ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

Clover Hokkaido 1200 (4)

Day 4


起きて,北海道で雪が降ったことを知る。道理で寒かったわけだ。それでも吸水性0のポリプロピレンアンダーウェアに,カイロ貼り付け,GOREウィンドストッパーの長袖ジャージのおかげで,走りながら震えるほどというわけではなかった。RxLのアームカバーしていたのだけど,腕が寒いところが気になったくらい。指付きグラブがあればなと思ったことはあったが,シューズカバー欲しいとは思わなかった程度の寒さ。

最終日にして,やっと雨は降らなさそう。阿寒湖あたりがちょっとあやしいが,大きく崩れることはなさそう。気温は夜は10度,昼間は20度くらい。3日間洗濯して使い続けたNanoflexのショーツから,RedWhite The BIBにチェンジ。本来なら超長距離用に買っておいたのだが,雨だったので出番がなかった。レッグウォーマーもNanoflexからRelicへ。上はゴールする時を考えて記念ジャージにする。長袖だが,寒さ対策で下にはアームカバーしておく。

もう少しで夜食が始まるが,昼食がまだ残っている感覚があったので,夜食を食べずにスタートする。順調に行けば昼頃に帰ってこられるはず。出発時刻のボードはDNFの赤線が1/3くらいはある。やはりDay2の豪雨とDay3の寒さはきつかった。最終日は気持ちよく走れそうだ。

スタートして30分ほどでリゾートホテルが立ち並ぶ十勝川温泉を通過する。レストランのピザの看板を見て,ピザ食べたいなと思った。まだ営業時間中なのだが,さすがにスタート30分で休憩いれているといくらでも休みたくなるので,先へ進む。池田町の分岐点を右に曲がって,海に向かう。月が沈みかけて,東の空に星がきれいに見えてきた。内陸から海に向かっているはずなのに,寒くなってきた。キューシートでミスコース注意の地点をミスコースしてしまう。気分転換に立ち止まって,GOREウインドストッパーの長袖ジャージをサドルバッグから取り出して着る。たまたま通りかかったドライバーに「大丈夫ですか?」と声かけられる。「着替えているだけなので大丈夫です」と答えて先に行ってもらう。コースに復帰して,走っていると波の音が聞こえるようになってきた。ただし真っ暗闇で何も見えない。ところどころ道路が波をかぶった跡がある。海は結構荒れているようだ。なるべく左によって波しぶきをかぶらないように用心しながら走る。
厚内で根室本線と並走する。電車の灯りが見えると,文明を感じてちょっとホッとする。走っていて途中でリタイア考えた時に,鉄道のあるなしは大きい。サドルバッグには輪行袋入っているけど,北海道では使えない区間が長すぎる。au損保の回収サービスだって50kmでは最寄りの町までが限界。トラブらないことが最優先。小刻みなアップダウンが続くようになってきた。大した登りではないが登坂車線が用意されている。白糠町の看板が見えて,遠くに町のあかりが見えてきた。ほぼ平坦なのにペースはあがらないままPC9に到着。昨日一緒になったひとが出発するところだった。次の阿寒湖でと挨拶(それはこの後のグダグダ走りで適わなかった)。ホットシェフは終わっているので,パスタとホットコーヒー。
次は75km先の阿寒湖。順調なら4時間くらいで着くはず。暗闇の中をetrex30のナビに引き釣り回されて釧路空港を通過。昼間なら休憩できるのだろうが,深夜なので立ち入ることすらできない。さらに走っていると阿寒ICの緑の看板が見えてきて,その先にはセイコーマートの物流センターが見えた。この4日間ですっかりセイコーマート漬けになったので,ある意味聖地。阿寒町の町中を通り過ぎた頃に眠気がやってきた。道の駅が先にある看板が見えたので,そこまでは耐えて走る。道の駅阿寒丹頂の里は,派手なLEDが輝くガラス張りの建物が見えたが,そこへの入り口は閉ざされていた。その先の駐車場への入口は開いていたので,駐車場に入ってベンチを見つけて,しばらく休憩。寒いけれど耐えられないほどでない。
気がつくと,東の空が明るくなってきた。眠気はなくなったが,今度はゆるい登りが続くので,進まなくなる。気分転換にちょっと険しい登りはダンシングで,ゆるい登りはシッティングとメリハリつけて走る。時々林の中に鹿がいる。ちょっと先を横断してたりもした。頼むから衝突だけはしないでくれと思うが,それは向こうさん次第だよね。釧路からの距離が1km刻みで数字が増えるのだけが楽しみ。残り20kmほどから路面が濡れてきている。空が曇って霧雨が振り始めた。レインジャケット着るほどではないけど,なるべくなら濡れたくない。あと5kmほどのところで本降りになってきたので,諦めてレインジャケットを着る。標高も上がって寒くなってきた。走っていると追い抜いたトラックがセブンイレブン。そのトラックが右折した。やっと阿寒湖にたどり着いた。濡れたレンガ張りの路面を慎重に走って,PC10に到着。ローソンならホットミルクが飲めると思ったら,ここのローソンはカフェがなかった。温かい甘酒はあったので,あんぱんと一緒に店先で食べる。途中から胸焼けがしていて胃薬でごまかしていたが,食べると落ち着いた。一応用心のため食後にも胃薬を飲んでおく。ここまで来ればあとはトラブルさえなければ問題ない。雨も止んだのでチェーンに注油。やっと気持ちが観光モードに切り替わって,ちょっと阿寒湖の写真でも撮っていこうかと思って,阿寒湖のボート乗り場から写真撮影。灰色の空で風で波打つ湖面の風景写真が撮れた。温泉街も早朝なのでほとんどの店は開店前だが,イートイン付きのローソンがあった。ホットミルクに砂糖2ついれてもらって,休憩。ツイッターを見ると未明出発組の日の出の写真があがってる。気持ちよさそう。同じコースを走っているとは思えない景色の違い。
残り120kmなのであと半日走るだけ。残り200mほど登る。もう少しで登りの終わりってところでうっかりミスコース。Day4のコースに近接アラートを入れ忘れてるので,分岐点で確認忘れるとミスコースしてしまう。コースにもどって足寄峠を越えると,ボーナスステージの下りの始まり。しばらく下っていると「ゆでたてもろこし」の幟が見えた。観光モードになっているので,ゆでたてもろこしを食べる。いままでに食べていたとうもろこしは,茹ですぎてのびたうどんのようなとうもころしだったことを思い知らされた。みずみずしくシャキシャキとした歯ざわりで甘い。採りたて茹でたては別次元の食べ物。下りはまだまだ続いて,走り続けると足寄の道の駅。松山千春がエンドレスで流れている。トイレに寄って,販売所でチーズケーキと牛乳。空腹だと胸焼けするなら,胃になにか入れておけば不快感がやわらぐという言い訳でぷちグルメ。気温もあがってきたので,Goreジャージを脱いだ。日差しが強いのだけど,日焼け止めを忘れてきた。日に照らされて温度が上がってきて,サイコンとetrex30の液晶が曇ってきた。この3日間で浸水していた証拠だ。機材の寿命削って走っている証拠を目の前に突きつけられながら走るのは気分が良くない。それも30分で消えた。
足寄町から本別町に入るころから追い風でボーナススタージ第二弾。アウター×トップで踏み回す。2日目終わり頃から右アキレス腱が痛むようになっていたが,ホテルではアイシング,走っている時は消炎湿布で痛いのだけど悪化はしてないまま。あと70kmくらいだから,気にせず残りの力を使い切れる。風向きに助けられて2時間かからず池田町の分岐点にたどり着けた。あとは通った道を逆にたどるだけ,のはずだが夜と昼で時間帯が違うし向きが逆なので風景が違いすぎて,一度通ったという既視感はほとんどない。行きの時はすんなり走れたはずのちょっとした上り下りがきつい。気温もあがって暑い。この3日間せいぜい15度くらいだったのに,今日は20度超えているだろう。また胃がムカつき始めたので,十勝川温泉のセイコーマートで最後の休憩。北海道メロンソフトと飲むヨーグルト。音更川を渡って,国道241号に入る。後ろからスタッフの乗った車から「残り,気をつけて」と声かけられる。残り2kmは後からの車に気をつけながら走ってゴール。雨でぼろぼろになったカードとPC9と10のレシートを受付に提出して,完走時間にサインを記入。スタッフの方たちと記念撮影して1200kmブルベ完了。