ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

BRM921四国1000km

四国600kmをDNFして,今期の最難関の目標の四国1000km。累積獲得標高が13,000m。CH1200が7,500mで300km単位でホテル付きだったことと比べると,ノンサポートで,しかもラスト100kmに補給地点ほとんどないのはきつい。340km先の宿毛と760km先の徳島にホテルをとった。初日340km,二日目420km,三日目240kmの三分割。

前日の夜に西条市輪行で行った。大浴場とマッサージ機でリラックス。午前2時半に目覚めて,コンビニで朝食をとって集合場所へ。ゆるいブリーフィングが始まったが,要約すると「諦めずに時間外でも最後まで走りきれよ」という檄が混じっていた。212km先の通過チェック3がPCではないのも,徹底的に走りきらせようという目論見なのだろう。20人くらいのエントリーがあったようだが,出走は10人強ってところか。

毎度の夜の寒風山トンネルへの登りは長い。長いトンネルを抜けて高知県に入ると雨が降っている。とはいっても霧雨なのでそのまま走り続ける。つづら折りで自分がいったいどっちに向かって走っているのかわからないまま,夜が明けてきた。UFOラインはガスで真っ白。雨はちょっと強くなってきたので,下りになってきたことなのでレインジャケットを着込む。今回はモンベルじゃなくてdhbのeVent。モンベルよりも小さくたためる薄手なので,反射ベストのポケットに入れておける。いくら四国とはいっても1500m以上の高地で雨だとさすがに寒い。通過チェック1で土小屋によって鬼まんじゅうを食べる。寒くてカロリー消費が多そうだ。すでにボトル2本とも空になったし,空腹感がひどい。

雨は強くもならず面河に降りてきたころには止んだ。途中の黒森峠への分岐で「ここでやめたらすぐに帰れる」と思ったが,下り基調なのでそのまま走り続けた。御三戸の交差点でも「ここを右に曲がれば帰れる」と思ったが,左折を選ぶ。SR600だったら美川峰への登りなのだが,今回は柳谷に下ってから四国カルストに向かって登っていく。地芳トンネルへの分岐点の手前でAJ群馬のジャージの方に追いつかれる。去年広島の四国1000kmを走られて,今回も四国カルストを登りに来たそうだ。ブルベ事情やらを話しながら登っているうちに,突然失速してしまう。急傾斜でもないのに時速2-3kmまで落ち込んでしまって,どうしようもない。姫鶴荘への残り距離を見ながら,ペダルを踏み込むしかない。四国カルストは霧の中で視界100mもない。やっとのことで,姫鶴荘の看板の前に到着。ペダルから足を外すとへたりこんでしまう。通過チェック2の写真を撮って,食堂でカツ丼を注文。胃からじんわりとエネルギーが染み込んで行く感覚と同時に睡魔に襲われた。半分寝ながらカツ丼をゆっくり食べて小一時間滞在。

天狗荘へは全く見えないまま手探りで進んでいく感じ。五段城の傾斜も見通せないので,眼の前に集中できる。天狗荘から津野町を経由して梼原町にかけては基本下っているのだが,ところどころ登りがつらい。愛媛県に入ってからは,大洲までは下りが続くボーナスコース。2時間弱ペダルを回し続けて通過チェック3に到着。ここからでも北に向かえば帰れる。今から帰れば夜には自宅で眠れる。それでも再スタート。ここから西予市の境まで300mほどの登り。ちょっとでも早くホテルにつきたいのだが,まだ130km先。西予市を抜けて宇和島市を通る。ここから愛南町を通れば最短で宿毛市に着くのに,わざわざ遠回り。しかも宇和島市鬼北町の間にもちょっとした登りがある。登り終えて,昨年のBRM609でも寄ったファミマでちょっと休憩。もうおなじみの四万十2リバーのコースを走る。江川崎で南に曲がって川沿いを走る。ここは1車線しかなくて離合が難しい場所で何度か止められる。とはいっても夜なのでライトでわかりやすい。四万十川から離れて,やっと宿毛市に入ってPC1に到着。ここからホテルまですぐそこかと思っていたら,まったくの勘違いで8kmほど走らなければならなかった。なんとかチェックイン予定時刻よりは早く着けた。ホテルアバン宿毛は自転車を部屋に入れてよく,1泊3600円と格安だった。まずはライトに充電。シャワーを浴びて,目覚ましを15分感覚で5本セットして寝る。

寝過ごすことなく1本目で目が覚めて,PC1で買っておいたパンを食べて再スタート。420km先まで走らなければならない。ちょっと寝て回復したのか少しだけ足が回る。そうは言っても,これから20時間以上回し続けることなんてできるわけがなく,ほんの数分。ちょっと頑張って回しては,ダレて失速するを繰り返す。下りでは「オレ,速えー」とうぬぼれ,登りでは「もうだめだ」とへこたれる。今年3回目の足摺岬に到着。四国最南端モニュメントには辛い思い出しかない。以布利は相変わらずゴミが多くてパンクしないかとびくびくしながら走って,その後今年のBRM428のPCだったローソンでちょっと休憩。一度自転車から降りると満足に立っていられない。PC2の四万十市のローソンまでなんとか1時間ほど走って到着。ここから100km先のPC3まで,黒潮町四万十町の境にはちょっとした峠があるし,中土佐町須崎市の間にも100mにも満たない丘がでてくる。ダンシングでそのまま通り抜けられない微妙な長さと傾斜。少しでも時間を稼ぎたいのに,思い通りにならない。

昨日は山の上ということもあったし,雨から薄曇りで涼しいくらいだったのだが,今日は暑い。路上の気温計は28度。暑いのでボトルに氷を詰め込んで走るが,1時間もするとぬるくなってる。氷水のとりすぎで,食欲がわかなくなってきた。キューシートには須崎市に回転寿司があるとか書かれているが,そのまま通り過ぎておなじみの浦ノ内湾沿いを走る。ちょうど昼のサイレンが聞こえたころにPC3に到着。暑いし食欲がわかないので,ウィダーinゼリーと飲むヨーグルトでカロリー補給。氷水をボトル2本に詰め込むが,飲む量は減らして体にかけるようにする。

浦戸大橋の急傾斜をじわじわ登って,下りになると向かい風。どうやら南東の風が吹いているようで,このまま室戸岬まで向かい風かとうんざりする。さいわい予想よりは風が強くなかったが,行楽客で国道が混雑。信号待ちで結構長い車列が続く。まだ奈半利からなら輪行で帰れるよなとか思いながら走っていると,奈半利駅を過ぎてしまう。あとは走り続けるしかないと覚悟を決める。室戸市に入った頃から向かい風は強くなって,しかも長い長い室戸市に飽きた頃,ローソンに到着。ここからPC4のセブンイレブンまで補給箇所がないので,ここでもウィダーinゼリーと飲むヨーグルト。気温が下がってきたので,氷は入れずに麦茶だけにする。

通過チェック4のクジラのモニュメントを撮って,PC4まで2時間は集中して走れた。残り距離を考えると徳島市に着くのは日付が変わる頃になりそう。仕方がないので,ホテルをオンライン決済で済ませて,電話連絡。ブルベではおなじみのアップダウンが連続する国道55号線だが,今日は調子よく走れているような気がする。日和佐を通過して星越峠もあっさり抜けた。今回のコースは阿南市の海沿いを走って市街地を抜けるのだが,ここで路面の悪さと見知らぬ道をGPSで引き釣り回される感覚,いつまでたってもたどり着かない不安感に襲われる。そうはいっても,ヤメようもないので,走るしかないのだが,阿南市の道の悪さと広さに辟易させられた。BRM212で通った記憶の残る小松島市にやっと入って,徳島県庁までの残り距離が見えるようになって,ストレスが減った。徳島市に入って勝鬨橋をすぎると煌々と輝く街の灯りがまぶしいくらい。酔客待ちのタクシーの行列を避けながら,やっと今日のホテルに到着。まずは,ライトとモバイルバッテリとiPhoneに充電。もう立ってるのがつらくて,シャワーも座り込んだまま浴びて,ジャージとアンダーウェアを洗って,寝落ち。

気がつくと朝6時。目覚ましをかけ忘れていたが,ほぼ予定通りの時間に起きられた。洗ったアンダーウェアとジャージを着て,ビブとソックスは交換。朝食はPC5で取ることにして,徳島市街地を抜ける。膝やアキレス腱は問題ないが,ケツが痛い。摩擦で皮が向けてるわけではなく圧迫痛なので,ヘタったサドルかビブのパッドの問題か。そろそろサドルも買い替えだよなと思いながら,6km先のPC5に向けて回せない脚をむりやり回す。

PC5に着いた時点で240kmを24時間。キューシート上では3時間の余裕があるが,SR600基準だと余裕なし。剣山の登りがあるにしても,さすがに時速10km以上では走れるだろうから,完走はいけるだろう。朝食に親子丼と味噌汁でゆっくり食べる。固形物を食べても問題ないので行けそうだ。後半戦用に1本満足バーやチーズクッキーなど5本買っておいて,背中のバックポケットに入れておく。チェーンに注油して再スタート。ゆるい登りだけど,もう頑張る気力もわかないので,インナーに落として淡々と走る。ところどころ路面が荒れていて阿南市と同様に跳ねて進まないし,足がしびれる。国道438号線に入って,神山町のファミマでちょっと休憩。初日に四国カルストで会った人がやってきた。丸一日ぶりくらいに参加者と会った。ちょっと話をして,先に行く。登りの速さが違うので途中で追い抜かれるだろう。川井峠の頂上付近の自動販売機でドリンクの補充の間に追い抜かれた。ピザ食いたいなとか思いながら,下りに入るが道が悪くて,しかも途中は未舗装区間まであった。下りきって,次は見ノ越に向かって登る。気温が上がって暑い。川に飛び込んで泳いだら気持ちいだろうなと思いながら,進まない自転車のペダルを回す。見通しのいい直線の登りでみるみる引き離されていく。2時間ペダルを回し続ける苦行を受け入れるしかない。九十九折に入ると傾斜が少しはゆるくなって,ギアを上げられるようになってきた。路面は悪くて,低速なのにタイヤが跳ねて,振動が伝わってくる。TLホイール欲しいなとか思いながら,見ノ越までの残り距離が500mごとに減っていくのを確認しながら,ケイデンスを数えて進み続ける。登るにつれて涼しくなってきた。一方で腰が痛くなってきた。最後トンネルを抜けて見ノ越に到着。

通過チェック6の案内板を撮影して,隣の食堂でざるそばと親子丼。奈良漬が美味しい。これから悪路の長い下り。ツールドにし阿波の時と違って雨じゃないだけましなのだが,観光客の車が登ってくるし,下りの車を追い抜かせたり,車同士の離合で神経を使う。しかも路面が悪くて足がしびれるどころか痛くなってきた。かずら橋を通り過ぎて,西祖谷の登りをぎりぎりと越えてトンネルを抜けると通過チェック7の道の駅大歩危。ブリーフィングではここで食事が取れるなら,とっておいたほうがいいと言われていたが,営業終了5分前なので撮影だけして再スタート。PC5で買っておいてよかった。その先のドライブインで祖谷そばの幟があって営業していたが通過。

国道319号線への分岐点で池田12kmの看板を見る。片道12kmなので往復1時間ほど使えば,池田町のセブンイレブンで補給できるが,剣山での親子丼とざるそばで十分食えているはずなので,新宮に向かって左折する。愛媛県との境界手前で自動販売機を見つけて,ドリンク補給と買っておいた一本満足バーとチーズクッキー。一本満足バーが甘すぎてくどいのにチーズクッキーは甘さ控えめでチーズの風味で食べやすい。やはりこういうときこそ柿ピー持っておくべきだった。あと100kmほどだし,きつい登りはないからなんとかなるだろうと思ったが,金砂湖周辺が太い枝やら小石が落ちていて危ない。しかも下り基調なので,避け損なうことも度々。残り距離が少ないのでVolt1600を全開にして,金砂湖を走り抜ける。富郷町の看板が見えて,富郷ダムに到着,通過チェック8の石碑を撮影。

ここで残り距離を40kmと勘違いしていた。キューシートには「残り20kmの登りと20kmの下り」とあったが,さらに下り終わってからの新居浜-西条の10kmがあった。なんとか終電に間に合うんじゃないかと期待して走ったが,意外と残り距離が減っていかない。登るにつれて気温が下がって寒くなってきた。バックポケットからレインジャケット取り出して着て再スタート。緩斜面と急斜面が交互に出てくるので,緩斜面はシッティングで急斜面はダンシングで登っていくと,やっと別子ダム。そして念願の大永山トンネルの入り口が見えた。

ここからの20kmの下りはVolt1600+Volt800の全開で下った。これだけ明るいと夜のダウンヒルも怖くない。鹿森ダムのループ橋を曲がって,マイントピア別子を通過,やっと文明社会に降りてこられた。あとは国道11号線を西条に向かって走るだけなのだが,終電には間に合いそうもない。そのまま新居浜駅に直行すれば乗れるのだが,まさか990km,7時間残しでリタイヤするわけにもいかない。駅前にホテルはあるし,最悪ゆっくり自走で帰ればいいやと腹を決めて,西条市に入って加茂川を越えてファミマに到着。

AJ岡山のスタッフがいらっしゃって,先着していたAJ群馬の方と13時間ぶりくらいに再開。ゴール後にSR600や来年の話をして,駅前に戻る。AJ群馬の方が予約していたホテルに空き部屋がないか尋ねてくれて,幸い空き部屋があったのでチェックイン。もう充電を気にすることなく。シャワーだけ浴びてそのまま寝た。

SR600四国山脈は累積獲得標高がさらに1800m増になるわけで,しかも10%を超える急傾斜が頻発する。路面はさらに悪くなる。登坂能力を上げないと,現状だと厳しいだろうな。