ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

BRM501徳島

当日ドロップバッグをホテルに置き忘れるミスをやらかして取りに戻った。先行き不安な朝だった。昼間25℃,夜10℃にどう対応しようかと考え,長袖ジャージとウィンドブレーカーをサドルバッグに入れて,メリノウールアンダー+半袖ジャージにビブニッカーの組み合わせで行くことにした。ドロップバッグには冬用半袖アンダーとレッグウォーマーに着替えの半袖ジャージとビブパンツ,靴下とグラブの替え,仮眠用のアイマスクに耳栓,歯磨きセット,ドリンク用粉末を入れておいた。

100人となるとドロップバッグの受付に始まり,受付,ブリーフィングとあっという間に時間が経つ。スタートとするとグループが出来上がるが,周りを見るとみんな軽装で走っている。ドロップバッグがあるとはいえ,そこそこの装備が必要なのではないかと思ったが,速い人は身軽な装備で十分のようだ。速い人ほど身軽では逆ハンデみたいなものだなと,トレインの中で憂鬱になる。案の定規則正しく交代を繰り返し,自分の番では平均速度を落とさないように必死でペダルを回した。徳島からPC1までの道半ばまで信号地獄のように引っかかりながら,結構な平均速度で走った。ツールドにし阿波で見た景色になるとちょっとだけテンションがあがる。一方でトレインについていくのも一苦労で,あと少しの辛抱とくらいついているとPC1に到着。

コンビニPCなのに有人チェックだけど,トイレに行っておにぎり買ってチェックを受けると,他の人たちはさっさと出発していた。そういえば店の中に入る人って自分以外いなかったような気がする。ここからは独走モード。にし阿波のコースから川之江に抜ける道だが,ゆるやかに境目トンネルに向けて登っている。楽のできないコースで気温もあがってくる。境目トンネルにさしかかろうとしたときに後ろから軽装な人に追い抜かれる。境目トンネルからは下りなので,頑張って踏み倒すと国道11号線に差し掛かるころに後ろに着くことができた。しばらく後ろで走っていたが,ツキイチじゃ悪いよなと思って,先頭交代してみる。どう考えても実力差が明白なので,垂れてきたら勝手に替わってくれるだろう5分間インターバルのつもりで頑張る。たぶん1:3くらいの比率で引いてもらって,土居の登りに来たので礼を言ってお別れ。

新居浜市内で信号にことごとく引っかかり,気温もあがってきて精神的につらくなってくる。西条市内で右折車にちょっとひやっとさせられたりとさんざんな中PC2にたどり着いた。もう結構なひとが出発したような雰囲気を感じる。おにぎりとオレンジジュースを買って,再出発。BRM319と同じコースなのだが,天候が雨か晴れでは大違い。寒いのと暑いのとどっちがいいという二択なので,どちらもしてもあまり嬉しい物ではない。桜三里から旧讃岐街道に抜けるコースでは晴れで助かった。前回は危うくコースアウトしそうになった鋭角カーブも問題なかった。重信川沿いに走ってPC3に到着。

もう水が普通には飲めなくなってきたので,ウイルキンソンの炭酸水を入れてみる。意外といけるので,この後も炭酸水ばかりボトルに詰め込むことになる。ワンボトルで行くにはちょっと暑いが,ツールボトルを使えるとサドルバッグが軽くコンパクトになるので,こまめに自動販売機を使うことを想定して100円玉をたっぷり用意してきた。

結構汗をかいたはずなのに,おにぎりが塩辛く感じる。2RUNで塩分補給しているせいだろうか。さすがに8時間近く走るとみんなばらばらになって100人いてもPCの先着者が1人か2人いるくらい。後続も来たり来なかったり。

GWということもあり夕やけこやけラインは車とバイクでごった返し,双海の道の駅では満車の看板が出ていた。下灘駅も結構な人がホームで記念撮影していた。あまりにも暑くなったので途中の自動販売機で水を買って頭からかぶる。あまりの冷たさに目が覚めた。顔にかけると汗が乾いて塩になっていたのが溶けてしょっぱい。気を取り直して長浜を抜けて,保内へのアップダウンの繰り返しにうんざりしながらだらだら走る。単調な夕やけこやけラインよりもメリハリがあって楽しいと感じるときもあるが,すでに200km以上走ってさらに400km近く走らなきゃならない時はつらいコースである。

前回は日没後だったPC4の八幡浜に日があるうちにたどり着いた。だが,ここまでの頑張りというかオーバーペースで膝に微妙な違和感を覚えた。このままだとちょっとまずいかなとペースダウンしたいのだが,PC5までの登り基調ではあんまり楽はできなかった。BRM319のルートから外れて西予市から野村町を経て高知県津野町へは登って下ってまた登るを繰り返す。いつ高知県にたどり着くのだろうと,アップダウンの繰り返しにうんざりしていたら,トンネルの中に県境が書かれていた。県境を越えたらすぐだろうと思った梼原町までが果てしなく遠かった。日も暮れて周りが見えないし,なおかつ虫が飛び交っている。梼原町の中心部を抜けて,津野町までもまた遠かった。さらに登りが続きいつになったら着くのか精神的にまいってきた。googleストリートビューで見た景色は闇に紛れて何も見えない。そうしているうちに街灯が明るく灯っているのと赤色灯の点滅を見て,PC5があそこだとわかった。500円の寿司に味噌汁を食べてほっとする。こっちは到着したばかりなのに,もう出発するひとがいる。さっさと海沿いに降りてコンビニやファミレスで仮眠を取るのだろうか。こうやってどんどんと差がついていくのだろうか。気にしても仕方がないのでドロップバッグから着替えを取り出し,顔を水で洗って歯を磨いて,タイマーを3時間にしてドロップバッグを枕に仮眠を取る。幸い畳の上が一人分あいていたので助かった。

2時間半で目が覚めたので,ドロップバッグを所定の場所において民宿を出る。自転車に夜露が降りていて,ハンドルが微妙に湿っている。etrex30の電池を交換して,ルートを呼び出し,サドルバッグの長袖ジャージとウインドブレーカーを着込んで出発。津野町から須崎までは下り基調だが,街灯はもちろんないが反射板も少ない。ヘルメットにつけたヘッドライトでコーナーの先を照らしながら下っていく。寒さと見通しの悪さでそれほどスピードが伸びない。緩斜面も身体が動かないので,速度があがらない。須崎市内への右折をうっかりしてミスコースする。昼と夜とでは見える景色に違いがありすぎる。須崎からは再びBRM319のコース。土佐市までは若干の登り下りがあるが,その後は桂浜まではほぼ平坦。桂浜から浦戸大橋に向けての登りで,まったく進まなくなる。やっぱり初日の疲労が溜まっているのだろうか。ダンシングだとあっという間にフォームが崩れて失速し,シッティングだとトルクがかけられないし,ケイデンスもあげられない。結局インナーローで這い上がるような速度で浦戸大橋を越える。そこからも高知空港まで単調な道が続く,空港の明かりが見えたころに物部川にさしかかる。

赤岡から安芸を目指すが,意外と香美市が大きい。30分くらいで着くかと思ったら,安芸市までも距離が長くなかなかたどり着かない。もともとPC5から6までが100kmあるので長いわけだが,高知県の市町村の大きさはこの後に室戸市でいやというほど味合わされる。

PC6でいよいよ超眠眠打破とコーヒー,プリンと水ようかんというカフェインに糖質のドーピングを実行する。仮眠したのに眠気がとれない。安芸市を抜けるとすぐに奈半利かと思ったらそうでもない。そしてやっと室戸市。とはいえPC7は室戸岬のほうなので,室戸市という看板を見てからも走り続けなきゃいけない。そしてやっとPC7を過ぎて,次は高知県の最東の東洋町に行くのだが,室戸岬を回ってから朝日をあびながらひたすら海岸沿いを走っても走っても室戸市のまま。甲浦に着いたら脱ごうと思っていたウィンドブレーカー,長袖ジャージ,アームカバー,レッグウォーマーを途中の自動販売機の横で脱いで,アイスココア飲んでボトルに水を継ぎ足し,もう一本水を買って頭からかぶる。四半世紀ほど前には甲浦から高知に向かって走ったときはこんなにアップダウンあったかと思うくらい登っているような気がする。やっと甲浦についたと思ってPC8の牟岐町はすぐだろうと思っていたが,甲浦からトンネルを抜けても抜けても牟岐町にならない。しかも横を大型トラックがすれすれで飛ばしていく。桜三里のほうが自転車に優しかった。

海陽町を抜けてやっとPC8に到着した。先着のひとが何人かいて店内のイートインにいた。さぬきうどんが食べられるローソンなのだが,うどんよりもおにぎりが食べたい気分だったので,おにぎりとガリガリ君に炭酸水と氷を買う。2週間後のにし阿波でガリガリ君食べるのだけど,気温が高くてもう辛抱できない。両脚の膝から下に力がはいらない。しかも左は膝の外側が痛むのでクリートをはめるのも一苦労になってきた。左は踏み込むと痛むので引き足中心のペダリングにする。もう下りでは脚を停める。ゴールまであと60kmほどなのであと3時間強ペダルを回せばいいだけだと自分に言い聞かせる。星越峠を越えて阿南市に入る。ここから阿南市を抜けるまでが遠い。平坦基調になり,南風で追い風となるが30km/hを超えない。左膝が痛くて信号待ちでは右足をペダルから外す。気温26度という電光掲示板を見てうんざりしながら,さらに交通量が増えて神経もつかう。小松島市に入ってサークルKのT字交差点を左折し,国道55号線に再合流。車の流れに乗ろうと力を入れると意外と膝が痛くなくなっている。とはいえやっぱりクリートをはめる時は痛むので,信号待ちでは電柱があれば手で支える。

やっと徳島市に入る。ラストスパートする必要はないが,車の流れに乗れるように全力で回す。スタバの看板を目印に走るとローソンの方が目立ってた。ゴールはトマトジュースで乾杯。受付のトモニプラザが座敷なのでシューズを脱いだら右のバックルが壊れた。左足をかばうために引き足多用したつけが回ってきた。2週間後のにし阿波までに替えのシューズ買わなきゃとか思う一方で,まずは完走した達成感に浸ってメダルとバッジを購入。ドロップバッグを引き取り,ホテルに自走。輪行袋につめてチェックイン。やっと終わった。