ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

『ブルベのすべて』読了

鈴木裕和『ブルベのすべて』スモール出版読了。

出版されて即買っていたが,どうせなら1200km完走してから読もうと思って積んでいた。353頁のうち出走する前に116頁を使って,事前の準備について丁寧に説明している。そしていざ200km出走というところで,DNSの連絡が冒頭に書かれている。初心者が見落としがちなところをきっちりと押さえている。

200km,300km,400km,600kmと距離が伸びると,どのような問題が生じやすいかを経験に基づいて書かれているでの,走る前に全部読んでおいて対策と準備をしておくことが望ましい。眠気やDNFについては400kmで書かれているが,夜スタートの300kmでも眠気の問題はでてくるし,DNFはどんな距離でも起こりうる。個人的には,走っていると飽きてくるというのは,私だけじゃないことがわかってちょっと安心した。

本書では何が準備として必要かが示されているが,具体的に何をどうするかについては各人が考えていかなければならない。例えば機材の全般については語られているが,どれを選ぶかについては本書以外で情報収集していくしかない。機材については毎年新製品が出てくる以上,レビューサイトや個人の感想等をもとに判断してくしかない。

まだ走ったことがない人が,ブルベについて知るためにはわかりやすい本であるし,すでに走ったことのある者にとっては,筆者とのスタイルの違いがわかる。筆者の走行データをみると,私より平均パワーで10%以上,パワーウェイトレシオでは12%くらい上回っているので,よほどの難コースでないかぎり余裕をもって走っているはず。

本書にも書かれているが,実際に1200kmまで体験して,ブルベの200,300,400,600の距離別がそれぞれ課題を参加者に突きつけていることがわかった。まずは長距離の体験としての200。夜間走行を体験する300。休息のとり方,環境変化への対応が問われる400。睡眠のとり方を考えなければならない600。さらに1000になると2泊のとり方を考えなければならない。そういう点ではブルベは200はもちろん,600もある意味1200に向けての練習といえるかもしれない。

距離が伸びれば伸びるほど,各人の巡航速度や登坂力,必要睡眠時間の違いが明確になってくる。それらの違いを制限時間内に吸収して完走するかという点では,ブルベが体力よりもマネジメントが問われる。もちろん巡航速度が高いほうが,選択肢が増えるわけで,単にマネジメントさえあればいいというわけではないが,どこまで様々なマージンをとって走るかを事前に計画して,走行後に反省できる楽しみがある。