ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

Clover Hokkaido 1200 (2)

Day2

日付が変わる前に起床。相方を起こしてしまったようで申し訳ない。身支度して出発しようとすると,通訳スタッフの方に「緑の人」と呼ばれる。「日本人のほとんどは緑ですよ」というと,どうやらゴール受付時の処理で私を確認する必要があったらしく,写真から見つけ出したらしい。ということで,私はモンベルグリーンの日本代表,緑 of 緑s に認定されたらしい。ホワイトボードの出走に出発時間を記入してスタート。

雨はまったく止む気配なく,道路には池のような水たまりがあちこちに。30分も走るとシューズの中はすっかり水浸し。狩勝峠は標高644m,獲得標高400mなので1時間弱耐えるだけ。「狩勝峠5合目」とかの看板があるけど,そこは素直に残り距離か標高表記にしてくれないとわかりにくい。九十九折の峠のコーナー番号もそうだけど,走っている者にとって必要な情報を簡潔に提示する原則を守ってほしい。絶景ポイントらしいけど,夜で雨なので景色どころじゃない。そして登っていると眠くなってくるが,どこにも雨をよけるところがなくて走るしかない。夜でサイコンのバックライト消しているので,積算距離はわからず,「まだかよ」「眠いぞ」とか眠気覚ましに大声で独り言絶叫しながら登り続ける。トンネルを抜けて,やっと狩勝峠の頂上に到着。そのまま下りに突入。

ハンドルに手を添えるだけの楽な下り。だけど,気温が高くないので冷えてきた。南富良野町に入った頃にセブンイレブンがあったので,ホットコーヒー,ブリトー,カイロを買って,内と外から温める。その先の樹海峠は100m程登るだけなのに進まない。心拍数も全然あがらない。ケイデンスも80以上がつらい。ペダリング効率を高めるようにトルクかけて回す練習をしているつもりで走って,やっと峠を越える。下って富良野市に入ると小刻みなアップダウンが続く。見慣れない北海道らしい畑が広がる風景で気が紛れるが,フレッシュな状態ならパワーかけて進めるはずの道をだらだらと走るのは,ダメな自分を受け入れる覚悟が必要。富良野市を抜けると上富良野町,そういえば高知も四万十町四万十市があるから,富良野と名乗る自治体もたくさんあっていいんだと勝手に納得。もうすぐPC4かと思ったら,PC4はさらに20km程先の美瑛町だった。見晴らしの良さは一方で走っても大して景色が変わらないわけで,飽きてくる。北海道は集落と集落の間はほぼなにもない。コンビニはもちろん自動販売機すらない。畑しかない中をアップダウンを繰り返し走って,やっと美瑛町に入る。美瑛町といえば馬鈴薯だよなと貧困な地理の知識が頭の中をよぎる。ちょっと小雨になったが,寒いのでそのまま走る。やっとPC4に到着。

ちょうど朝食のタイミングだったので,プロテインとペペロンチーノにトマトジュース。店員さんから,「雨で残念ですね」と声かけられる。ちょっとした会話がうれしく感じられる。精神的に結構ぎりぎりになってきたようだ。「雨でも楽しんで走ってきます」と返事して,店先で雨宿りしながら食べて,チェーンに注油して出発。

PC3からPC4までは150km近く開いているのに,PC4からPC5までは30kmちょい。1時間半あれば大丈夫だろうと思ったが,美瑛町を出て上富良野町に戻ると西よりの爆風,しかも横をかすめるように自動車がとばす。昨日は北海道のドライバーは自転車に優しいなと思ったが,ここはそんなことなかった。路側帯の広くない,片側一車線だと自動車も避けようがないから仕方ないのかもしれない。幸い風が西よりなので,煽られても事故につながることはなさそう。コース分岐で富良野線に沿って,風上に向かう。全く遮るものがない一直線道路で風に向かって10km以上進むだけ。風が強すぎて,シャワーキャップがはためく音がうるさすぎる。ラベンダーとかメロンの看板が見えるけど,そんな誘惑に負けたら再出発がつらくなるだけ。そもそもラベンダーは食べられない,メロンは冷たい,だから寄る必要がないと言い聞かせて走り続ける。途中でミニベロ乗りとすれ違う。超ハイテンションな外国ツーリストのようだった。こちらも負けじとハイテンションなりアクションで返しておく。富良野市に入るころに風も緩んだ。PC5を誤解していてローソンに入って,ホットミルクとホットココアを注文。温まると気分が落ち着く。ブルベカードとレシートを見比べて,PC5がセブンイレブンだと気づいて,セブンイレブンに寄り直し。

PC5から狩勝峠までは登り続ける。とはいっても2箇所の峠以外は斜度1%にも満たない平坦に近い。それでもやはり平坦なら惰性で進み続けられるのに,踏まないと進んでくれなくなるのは疲れた身体にはつらい。雨がだんだんと強くなってきた。樹海峠を越えて,南富良野町に入ったところで,昼飯時でもあったので道の駅に寄る。三角反射マークつけた自転車が止まっているので,先行した人が休憩していると思ったら,DNFを決めたひとだった。パンクが続いてチューブがなくなってしまって後続のひとからわけてもらったそうだ。私も1本差し上げようとしたが固辞された。これだけの雨だとパンク祭りになっても不思議じゃないのか。四国600kmは路上に角ばった小石が散らばっていて,パンクしないほうが無理だろうという難コースだったが,今回はタイヤを変えたこともあってかいまのところトラブルなしで来ている。豚丼食べて,もう大降りといってもいい中再出発。狩勝峠に向かうにつれて風も強くなってきた。風で路面の水が波打つような状態。道路上をパトロールカーが巡回している。風速か降雨量次第では通行止めになるのかもしれない。急ぎたいのだけど,身体は急げない。ペダルの回転数を数えながら,ペダルを回し続けて,やっと狩勝峠に到着。

ガスっていて視界が非常に悪い。ライトと尾灯を点けて,下りに入る。パトロールカーが待ち受けていて,「気をつけて」と声かけられる。下っているうちに視界はよくなってくる。さすがに手を添えるだけはやめてときどき減速しながら下り終える。雨は激しいまま,だんだんと交通量が増えてくる。「北海道のスピードメーターはマイル表示」という冗談を聞いたことがあるが,本当に1.6倍くらいの速度で追い抜かれる。たっぷり水をぶっかけられることも度々。残り40kmくらいなので,あと2時間のはずが,体感的に3時間くらいかかったような気分。それでも走り続け,十勝川にかかる橋を越えて残り20km。音更町までの看板が見えたときはやっとかとちょっと安心したが,一方でグロス20km/hを下回ってることを確認。疲労と雨で登れないし,平坦も走れなくなってることがわかって,残り600kmをどうしようかと算段しながら走る。帰ったら,充電して,洗濯して,寝て,飯くおうと予定を決める。音更町セブンイレブンで,ヨーグルトとプロテイン飲んでからゴール。

ゴールしたら,予定どおり,ライトとサイコンを水気を拭いてから充電開始。etrex30の電池交換,尾灯も電池交換。シャワー浴びて,洗濯して,乾燥仕上がり待ちの間,脱着が難しくなったスピードプレイのクリート交換(持ってきておいて良かった),その後寝落ちしないようにtwitter見ながら,アキレス腱と膝に湿布貼る。飲み物買おうと自動販売機から戻ってくるころに,もう再出発するひとがいた。寝ないで大丈夫なひとなのか。人それぞれのプランとペースがあるからうかつに真似するとやばい。まずは寝る。