ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

BRM0609四国600km

SRがかかったAR四国4本目のブルベ。PC4の制限時間が23:44なので,宇和島に18時ぐらいに到着しないと仮眠の時間がろくにとれないということでホテルの予約はせず。屋根付きバス停や道の駅使えば仮眠はなんとかなるかと,夜の寒さ対策に長袖ジャージと雨具の上着をサドルバッグに入れておいた。あと2晩のナイトライド用にVolt1600を2つ,Volt800の交換バッテリも2つ,GPS用のモバイルバッテリも2つ用意して,リチウムイオンバッテリの重量でサドルがふられる。

伊予西条駅に着いた時点で小銭入れを忘れたことに気づいた。自動販売機で1000円札をつかってお釣りをポケットに入れておく。ゴールに指定されているファミマでスタート前にパスタを食べておく。暗闇の中加茂川を上流に走って,それらしい集合場所がないか探しながら走っていると反射ベストにヘッドライトを付けている人たちを発見。前回のブルベカードの返却と今回のブルベカードを受け取る。雑談で来年の話になって,200kmで獲得標高4000m超だとか,ルート上にコンビニのないコースだとか,難易度の上昇はあっても参加者の増加は見込めそうにない。

車検も終わって,ゆっくりとスタート。寒風山トンネルまでゆるく登り続けている。満月で薄ら明るい中抑え気味に登っているはずが,先にスタートしているひとに追いついてしまう。遠い先に出口が薄っすら見えているのになかなかたどり着かない寒風山トンネルを抜けて,ちょっとした登りを挟みながら仁淀川沿いを河口に向かって走る。街の明かりが見えてきてPC1のサークルKに到着。70km先のPC2まで補給したくないので,アンパン2つ買ってポケットに入れて再出発。この後はほぼ平坦な道を進んで,桂浜への直前だけちょっと登っている。看板に従って進むだけで通過チェック1の桂浜に到着。折り返して,過去に何度か西から東に走った黒潮ラインを今回は逆に東から西に走る。BRM0415でも走った横浪半島からはアップダウンが続く。晴天の今回は前回を上回るペースで帷子崎で写真撮影して通過チェック2完了。横浪半島を抜けて須崎市内を通過し津野町に入る。だんだんと夜が明けて空が明るくなってくる。PC2のローソンに到着する頃には,ライトがいらないくらい。

この先100km以上補給地点がないので,ボトルに水を足して,弁当を食べてポケットにアンパンとプロティンバーを入れて再出発。徐々に登りが険しくなってくる頃に全然登れないことに気づく。身体に力が入らず時速8kmくらいでのろのろとしか進まない。そのうち眠気に襲われる。眠気覚ましのトメルミンを買っているのだが,土曜日の朝から使うのは早すぎると思い,道沿いにあるベンチに長袖ジャージを着込んで横になってちょっとだけ寝る。目覚ましは使わなくても20分ほど後に目が覚めて再出発。眠気は治まったが,全然進まないのは一向に良くならない。そうやっているうちに再び眠気が襲ってきて,東屋のベンチでもう一度寝る。起きてすっきりはするものの脚力は回復せず,天狗荘までの残り距離の看板と10mずつ数字が増えるGPSの距離を見ながら,ただただペダルを回すだけ。なにかを考える気力すらわかない。

やっと天狗荘が見えて,左に曲がって愛媛県側に進む。本格的な登りは終わって,あとはちょっとしたアップダウンの繰り返しのはずなのだが,アップ時はまったく進まず,ダウン時も緩斜面ではたいしてスピードがのらない。愛媛県側からだと険しい五段城の登りも,高知県側からだと少し登っただけで到達してあとは姫鶴平までほぼ下り。だがスピードが乗っていないために,姫鶴荘のラストの登りを惰性では登りきれずインナー×ローで這うようなスピードで到着。ゴミ箱がないのでなるべくなら買いたくないのだが,疲労感に耐えきれずリアルゴールド2缶飲み干して,バックポケットに空き缶突っ込む。姫鶴平から地芳峠へ下って大野ヶ原からはアップダウンがまた繰り返される。うんざりしながら走っていると,盆地の集落のような光景が広がる。通過チェック3のもみの木に到着。

もみの木はチーズケーキが有名な店で,持ち帰り不可なのでここに来なければ食べられない。店に入ると運良く一人分が残っていたので,待ち時間なしでレア物のチーズケーキが食べられた。ベイクドでもレアでもないどろっとしたチーズのソースがはみ出しているケーキは,そりゃ持ち帰り不可にもなるよねと納得。

再出発して相変わらずアップダウンが続いている。ルートラボでは下り基調のはずなのに,全然スピードに乗れないまま気温だけが上がっていく。韮ヶ峠の分岐でミスコースして,気がついたのが7km先だった。アップダウンが続くので行きも帰りも同じくらいの時間を使い,貯金が一挙に目減りする。正規のルートは本格的な下りなのだが,道幅が狭く,カーブが多いのでそれほどスピードがあげられない。焦燥感と暑さとミスコースした後で見知らぬ道を下ることの不安が入り混じり,ちょっとヤケ気味な気分になる。やっと高知県を抜けて西予市に入る。ブリーフィングでは鬼嫁の像があるといわれた日吉をそのまま通過し,BRM0305のPC1だったきなはい屋しろかわで米塩ラーメンとベーコン丼小を食べる。キューシートを見てまだ時間に余裕があることを確認。ヤケ気味だった気分が落ち着いて,12km先のローソンに向けて再出発。

BRM0305ではミスコースした県道への分岐を間違えることなく通過し,途中でドラッグストアがあったので,エアサロンパスを買って両足の膝周辺に吹き付ける。天狗高原の登りから膝と腰周辺に痛みがあって,ドラッグストアを探していた。プラシーボなのだろうが,痛みが引いた気がする。通過チェック4のローソンではボトルの水を補充しただけで本格的補給はPC3にすることにする。国道56号線への合流地点で,後ろから「ブルベの方ですか」と声をかけられる。城川の食堂にいた人で,「そうです。ブルベやられるのですか?」と聞いたら「600kmは無理ですけど」とおっしゃってたし,ロードバイクモンベルのフロントバックをつけていたので,BRM0305を走った方かもしれない。

なぜか気力どころか脚力も取り戻したようで,三瓶町を抜けて八幡浜市への登りも快調に走れる。トンネルを抜けて下ってPC3のローソンに到着。ここのローソンは何度も見ていたが,海沿いの道に抜けるのは初めてだ。アップダウンが続く八幡浜から西予市への海岸線は,似たようなコーナーが続く。この600kmで一番脚が回った。グロス30km/hを目指して,午前中とはうってかわって快調に進んだ。とはいっても宇和島まで60km以上あるので,せいぜい1時間程度頑張ってもまだ半分程度しか進んでいない。案の定後半失速して,グダグダになって西予市から宇和島市へ抜ける。日が沈んできて,一方で交通量が増えてくる時間帯に国道56号線に入る。時計を見ると北宇和島を通過するのが,夜8時前ぐらいになりそうなので,野宿を覚悟する。宇和島から鬼北町への登りが長くて,暗闇が深く,宇和島でリタイヤしておけばよかったとちょっと後悔する。登り終わって下りにはいり,PC4のサークルKに到着。

虫が飛び交うなか,夕食を食べるが途中で受け付けなくなる。これはヤバいと思って胃薬を追加で買って飲んでおく。四万十ツーリバーのコースに入って,国道439号線に合流するまでが意外と遠い。途中の四万十とおわのベンチで仮眠をとる。クラクションの音で起こされて,再出発。四万十とおわから40分ほどかかって,やっと国道439号線に合流する。キューシートでは路面に注意と書かれているが,道幅が1車線しかないことを除けば問題ない。ただし夜間走行で見通しが効かないので速度をあげられない。しかも似たようなコーナーが何度も何度もでてくるので,自分がどこを走っているのかわからなくなってくる。同じ道をグルグル回っているような錯覚に陥る。しかも雨が降り始める。小雨程度なので,路面状況が悪化したり視界が妨げられることはないのは助かるが,GPSへのモバイルバッテリからの給電ができなくなった。山を抜けて開けた場所に出てきたと思ったら通過チェック5のあいの里まつばらに到着。貯金が3時間まで回復したことを確認して再出発。

また山道に入り似たようなコーナーの連続に飽き飽きしながら進み続ける。また睡魔に襲われる。トメルミンを服用していたが,最初の2時間くらいは覚醒できるが,3時間過ぎてから一挙に眠気が襲ってくる。BRM0415でも横になった屋根付きのバス停ベンチがあったので30分ほど横になる。起きるとさすがに気温が下がっていて肌寒さを感じる。身体が温まるまでは,登りを頑張って走る。梼原町から津野町に入って,「長沢の滝」の看板を見て,BRM0415を思い出す。空が明るくなって2晩目のナイトライドを通過した。トンネルを抜けて長い下りに入る。仁淀川町に入っても下り続けて,国道33号線に合流する。最後のコンビニに向けて走るが,意外と距離があった。精神的にはもう到着してもいい頃だろうと思っていたが,一向に近づいてこない。ようやく集落が見てきて登りの向こう側にローソンの看板が見えた。最後のコンビニということで,弁当と水を買い込んでゆっくり食べる。あと100kmちょっと。

最後の通過チェックにむけて国道439号線を北上する。県道への分岐から安居渓谷へは緩やかに登っている。せいぜい7kmほどなのでいまのペースでも1時間はかからないはずなのに,なかなか進まない。積算距離計の数字が増えるのを見ながら走る。こんなところに宝来荘ってあるのかと思うような渓谷のカーブの先にやっと見つかる。通過チェックの写真をとって,ついでにチェーンに注油。戻りは下りなので,勝手に進んでくれる。ブラインドカーブだけは気をつけて下って国道439号線に復帰。

トンネルを抜けて633美の里を通過して,最後の登り区間へ。10kmほどの登りなので,1時間半はさすがにかからないだろうとインナー×ローで登る。上にいくほど傾斜が急になるので,ギアが足りなくなりそうに。ダンシングならいけるのだけど,もうシフトチェンジがめんどくさい。傾斜の急なコーナーごとにダンシングしながら,ゆるい直線はシッティングで登るを繰り返して,登りきって平坦区間に。雨脚は強まって,本降りに。木の香までは下り基調なので,そこそこのペースで走れるが,木の香から寒風山トンネルへのたかが3.5%の登り2kmがもう無理。ゆるい登りなので,いつもなら10分もかからないはずなのに,その倍近くかかってやっと寒風山トンネルが見えた。

寒風山トンネルの下りを抜けて愛媛県に出ると,高知県側の雨とはうってかわって薄曇り。下り終えて最後の平坦を通過してゴールのファミマに到着。1日半以上かかってやっとたどり着いた。これで今年のSR獲得。