェックは源流点まで2.5kmの看板なので,源流点まで5.5kmなら,あと3km。とはいっても平均斜度8%だと這うような速さでしか走れない。インナー×ローでトルクかけてごりごり登っているのだが,非力なのでほとんど進まない。カーブを曲がるたびに,この先すぐだと期待してはがっかりするを繰り返して,やっと通過チェック5に到着。この時点で遅れ解消。この後下りで時間稼げば,なんとか行けるはず。

通過チェックから頂上まではさらに距離があって,じれったい。やっと下りになって,時間が稼げると快調に下っていたら,緩斜面区間で後輪の空気が抜けた感触があった。またタイヤの裏と表をチェックすると小さいサイドカットを発見。やはり晴れだと見つけやすい。タイヤブート貼り付けて,チューブ交換,今度はCO2ボンベ使って一瞬で空気満タン。国道33号線に入って,ゆるい登りで進まないがなんとか引地橋を通過してPC4に間に合った。ただ10分しか余裕がない。あと70kmを4時間。

仁淀川町といの町との境界のトンネルまでの登りが,もうかったるいスピードでしか走れない。15km/hどころか10km/hすら下回る。長い長いトンネルを抜けて,下って633美の里を通過,国道194号線に左折したところで前輪の空気が抜ける。またタイヤチェックしてサイドカットを見つけてタイヤブート貼り付け,チューブ交換して,CO2ボンベで空気入れて再スタート。これで手持ちのチューブとCO2ボンベは使い切った。

最後の長い登りに入って,歩く速さでしか登れない。8kmを4km/hで登ると2時間だから,平坦区間頑張らないとかなり厳しい。そうしているとさっき空気入れたばかりの前輪からまた空気が抜けたような感触がする。しばらく走るとやはり空気が抜けている。ちょっとショックで,しかも暑さからか軽い頭痛がする。眼の前にバス待ちの小屋があるので,日差しを避けて,代表にDNF連絡。

しばらく日陰で休んで,空気を継ぎ足すとしばらくは持ちそうなので,走っては空気補充を繰り返した。下りのコーナーの手前では止まって空気補充。絶対に例のポンプを買おうと思った。チューブは6本にタイヤブートも6本,CO2ボンベも6本,交換用タイヤも持っていこうと思ったくらい雨のブルベが怖いと思った。

なんとか家に帰り着いて洗車すると,トップチューブとモノステーがアピデュラのバッグで擦れて傷が入った。コルナゴのクローバーが2葉になってしまった。アピデュラの防水バッグは材質がクリア層を削れるくらい硬いのは想定外だった。DNF以上のショック。

 

 

BRM519四国300km

累積獲得標高は前回の400kmが3962m,今回の300kmが5008mなので,100kmの距離短縮の一方で登りが1046m増加で差し引きせいぜい2時間しか短縮が見込めず,去年の300kmとほぼ同じなのでどう頑張っても17時間くらいはかかるはず。

標高1500mの四国カルストに登るので明け方の気温が気になるが,最高気温・最低気温は前回の400kmとほぼ同じくらいだろうと見込んで,ウェアはビブニッカーを裏起毛に変えただけ。2ボトルにしたので,サドルバッグはオーストリッチの大型タイプに変えた。昼寝した後,晩飯食べて,自走でスタート地点へ。ちょっと風が強くて肌寒い。もう1枚ウェア着ておけばよかったかとちょっと後悔した。サドルバッグの容量には余裕があったのだが,なんとなく身軽さを優先させてしまった。

ブリーフィングは路面に注意くらいであとはキューシート通り。車検を受けて,スタートだが,サイコンの反応が悪くてちょっと出遅れる。とはいっても,最初は信号はいくつかあるので追いつく。県道23号線に入るころには目の前を走っていた身軽なひとに引き離される。ブルベで身軽な人に付いていくと実力差がありすぎてやばいということはイヤというほど体験したので,無理せず見送る。

三坂峠への湯砥里館への分岐を曲がって,旧道の寂しい道に入る。昼間でも薄暗いのに夜だとさらに寂しさ増量,体感的には昼間の倍くらいの長さがあるように感じたが,国道33号線に合流。マイペースで登っているはずなのに,前方にテールライトが見える。追いついてみると,見送ったはずの軽装なひとを含む集団だった。どうやら,相変わらずオーバーペースで突っ込んで登ってしまったようだ。三坂峠を越えるとアップダウンの繰り返しになるのだからペースメーカーとして追いかけようと,つかず離れずで三坂峠を越えて,久万高原町を通り過ぎる。そこそこの傾斜のある下りは楽に追いかけられるのだけど,ゆるくなったりましてや登りになるとみるみる引き離される。引き離されまいと踏み込むんだけど,これってちょっとしたインターバルトレーニングになってるんじゃないかと自制心が一瞬働くが,一方で単独走ではできない時間稼ぐチャンスを逃すのはもったないと頑張ってしまう。なんとか千切れずにPC1にたどり着けた。

佐川町から須崎市にはちょっとした登りがあって,その時点で速いひとたちを見送って単独走になる。須崎市街の手前の信号で後続のひとたちと合流して津野町に向かう。四国カルストへの最後のコンビニのセブンイレブンで水とおにぎりを補給。去年のBRM609の時にはなかった広めの店内でイートインスペース完備。残念だったのはアンパンが品切れだったことぐらい。

さて,これから斜度9%9kmの風の里公園と8%10kmの天狗荘への2本のロングヒルクライム。夜の空に風車の塔の警告灯が点滅しているのが見える。果てしなく遠く見えるあの山の上までこれから登るなんて正気だとは思えない。頑張っても仕方がないのだが,頑張らないと進まないし,しかも後ろから迫ってくる自転車のライトが見える。どこまで逃げ切れるかと頑張って走っているが,サイコンは非情にも時速5km以下を示したりする。自転車降りて走ったほうが速いという事実がやる気をへし折るには十分。追いつかれたくないという感情だけが原動力。幸い九十九折なので,後続を気にしなくていい箇所が多くて自分のペース+αくらいのベースで登れる。やっと稜線にたどり着いたが,そこから通過チェック1にたどり着くまでにアップダウンを繰り返す。なんとか逃げ切れて通過チェック1のふれあいホットステーションに到着。

しばらくアップダウンの後に10kmくらいの下りだが,明け方最低気温の時間帯でさすがに寒さが堪えた。下り終えると天狗荘への登り。登りの入り口で後続のひとに追い抜かれるが,抵抗する気力もわかない。登りで追い抜かれる時は,追い抜いていくひとの姿勢良くハイケイデンスで進んでいくのを見て,自分の脚の回らなさとハンドルにしがみついているような崩れた自分のフォームに劣等感を感じる。もう何も考えずたまにでてくる天狗荘の看板だけを励みに,インナー×ローでペダルを踏むだけの単調作業をひたすら繰り返す。ペダルの回転数だけをひたすら数え続けるだけだが,途中で数えるのも嫌になる,再び0から数え始めるを何度繰り返したか覚えていない。やっと開けた場所に出た頃には日差しが暑い。最後の登りに入るがあと1kmが長い。積算距離が10m増えるのにじれったいくらい時間がかかる。天狗荘が見えた頃に,自転車乗りの宿泊客がこちらを見てることがわかった。天狗荘で自転車合宿なら楽しいだろうな,こちらはあの向こうに見える風車のところに登って下ってここまで来たんだぞとよくわからない怒りにも似たような感情が湧いてきた。お腹が空いてたから,天狗荘でなにか食べようかと思ったが,まずは通過チェック2の写真を撮ろうと思って,左折してしまったので,写真を撮った後そのまま姫鶴荘に向かう。去年のBRM609でも平坦なのにろくに進まないのは,今年も一緒だった。もうぼろぼろでどこでもインナー×ローでしか踏めない。やっとのことで五段城を越えて姫鶴荘にたどり着く。軽食ならあるかなと思ったが,残念ながら食堂はまだ開いてなかった。しかたがないのでパンを買ってコーヒーで流し込む。

一旦下って,再び大野ヶ原への登り。斜度はたいしたことないのにローからシフトアップする力はまったく残っていない。ゆっくりと走っているとやっとのことで大野ヶ原のもみの木にたどり着く。PC1に着いた時にはもみの木の開店には早すぎたかと思ったが,走ってみると開店直前にたどり着けた。チーズケーキを食べようと思ったが,チーズケーキは10時からとのことでさすがにさらに30分を浪費したくなはいので,アイスクリームだけ食べて再出発。入店待ちから再スタートまでおおよそ30分。国道197号線までの25kmの下りはただひたすら長い。路面そのものはそれほど悪くないが,ミスのゆるされない下りが1時間近くかかるのは,飽きが来ながら危険と隣合わせで走らなければならない。それが結構つらい。昼近くになり標高が下がるにつれて気温が上がってくる。集落を縫うように下ってやっと国道197号線に入った。前回は城川から下ってきていたので十分にスピードが乗って下れたのだが,今回は平地と大差ない緩斜面なのでじれったい速度でしか下れない。しかも肱川沿いは向かい風。なんとかPC2に到着。

姫鶴荘で食べたパンがまだ残っているような感覚があって,食欲がわかないのでコーラ飲んでボトルに水を足して再スタート。あと70km強なのでゆっくり走っても間に合う。大洲市街を抜けて郷峠に向かう。普通ならそこそこ回せるはずの緩い登りですら全く脚が動かない。だらだらと走り続けるが陽射しが熱い。途中こんな場所でやっていけるのかと思う場所でピザ屋の看板が見えたが,営業している雰囲気ではなかったので素通り。本格的な登りに入るが,斜度と標高はそのものは三坂峠くらいで普通なら1時間もあれば着くはずなのだが,まったく進まない。九十九折りで林の中をぐるぐる引き釣り回される感覚。集中力が切れて路面の穴を避けきれないこともあった。上半身を支えられず手のひらが痛くなってきた。前回下ろした新品のシューズが足に合わずに痛い。もちろんケツは痛い。

etrex30xjのマップを時々眺めながら通過チェックポイントが見えてこないかなと期待するが,まだ手前の横野峠すら越えていない。横野峠を越えてやっと下りに入るが,一旦登ったのにまた下って登ることがこのときほど辛かったことはない。1kmちょっと下ってからまだ6km以上続く登り。もう精神的に一杯一杯。いろんなところが痛いし,暑いし,ボトルの水はぬるいし,顔は塩吹いて気持ち悪いしといいところなし。それでも郷峠を越えないとそもそも帰れないので,しかたなしに走り続ける。etrexのマップを確認してはまだ到着しそうにないことだけがわかるを繰り返す。本当にたどり着けるのかなんて心配する気力すらなくなったころにやっと最後のカーブを曲がれた。通過チェック3の郷峠をやっと越えた。

ここからまた1車線の山道を下る。路面はそれほど悪くないが,コーナー手前で減速して曲がるを繰り返すことに飽きる。路面状態確認しながら,コーナーを見て,ブレーキかけて,曲がるという一連の動作がめんどくさくてしょうがない。いやいや下って開けた場所に出ると肱川から山側に向かっての風。これでは最後まで向かい風ではと懸念しながら,肱川沿いに出て,久しぶりに目にした自動販売機でアイスココア飲んで,ボトルには爽健美茶詰め込んで,長浜大橋に到着。最後の通過チェックの写真を撮って,あとは夕やけこやけラインを1時間半も走ればゴール。

夕やけこやけラインは意外と追い風で快調に走れる。交通量の多さはともかく追い越す自動車の車幅感覚のなさに時々ヒヤッとさせられながら,相変わらず客の多い道の駅ふたみを通過して,三秋峠にやっと着いた。ここを越えればもう終わり。とはいっても片側一車線しかないので,後続車を気にしながらラストスパートくらいのつもりで駆け上がる。三秋峠のバス停を通過したあとは下りきってゴールのコンビニに。

ゴール時刻に1時間足せば走行時間であるということを自分に念押しして,ブルベカードに記入完了。スタート地点に戻ってカード投げ込んで終了。登りがまったくダメになった気分だが,時間では昨年並なので著しく登りに弱くなったわけではない。去年は斜度が緩かったから,激坂への対応力がないのかもしれない。次の四国600kmはさらに長い登りと下りが組み合わさってるし,激坂区間も混じってるツラいコースだ。

ツールドにし阿波 2018

今年はSSコースがなくて,久しぶりのCコース参加。今年から番号順ではなく,整列順ということを忘れていて,受付済ませて駐車場からスタート地点に戻ってきた時には,結構な行列が形成されていた。並ぶのは諦めて,2013年以来の開会式を眺める。徳島県知事は以前はクロスバイクだったのだが,今はディスクロードに乗り換えていて,県知事の意気込みが伺える。遠目にはSpecializedに見えたのだが,高知県知事がTrek愛媛県知事がGIANTとそれぞれ違うのは,いろんな事情があるのだろうな。

7時スタートで,スタートラインに遅れて並ぶ。天気予報なら11時頃だったのに,雨が早く降り始めた。17分後にスタートできたが,160人くらいが先に出ているってことで,見ノ越からの下りを考えるとなるべく追い抜いておきたい。最初の国道192号線は車列が長くならないように,前方の集団を数えながら追いかける。ブルベだと集団で走ることはほとんどないが,こういうイベントだと平坦区間は集団になってしまう。前とは4-5mほど離して走っているが,結構いいペースのようで,後ろから追い抜かれることはなく,前方からの集団を追い抜いていく。つるぎ町に入った頃に雨足が強まってきた。国道438号線へ曲がると登り区間に入る。

国道438号線は前半20kmが緩斜面で残り15kmが平均斜度6%超のロングヒルクライム。前半はアウターで登っていく。途中でツールドにし阿波の顔といってもいいママチャリライダーを捉えた。ママチャリで鬼脚完走できるくらいの走力なので,緩斜面区間をハイケイデンスで登っている。雨足が弱ってしばらくすると第1チェックポイントに到着。バイクラックがほぼ満杯。みんな豚汁食べてのんびりしているようだが,空腹感はないので,トイレだけ寄って再スタート。

去年の秋から,ロングヒルクライムは全く走ってないので,どこまでやれるかと思ったが,まったくダメで最初の20分程で脚が売り切れる。200wどころか180wがせいぜいで,後続10人ほどに追い抜かれる。途中給水所から「コーラありますよ」と言われるが,気温20℃にもならない雨の中だと誰も給水には寄らないだろう,「ありがとうございます」と返事だけして,先に進む。ヘアピンカーブごとに数字がふられているが,下から順なので何の参考にもならない。なぜ頂上から番号をふらないとちょっと腹立てながら進んでいると,剣山スキー場のあたりから雨足が強くなってくる。国道最高地点の看板が見えたところで風が強くなってくる。ここから下りなので,防水ジャケットを着て,見ノ越の第2チェックポイントに到着。どら焼きとディニッシュ詰め込んで再スタートする頃にママチャリライダーが入ってきた。やはりこの人速い。

風雨が強くて横殴りに近い状態になったが,迷っていてもしょうがないので,栃之瀬までの下り区間に入る。ブラインドカーブ多数で国道439号線の荒れた路面に加えて今日は水たまりや川のようになっている。何人かはパンクしているし,カーボンホイールだとブレーキが効かなくてブレーキかけぱなしになっているようだ。Exalithリムですら晴天時の7割くらいしか効かないので,早め早めにブレーキかけて,ブラインドコーナーは対向車を想定して一旦停止くらいで下っていく。雨で路面状況がわかりにくく,路面からの突き上げが強くて手が痛い。サスペンション付きのMTBに追いついたが,さすがにこういう下りだと楽そうでちょっと羨ましい。落合峠への分岐を通過して,Bコース参加者とスライドするようになる。客観的に参加者の姿を見ると,この豪雨の中ずぶ濡れで大変そう。1時間強下り続けてやっと第3チェックポイントに到着。

寒いのでそばをつゆまで飲み干して再スタート。この辺になると路面状態はいいので走りやすい。1時間近く下ってきたので脚もちょっと回復したので,アップダウンの繰り返しもそれほど苦ではない。と思ったら最後の西祖谷の登りは進まない。プロフィールマップだとちょっとの距離に見えるが,実際に走ると結構長く感じる。トンネルに到着して登り区間終了。トンネルを抜けて大歩危からは最後の平坦区間

国道32号線も平坦区間とはいうものの,ゆったりとアップダウンが繰り返される。国道なので交通量も多く,追い抜いていく自動車からたっぷりと飛沫を浴びせられる。もうずぶ濡れなので,どうでもいいはずなのだが,気分はよくない。20kmほどなので,ゆっくり走ってもいいのだが,さっさとゴールしたいのと,運動強度を下げると身体が冷えるので,ラストスパート。後ろから集団に追い抜かれるが,目標ができたので,追いかけられる。前方に目標があると追いかけることだけを考えればいいので,経過時間や経過距離も気にせず走れるので楽。ゴールすると,いつもならAコースBコース参加者で結構混んでいるはずなのだが,今日は閑散としている。完走証がちゃんと袋に入れられていて,雨に濡れてぼろぼろになることがないのはありがたい。まずは誰もいないマッサージを受けて,そうめん,うどん,イチゴ,揚げパン,コーヒーと一通り食べていたら,ママチャリライダーがゴールしてきた。登りだけじゃなく平坦区間も相当速い。

参加者のデータを見ると,DNS率はA,B,Cの順で,DNF率はC,B,Aの順。参加者の意気込みがDNS率,コース難易度がDNF率とすると妥当か。にし阿波のコースは登りの歯ごたえ十分なのだが,登った後の下りがテクニカルでつらい。晴天時でも下りが長くてつらいのに,雨でさらに難しくなった。今回は気温がそこそこあったから良かったのもの,見ノ越で気温一桁だったらDNF率は跳ね上がっていただろうな。雨天装備持たずに走って,チェックポイントでゴミ袋もらっていた人が結構いた。

BRM428四国400km

自宅から自走で参加できる地元開催。22時スタートなので夕方まで寝ていて,20時過ぎにスタート地点に向けて出発。最低気温13度最高気温25度と予想して,上はCraftのIntensityにmont-bellのメリノウールを重ね着,春-初夏用の長袖ジャージに遮風のためにJ2Xの反射ベスト,下は春-初夏用のビブニッカー。指付きグラブにしようかと迷ったが,13度なら大丈夫だろうといつものGiro Zero2。

リタイヤしても輪行での逃げ場はほとんどないコースなのだが,一応お守りがわりに輪行セットをサドルバッグに入れて,防寒用にWindbreak長袖ジャージをどうしようかと迷ったが,荷物を減らそうと持たずに出た。自宅を出るときに忘れ物の確認をするのだが,今回の最後の忘れ物はetrex30xjだった。前回はワイヤーロック。

STIレバーの不具合でハンドル周りは一新して初めての長距離ライド。ハンドルのトップが太くなっている3T ErogoNovaは手のひらの安定感が高くて,特に違和感はない。ブレーキとシフトのワイヤーセットは日泉ケーブルのプレミアムに交換してみたが,シマノのケーブルとの違いはわからなかった。ただコーティングが剥げることがないので,見栄えはちょっとだけ良くなった。

去年の四国400kmのエントリーが12人(スタッフ込)だったのに,今年は26人と倍増。獲得標高が減れば参加者は増える? とはいっても60人や80人といった大規模ブルベと違ってこじんまりとブリーフィングが行われて,車検を受けてスタート。

何度も通った三秋峠からの夕やけこやけライン。去年のBRM1006も夜に走ったのだが,今回は眠気がないので快調に走れる。三秋峠では冷っとした空気を感じたが,海岸線に出るともわっと暖かい空気になったので,そんなに寒くはならないのかなと思っていた。PC1でおにぎりと水の補給を済ませて再スタート。八幡浜から法華津トンネルを抜けて宇和島市を通過。去年は昼間見た景色が,今回は夜ということもあって結構違って見える。コンビニや看板を「去年見たな」と思い出しながら,やっと愛南町に入る。アップダウンの続く海岸線が月に照らされて,昼間とは別の景色。なかなかたどりつかないなとしびれを切らしたころにやっとPC2に着いた。倉敷400kmでは眠気にやられたので,今回は早めに激眠打破を投入して,アンパンとアップルパイで口直し。ブルベだと罪悪感なしに菓子パンが食べられるのが嬉しい。

再スタートして,気温計の表示を見ると気温7度。道理で指先がしびれるはずだ。つま先もかじかんできた。胴体はウールとベストのおかげで大丈夫だが,それ以外は結構寒い。我慢できないわけではないが,我慢したくないくらいの寒さ。早く,太平洋岸に出れば暖かくなるだろうとちょっと飛ばし気味に走る。途中の気温計は更に下がって6度だった。トンネルを抜けて宿毛市街を通過して,足摺サニーロードに出るとちょっとだけ暖かい。でもウェアの想定よりも気温は低いので日の出を迎えるまでは耐えるしかない。

大月町に入ったころに空が明るくなり始める。土佐清水市に入って竜串の看板が見えたころに,太陽が見えた。これで暖かくなるとちょっとホッとした。足先の感覚がないくらいに冷え切っている。去年走って感じた通り,土佐清水市の海岸線は長くて,足摺岬までは竜串から市街地を抜けてさらに先にある。1時間以上走って,やっと鵜ノ岬展望台に抜ける分岐に差し掛かる。Googleストリートビューで見た時は工事中だったために,数百メートルミスコースしてしまう。ブリーフィングでの注意にあった「トンネルに入るとミスコース」の言葉で気づいて折り返す。海岸線の細い道を通るのだが,バス停や民宿がある。割とあっさりと展望台につくかとおもいきや,いくつものコーナーを曲がってやっと通過チェックに到着。写真を撮って,ついでに日焼け止めを塗って再スタート。

足摺岬への急坂をギアチェンジがめんどくさくてアウター×ローで無理やり越えたあと,ジョン万次郎像があったことに始めて気づいた。前回は四国最南端の碑だけに注意が向いていたので,その後ろに像があったなんて気づかなかった。その後,以布利への分岐はまだかなとetrexを操作したら,コース上に自分がいない。一瞬やばいと思ったが単にコースデータの後半を読み込んでなかっただけだった。去年は短く感じた足摺岬からの東側が結構長く感じる。ちょっとした起伏を超えるのがつらくなってきた。フロントをインナーギアに落とすとリアのシフトアップしなくちゃいけないのがめんどくさくて,ちょっとした登りならアウター×ローのダンシングでクリアしてきたツケが回ってきた。まめにフロントとリアのギアチェンジさえすれば,もうちょっと楽に走れたはずなのだが,なまじダンシングでクリアできる程度の短距離の登りということに嵌ってしまった。電動でシンクロシフトにしてしまえばいいんだろうけど,電動よりも機械式の方の取り扱いの楽さから乗り換えには躊躇してしまう。

最初は90回転/分でいけてたのに,60回転くらいにまで低下してしまった。パワーそのものはあまり低下していないので,ギアを重めにして速度をなんとか維持しようとする。小刻みなアップダウンを繰り返してPC3に到着。店頭にベンチがあるので,朝食に豚生姜焼き弁当を食べて大休憩。気温が上がってきたのでウールのアンダーを脱いで,反射ベストのバックポケットにしまい込む。

四万十川沿いに出て中村市街地をかすめると四万十川沿いの1車線道路に入る。観光シーズンということもあって,沈下橋見物の自動車同士の離合で何度か止められる。やっと2車線道路に出て,江川崎の距離が縮まることだけを楽しみに走る。道の駅よって西土佐でなにか食べようかと思ったが,ゴールを目指すこと優先で通り過ぎた。そのまま北上して県境を越えて,やっと愛媛県に戻ってきた。気温が上がってきて暑いが,空気が乾いているのでそれほど不快ではない。ただ,左アキレス腱が痛み始めた。これ以上やばくならないで欲しいと願いつつ,虹の森公園への残り距離が減っているのをブルーラインで見ながら,PC4に到着。暑いのでフラッペを食べて,頭から水をかぶる。ちょっと目が覚めたような気分。残り90km。

日吉夢産地を過ぎると,下り基調になる。これまでの苦労が報われたような気分で,快調に走れる。昼過ぎにきなはい屋しろかわを通ったが,快調に走れているのでそのまま通過して下り続ける。鹿野川湖で一旦登りになるが,再び下りに入って大洲市肱川まであっという間に着いた。内子への分岐で北上すると追い風に助けられる。さすがに平地になると,左アキレス腱が気になるが,悪化する気配はない。内子の町中を通り抜けて国道56号線に出る。PC5 に到着。

水分のとりすぎか運動強度のあげすぎか,食欲がわかなくなったので,グレープフルーツのシロップ漬けで口をさっぱりさせて,メイタンを投入。あと30kmでゴール,犬寄峠までなら20kmほど。追い抜いていく自動車の車間距離の狭さに時々冷やりとしながら,クラフトの里までの残り距離が減るのだけを確認しながらペダルを回す。もう心拍数はまったく上がらない。クラフトの里の営業時間中にたどり着けたらとスタート前には思っていたが,予想以上に早くたどり着けた。自分にご褒美で,小夏のジェラートを頼んで,舐めるのではなく齧って頭痛と戦いながら早食いして,再スタート。

犬寄峠を通って,あとはダウンヒル。疲労困憊している自分が高速ダウンヒル大丈夫かと思ったが,何度も通った道なので問題なく下れて,あとはゴールのファミマにたどり着くだけ。市道に曲がって,やっとゴールにたどり着いて,しばらくイートインスペースでプロテイン飲みながら座り込んでいた。到着時刻に2時間足せばいいだけの,単純な足し算すら結構あやしいのだが,ブルベカードに経過時間を書き込んで,レシート確認して,スタート地点の代表の車に投函して終了。あとは自走で帰るだけだが,全身が痛い。ペダル回すだけはなんとかできるので,ゆっくり走って帰宅。

去年と比べてボーナスコースと走る前は思っていたが,消耗度合いは去年よりひどかった。丁寧にギアチェンジしていけば,ムダな消耗は抑えられたはずなので,それが今後の課題。

 

 

 

BRM331倉敷400km

前回の倉敷300kmを江津市まで伸ばして,距離調整のために新倉敷スタートにした400km。獲得標高3241mと登りは少なめだし,朝スタートなので難度はさほど高くないはず。問題は最高気温が20度超,最低気温5度以下と日較差15度超の寒暖差対策。荷物はなるべく増やしたくないので,暑さと寒さのどちらを妥協するか。悩んだ末にカンパのアンダーウェアにジオラインの重ね着に春用の薄手の長袖ジャージ,下はビブショーツで暑さ対策優先,夜はGoreのウィンドブレーク長袖ジャージとレッグウォーマーとシューズカバー+カイロで寒さ対策。あと前面の風通しが悪い J2X Fitness Full Zip Reflective Cycling Gilet Vest Top Hi Viz で胴体の防寒,昼間はファスナー全開にしておく。J2Xは大きめのバックポケットが着いているので,指付きグラブやキューシートが入れておける。前回も昼に気温が高くなったときに脱いだキャップやネックウォーマーが収納できて便利だった。ただ風通しが悪いので,今シーズンの使用はこれが最後のブルベ。

新倉敷駅に到着すると,8時組のスタート時だった。9時組は8時組と比べると人数少なめ。あっさりとしたブリーフィングが終わり,車検済ませて,時間になって出発。人数が少ないので前回のようにスタートから列車が連なるということもなく,ばらばらで走る。ブリーフィングで言及されたアップダウンが続く広域農道は問題なく通過した先でミスコース。左折すべきところを,ちょっとした丘を超えた3kmほど直進してしまう。丘を登り返してコース復帰。9時組の最後方くらいになったはず。通過チェックのセブンイレブンで集団においつく。前回と同様に府中市街の信号林を抜けて上下への登りに向かう。走っていると先行しているひとがたまに見えてくるので,目標があって走りやすい。前回ほど苦しまずにPC1のセブンイレブンに到着。ボトルに水を補給して,おにぎり2個詰め込んで再スタート。

三次市に入って川沿いはちょっと逆風で,下り基調なのに進まない。日差しが強くて,上下への登りでかいた汗が乾いて顔がざらざらする。桜見物かカメラ持ってふらふら歩いている歩行者が多くて気を使う。三次市街地は昼間とあって交通量が多く,あまりペースをあげられずにPC2に到着。ここでも水の補給とおにぎり2個で再スタート。再スタートしてしばらくするとサドルバッグが右太ももにあたるのが気になる。見るとサドルバッグのシートポストとの接合部分が右に偏っている。サドルバッグの頭の部分に荷物が均等に入っていないために歪んでしまっている。ちょうど船佐駅でパッキングのやり直しをするがうまくいかない。結局,輪行袋を袋に積めず折りたたんでサドルバッグの先頭に押し込むとうまくいった。そんなことをやっている間に三江線の列車が到着して,地元のひとたちが旗振っていた。列車が遠ざかると彼らはあっという間にいなくなり,元の無人駅になった。三江線沿線は駅や展望スポットにひとが鈴なりになっていて,路上駐車多数。前回と比べて走りにくい。

敷藪駅の手前で,スタッフによるシークレットPC。初めてのシークレットなのでちょっと面食らった。前回なら寒くてしょうがないところだが,今回ならなんとかなるだろうけど,それでも4時間以上は待ってないといけないわけでご苦労さまである。敷藪駅はイベントで混雑していて,どこにこんなに人がいたのかというくらいの人出だった。三脚かかえたカメラマンやイベントから帰る地元の人が歩いているので,気をつかいながら走る。そうしていると県境の登りを超えて島根県に入る。小刻みなアップダウンまじりの緩やかな登りなので地味に疲れる。見通しがいいのではるか先に先行するランドヌールの姿を見つけると追いかけようとする気力が湧いていくるが,度々出てくる片側通行の信号によって阻まれる。川本へ交通量が多いトンネルまじりの下りを走って,PC3のローソンに到着。元ポプラのローソンなので,ご飯をよそってくれる弁当を売っているが,夕飯にはちょっと早いので,水の補給だけすませて再スタート。

江津市に向かってゆるく下っているはずなのに,路面が悪くあまり進まない。疲れもあってつらくなるが,追い抜いた人がそんなに遠くに離れていかないので,目標として付かず離れずで走れる。とはいっても集落が見え始めたころに,足が回らなくなってちぎられる。その頃に折り返してくるひとたちとすれ違い始める。狭くてブラインドカーブがあるので気をつけながら走る。

江津市内に入って,大阪王将につられるようにミスコース。戻ってPC4のローソン・ポプラに到着。店内に入るとどうも感触がおかしい。夕飯のミートソーススパと水を買って,食ったあとでシューズをみるとクリートカバーが左右ともにない。PC3ではすでに落としていたが疲れて気づかなかったのかもしれない。そうすると船佐駅かもしれない。Goreのジャージを着て,レッグウォーマーを装着,カイロを入れてシューズカバーをつける。サイコンに給電しようとするとケーブルがない。店内にマイクロUSBケーブルがあったので買って,サイコンに給電開始して,ライト点灯で再スタート。

ちょうど川平駅に列車が到着するということで,見物客やカメラマンが混んでいる道を戻る。ここからはほとんど行きの道をなぞる。日が暮れて,すれ違うひとたちと挨拶しながら,PC3だったPC5に向かう。PC5は500mlの水が売り切れていた。エビアンのミニボトル2本で補給して,アンパン食べていると因原駅の方から声が聞こえてくる。最後の祭りは,四国の遠くない未来の姿だろうなとちょっと感傷的になりながら再スタート。

行きでは長い下りだったトンネル混じりのコースを逆に登る。夜になって交通量が減ったので,走りやすいが登りである。しかも途中でシフトチェンジミスってチェーンをインナーの内側に落とす。サドルバッグは荷崩れするし,クリートカバーをなくすし散々な一日のトドメがチェーン脱落。一瞬,au損保のロードサービス呼んでリタイヤしようかと思ったが,戻れるのは江津市くらいしかないので,倉敷まで走ろうと10分ほどあれこれやったが,最後は自転車をひっくり返して作業すると割と簡単に戻せた。疲れてくるとアウターで行けた登りが無理になってくるので,疲れもあって雑にシフトチェンジしてしまう。なんとかこらえて登り切る。PC6までは60km弱あるので,まだ1/4しか走っていない。またしても片側通行の信号に止められる。人気のない灯だけは点いている口羽駅の上を通過して国道375号線に入る。前回も走ったコースだが,眠気が襲ってくる。だんだんと頭の中に霞がかかったように思考力がなくなっていくのがわかる。だらだらと走っていて,力が入らない。後ろから抜かれるが追いつこうとする気力もわかず見送って,だらだらと走る。バス停に小屋があるのでちょっと横になる。10分ほどだけどちょっとだけましになったので再スタートして,やっと三次市街の灯が見えてくる。やっとPC6に着いた。あと100km。眠気覚ましに激強打破とリポビタンDを流し込んで,豚汁を食べて一息つく。

上下のセブンイレブンまでは30kmちょっと。前回は追い込んで超えられた吉舎町の峠は,インナーローでのんびりクリア。疲労でもう心拍数が120を超えるのも難しい。下って平坦になるとなぜか気力が湧いて足が回る。とはいってもそんなに長時間は持たず,5分ほど頑張っては10分くらいだらだら走るという一定ペースとは程遠い乱高下走りでPC7に到着。もう口の中が甘いのに抵抗があるので,ドリンクだけは麦茶にする。でも食べるのはアンパンとコーヒー。ついでにトメルミンを1錠。

上下からの下りは長い。快調に下って,府中市街に入ると信号は黄色の点滅状態。交通量はほぼ0。昼間とはまったく違う快適な状態で走る。福山市に入って,もうすぐPC8だと思っていたが,前回のコースから離れて9kmほど先にあった。疲れてくると目標までの距離の見積もりが短めになっていく。トメルミンかコーヒーのせいか胃がむかむかし始める。ライトのバッテリの警告灯も点灯する。PC8は食欲がないので,飲むヨーグルトだけで,ライトのバッテリ交換して再スタート。

100mにも満たない小さなアップダウンが繰り返される広域農道は,もうインナーに落として頑張らずにクリアしていく。下りの見通しが悪いので最大光量に切り替えながら走る。行きでは間違えた十字路に入って,やっと終わりが見えてきた。新倉敷駅を通り越して受付のホテルで受付してゴール。

次走はBRM428四国400km。今回よりも600mほど累積獲得標高が増えるが,知ってるコースなので気楽に走れる。

BRM310倉敷300km

午前5時スタートなので,午前4時にホテルから出発して駅北口に。具体的な集合場所がいまいちわからないが,ブルベ参加者くらいしかいない駅前だと赤色灯ですぐにわかった。受付と同時に車検も済ませて,通行止め箇所と迂回路の説明のブリーフィング。BRM212高知の時は雪が降って底冷えを感じたが,今日はそこまで寒さはない。靴下に貼ったカイロがちゃんと効いている。ブルベカードに捺印してもらってスタート。80人エントリーの大人数ブルベなので,テールライトの列が連なる。倉敷大橋を渡り終えて,郊外に抜けた頃から集団を抜け出して単独で走る。風もほとんどなく,ほとんど分岐のない道なりに2時間ほど走って通過チェックのファミマ。

府中市に入ってから信号が林立して,片っ端から止められる。なんとか市街地を抜けて,国道を離れて川沿いに北上する。今日のルートの最高地点に向けて登りが始まる。ゆるいのでアウターで廻せる。とはいっても登りには違いなく平坦よりも力が必要で,徐々に汗ばんでくる。ところどころにある気温計は-2度や-1度を示しているのに暑い。インナーキャップを脱いでおけば良かったと思ったが,足を止めたくなかったので,ジャケットのファスナーを下ろすだけで走り続ける。頂上を通過して,もう一度登ったところでPC1のセブンイレブンに到着。ちょっと腹が減ったので,アンパンをコーヒーで流し込んで,インナーキャップとネックウォーマー脱いで再スタート。

上下町の商店街はひなまつりのイベントで,観光モードなら写真撮るのだろうが,ブルベ中はそういう気分にはならないのでそのまま通過。細かな登りはあるものの,基本的には下り基調になっているが,感覚的にはほぼ平坦路を進んでいくと,街が開けて三次市街に入る。三次駅前を右折してPC2のファミマに到着。空腹感はあまりないので,ボトルに水を補給して再出発。ここから三江線沿いに走る。江の川沿いの下り基調なのだが,1車線で路面が悪い。路肩には雪が残っていて,途中には伐採や折れた枝がちらかっている箇所があった。県境をまたぐ峠を越えてブリーフィングで話があった通行止め箇所で江の川の右岸に渡る。通行止めになるのももっともな大規模な地すべりのような跡があった。ところどころ「宇都井駅」という看板があって,観光地としてそれなりに有名らしい。あと少しで宇都井駅というところで,先頭とスイッチする。折り返しの宇都井駅に到着。

さて,ここから階段登りなのだが,クリート付きのシューズのまま登る。歩きにくいのだが,特に問題なくホームにたどり着き,ノートにメッセージは「チャリで来た!」と書くしかないでしょう。お腹が空いたので,駅前で売ってた饅頭6個買って,その場で買って食べる。あとでツイッターのTLで知ったのだが,大阪で作られた饅頭だったらしい。薄皮饅頭,豆大福,南瓜餡饅頭2個ずつの計6個詰め込んで再出発。

国道沿いはトンネルがあるが,路面がいいので登り基調のはずが楽に走れる。PC4は先程のファミマだが,スタッフによる有人チェック。でもボトルの水を補給して,再出発。最高地点への帰りのルートは登りの距離は短くなるが,それでもきつい。追い込んでも疲れで心拍数はあがらない。感覚的には行きと同じくらいの距離があったような感覚でやっと登りきった。細かいアップダウンの後はPC5のセブンイレブン。登りで追い込みすぎて食欲がわかない。店員さんに「もう宇都井駅まで行かれたんですか?」と聞かれる。反射ベスト来た自転車乗りが大挙して押しかけたら,そりゃ不思議に思うよね。普通のひとから見れば,この店から三次駅に行くとことや,倉敷駅からこの店に来ることが信じられない話だろうな。「がんばってください」と言われたので「ありがとうございます」と礼を言って再出発。

最後の長い下りは山陰になっていて,気温は9度となっているが体感温度は0度くらい。下り終えると川沿いに逆風が吹いている。ゆるく下っているのだが,逆風なので±0よりも若干マイナス。しかも川沿いということもあって小さな虫が飛んでいる。日が傾いてアイウェアを外したいのだが,虫が飛んでいるので外せない。こういう時は明るめの調光レンズが欲しいのだが,Rudy projectの最近の製品はそういうレンズが出てない。

府中市に入ると信号地獄に加えて,道路が車で一杯。大型車が多くて気を使う。なかなかペースが上げにくい。信号地獄を抜けてPC6のファミマに到着。あと2時間くらいのはず。再出発して県道に入ると片側一車線しかないのに,大型トレーラーが追い越しをかけようとする。さすがにやばいと思って歩道に飛び上がってやり過ごす。どこまで車にうまく抜かれるかを後ろを確認しながら走り続けて,やっと倉敷市に入る。倉敷大橋を渡って最後の3km程を後続車に気を使って,路地の歩行者を気にして走って,やっと倉敷駅南口に到着。ゴール受付を済ませて,そのまま輪行できるのは駅前ゴールのメリット。

次回は3週間後のBRM331倉敷400km。前半のアップダウンと登りで無理せず,始発電車に間に合うペースを目標で。

 

RM1200 Clover Hokkaidoエントリー

あっという間に満員になったRM1200 Clover Hokkaidoになんとかエントリーできた。

300km×4の行程なのでトラブルさえなければちゃんとホテルで寝られるはず。土地勘はないが,四国300km×4のような過酷さはないんじゃないかな。

スタート前日午前中に羽田発千歳着で帯広までJR。ゴール後の午後に帯広発羽田着にした。自転車は西濃カンガルー自転車便で送る予定。四国から北海道だと人間の移動もカネかかるし,自転車送るのも結構かかる。今年のブルベ遠征は倉敷シリーズ2本とこの北海道だけにしておこう。

BRM212高知200km

朝から雪が舞う200kmブルベ。持てる限りの極寒仕様で身を固めたが,それでも足先と手は冷たかった。

上半身は,ファイントラックのアクティブスキン+モンベルのジオラインサイクルアンダーウェア+CraftのWind Breakアンダーウァア+腹と背中にカイロ+Goreのジャケット。

下半身はGoreのWind Stopperビブタイツ。

グラブはファイントラックのインナーグローブにkabutoのWPG-2+カイロ。

靴下はファイントラックのスキンメッシュにRiveloのウールソックス+つま先に貼るカイロ上下+プレミアムシューズカバー。

頭はGoreのWind Stopperキャップとパールイズミのイヤーウォーマ,首にはBuffのフリース裏地タイプ。

路肩には雪が薄っすら積り,路面はウェットの状況。集合時間からスタートまでの時間寒くて仕方ない。スタートして市街地は信号や二段階右折で時間がかかる。市街地を抜けて橋にかかったところで橋上が凍っていた。やばいと思いながら走って下りに差し掛かったところで派手に転倒した。右半身を路面にぶつけたが,骨折はない。自転車もチェーンが外れただけで問題なさそうなので,徒歩で橋を渡りきって再スタート。

南国市に入るころには路面は乾いていて,信号も減り,よく知っているルートなのでペースがあがってきた。とはいえ落車の後にetrex30のマウント部分が緩んでいるのを治そうとした時にサイコンのマウントに手をぶつけて折れてしまったので,パワーも心拍数もスピードも見えなくなった。腕時計はグラブに隠れて見えない。自分の感覚だけで走るしかなくなった。西風が吹く予報だったが,期待していたほどの風ではない。

PC1に予定通りの時間に到着。スピードメーターも時計も見ないで想定時間通りに走っているので,冬場ほとんど乗っていない割には走れている。ほぼ平坦で追い風という条件のおかげだろう。

国道55号線に戻ったあたりから雪が舞い始めて,ちょっとやばいかなと思ったが大したことはなく,風向きも逆風にはならず走れる。甲浦を過ぎて徳島県に入ったあたりから,上りが増えてきてペースが落ちてきたように感じる。その感じがやる気をみるみる下げていく。しかも太ももが攣りそうになってきた。やる気が削れてめんどくさくなって,インナーギアを使うのがめんどくさく感じて結果としてアウター縛りで走っている。しかもレバーの調子が悪くてたまにシフトアップが出来ずに空振るのがさらにやる気を削る。

相変わらず,ローソン牟岐町中村店が遠く感じる。とはいえこれまでは膝痛,アキレス腱痛があったのに比べれば肉体的には大したことがない。だらだら走ったつもりだったが,時間的には予定通りに到着。今回は昼間だったので,前回の夜中の店員さんはいなかった。

再スタートしてからもだらだらと走って,いつも気が付かずに通り越してしまう星越峠も通り越し,やっと阿南市に入る。しばらくして市街地になってくると一気に交通量が増え,信号も増えて辛くなる。前回までは阿南市を抜けて小松島市に入ると国道55号線に戻って徳島市に入るコースだったのだが,今回は小松島市中心部を通過するコースになった。国道55号線は交通量が多いが,なんとなく最後の力を振り絞って走ればいいという単純なコースなのだが,今回は市街地で交通量も信号も分岐点も多くて頭を使って疲れるコースだった。見知らぬ道をGPSの指示通りに引きずり回される感覚が辛い。やっと国道55号線にたどり着いて,知ったルートでやる気がちょっとだけ出る。ゴール受付を済ませて,急いで徳島駅に向かうが3分差で特急に乗れず。輪行の最後の袋に収めるのがいつまでたっても進歩しない。寒い中駅で1時間待って帰ったが,帰りの自由席はほぼ満員。デッキに置いておいた自転車が心配だったが,壊されることもなく無事帰れた。

次回はBRM310倉敷300kmの予定だが,3月上旬の中国山地も今回と変わらないような寒さのような気がする。雨が降らないことを祈る。