ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

BRM1007四国200km

AR四国の今年最後のブルベ。発表されていたコースが通行止めで変更となって,累積獲得標高3879mと1000m減ったものの,それでもアップダウンの厳しいコースには違いがない。さらに四国の路面の悪さが加わって,下りでは慎重に走らざるを得ないし,路面からの振動がきついことが予想される。

スタート地点は新居浜駅前の広場。しかもゴール受付は有人。いままでなら人気のない公園でスタート,ゴールは無人で各人ブルベカード投函だったのに,人間味あふれる開催となった。

今回はこのコースを「ゆるポタ」と言い張る副代表をマークして,いかに過酷かを証明するために,車検後最後尾からスタート。市街地を抜けると大永山トンネルにむけて20kmで900mのヒルクライム。ゆるポタといいつつ先行スタートした参加者を次々と追い抜いていく副代表。ついていけず徐々に引き離され気味になる。食らいついていくべくギアかけて登っていくとパワーメーターの数字だと3.3w/kgくらいで副代表と同じくらいで登れる。残念ながらそれくらいで踏むとせいぜい3分くらいしかもたない。余裕で登っていく副代表と,全力でも引き離される私。登っていくにつれて雨がちょっと強くなってきた。とはいうものの霧雨程度で,登って熱くなった身体には気持ちがいいくらい。標高700m地点で一度追いつくが,「ゆるポタ詐欺」に対して「ハァハァ詐欺」と言い返されて,また引き離される。今回は心拍センサー忘れたので,心拍データがとれていないが,口の中に血の味が広がってるし,石鎚山HCの時とほぼ同じくらいのパワーで走っているので全力なのは間違いない。標高900mの看板を越えてから,もう一度踏ん張ってトンネル入り口で副代表に追いつく。

トンネルを抜けると路面は乾いていて,珍しく瀬戸内海側が天気が悪くて,南側は良さそう。途中通過チェックポイントを挟んで25kmのダウンヒル。その後は高知県に向かって,12kmで650mのヒルクライム。登りに入って早々に副代表の姿は見えなくなる。ブリーフィングで「未舗装路区間があります」とは聞いていたが,砂利が固められていなくて,ライン取りを間違えるとホイールが埋まってスリップした。潔く諦めて押し歩き。未舗装路って舗装前の路面が固められている状態のことで,これじゃ単なる砂利道。幸い距離はさほど長くないが,押し歩かされると負けた気分になる。断続的に3箇所あったが,幸い残り2箇所は乗ったまま走れるラインが見えてたので,無事通過。登りきった頂上で副代表が待っていてくれた。

真っ暗なトンネルを抜けて高知県に入る。高知県側の道は比較的きれい。それでもたまに太い枝が落ちてたりするし,木の葉が溜まってたりする。そもそも1車線しかなくくねくねと曲がりくねった道なので慎重に下るしかない。20km以上下ってやっと早明浦ダムが見えてきた。PC1に到着。

いつもならトイレや飯を最小時間で済ませて再スタートするのだが,今日は先着やあとから到着したひとたちと話ししながらのんびりしてから再スタート。最初の全力ヒルクライムで余力なんてまったくなく,1%にも満たないようなゆるい登りでも副代表との距離が開いてしまう。ちょっとした下りで踏みながらなんとか3本目の登り口まではついていく。登りに入ると南側の斜面では日差しが強くて暑い。もう副代表の姿は見えない。登って瀬戸川渓谷への分岐点で待っていてくれた。6km登って3km下って7kmの登り。途中14%の標識が見えるが,ダンシングする余力もなくインナー×ローでしぶしぶ登るだけ。その後9%の標識からが緩斜面に見える錯覚。やっと登り終えてグリーンパークほどのへの下りだが,今日最悪の下り。轍が深く削られている上にところどころに大きな陥没がある。下りでうっかり突っ込んでしまうとホイール大破しかねない。ブラインドコーナー抜けた直後にそれがあったりするのでまったく気が抜けない。なんとか無事に3km下って通過チェック2のグリーンパークほどのに到着。自販機があったので,ここで給水。さらに下っていくと途中にこ淵の看板があって,観光客が結構な数いた。仁淀ブルーを代表する観光スポットらしいが,道路から5分ほど険しい斜面を降りた場所らしく,クリート付きのシューズじゃ到底無理。

国道194号線に入って6kmの登り。登りがなんか楽になったような気がするが,それは副代表がペースを落としたからであって,私のパワーがあがったわけではないのはパワーメーターが示している。数字は非情。新大森トンネルを抜けてからはゆるく下っている。ここから道の駅木の香までの14kmは全力で前を牽いた。こういう平坦基調な区間でちょっとでも時間削るのが自分のスタイル。木の香で休憩して再スタート。寒風山トンネルからの17km続くダウンヒルのあとは,黒瀬湖への最後の登り。標高差120mほどの緩やかな登りなんだけど,傾斜に対して敏感に身体が反応するようになるので,あっさりと失速する。早くつかないかなとetrexの地図を何度も表示させて,やっと通過チェック3の看板に到着。あとは下りと平坦だけ。

黒瀬湖から下り終えて国道11号線に入ると一挙に交通量が増える。PC2のローソンで最後の補給。ホットコーヒー飲みたかったが,残念ながらマシン洗浄中だった。あとはゴールまでの22kmの平坦。日が沈んで暗くなった産業道路バイパスを全力で走る。交通量は多いが,路肩が広いのでそれほどストレスは感じない。新居浜市街地の信号峠にひっかかるが,やっとゴールにたどり着いた。

ゴール受付が有人なので,先に着いたひとたちも残って談笑している。差し入れの「土佐日記*1 を頂いて,今日の感想戦や来年の話,機材の話など。話をしている間にも後続が受付に戻ってくる。今回のコースはAR四国らしい凶悪でテクニックと登坂力が要求されたが,ゴール受付の人間味あふれる場はらしくない光景だった。参加者同士がゴール後に話することなんてないし,PCでも出会うことすら稀だったので,非常に楽しい時間だった。

副代表のいう「ゆるポタ」は,副代表自身がゴール受付で最終完走者の確認をしなければならないので,ゴールを急ぐ必要がないからであることがわかった。余裕でゴールできる登坂力はあるし,下りも速い。SR600ですら「頑張らずに」完走できる。私は,早くゴールすれば,苦しい時間から早く開放されるからなるべく早く辿り着こうとしている。その一方で登れないし,下りはバイクの素性の良さに頼っている。「ゆるポタ」でAR四国のブルベを走るためには,登坂力と下りのテクニックがあってこそ。やはり自転車乗りの「ゆるポタ」「楽勝」「すぐつく」をうかつに信じてはいけない。1時間あたり800mを余裕で登れるひとならAR四国のブルベもゆるポタだということだ。

 

 

*1:今年のAudax KInkiのBRM210,BRM211,BRM212の四国ブルベ三本についたサブタイトル。BRM211は降雪と路面凍結でひどいことになったらしい。