ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

BRM1006 徳島1000Km

四国の外周をぐるっとまわってくる徳島1000km。同日開催の岡山や広島が四国カルストや祖谷といった四国の山岳地帯を通過して,最高標高が1500m近い山を越えるのに対して,近畿は海岸沿いなので最高標高が300m足らず。それでも累積獲得標高は8000m超える。ゴール後の受付が眉山山頂で最後の最後に平均斜度8%超の3.5kmのヒルクライム。コースとしては前半600km後半400kmに分割して,四万十市にホテルを予約した。本当は後半も安芸市から室戸市の間でホテルをとってゆっくりしたいのだが,月曜日の午前中には徳島にゴールしないといけないので,前半を32時間くらいで走ればホテルでゆっくり休めて,後半はなんとか押し切れるだろうという目論見。

装備としては,ブレーキレバーにOTIONブレーキレバーグリップを貼り付けた。マイクロファイバーの感触が心地よく,雨にぬれてもレバーが滑らない。サドルバッグにおにぎりリフレクターをつけて後方からの視認性を上げた。

ドロップバッグを使わず,持ち物としてはVolt1600を2つ,Volt800と交換バッテリ3つ,Pioneer SGX-CA500の給電用モバイルバッテリを2つ,Garmin etrex30xjにはリチウム電池を入れて予備用にエネループ4本,テールライトにOmni5を2つと交換用エネループ4本。

ウェアは雨用にNanoflexのショーツとニーウォーマー。シールスキンズのソックスにvelo TOZEのシューズカバー。モンベルのサイクルレインジャケット。上着はCraftのインナーにrericのジャージ,R×Lのアームカバー。グラブはいつもならGIRO ZERO IIだけど,今回は長距離ということでパッドが極厚のSpecialized BG GEL GLOVE。サドルバッグには交換用のrericのビブショーツと靴下,カンパのアンダーウェアを入れておいた。

前日夜に徳島入りしてホテルにチェックイン,追加料金払って昼過ぎまでホテルで横になっていた。雨予報になっていたが,ホテルを出るときにはまだ降ってなくて,藍場浜公園で受付した後で振り始めた。ブリーフィングはあっさりと終わりスタートする。徳島市内から吉野川を超えて鳴門市に入るまでは路側帯も広くて平坦で走りやすい。その後は細かいアップダウンが始まり,片側一車線しかなくしかも信号は挟まりだしてペースが上がらなくなる。それでも平坦だと時速30kmが出てるので,フロントギアを換えてケイデンスがあがった効果が出ているようだ。前は52×36T(±2)だったが,50×34T(±3)になったので,上下死点が軽くなって抜けがよくなった気がする。快調に走っていたが,香川県に入った頃から雨が強くなってetrex30xjの画面が見づらくなって,ちょうど分岐点をミスコース。幸い早めに気づいたので,被害最小限でコース復帰して後ろから追い抜いて言ったグループを目標に走ってPC1に到着。この頃にはシューズカバーも防水ソックスも役に立たなくなっていた。せいぜい2時間くらいしか持たなかった。

PC1を過ぎてしばらくすると雨が弱まり,琴平を抜けるころには風も微妙に追い風気味。観音寺市に入って豊浜で祭りの山車行列で交通制限にかかる。2車線のうち1車線を山車が通っているので交通制限するのはわかるけど,暗闇に反射ベストも着ずに緑色のニンジン降っているのは交通整理としてはダメだろうと思う。大して時間はとられず,愛媛県に入る。県境を越えて出迎えたのはラブホの豪華絢爛なネオンだった。香川県側がひっそり暗いのに,川之江ではサーチライトやライトアップされたオブジェはあるわ,豪華なお出迎えにちょっと苦笑。土居から新居浜への峠を越えて,新居浜市内への道は,今年のBRM0507では強烈な向かい風だったのに今回はゆるく追い風の中PC2に到着。

PC2からも風向きは変わらず,体調は良いまま,濡れた足元だけが気になるだけ。西条市を抜けて今治市に入り,PC3に到着。今日中に松山市にまでいけるかなと思って走っていると,ちょうど松山市内に入った頃にお腹の調子が悪くなってきた。ファミマがあったので,トイレを借りて,濡れた靴と靴下を乾かすために,タオルを買って靴につっこみ,靴下を包んで脱水。ちょうど日付を跨いだ頃からしばらくダラダラ時間をつかう。力を入れられないのでゆっくりと松山市内を抜けた頃に眠気がやってきて,伊予市の手前のファミマでコーヒーとシュークリーム買って,店の外にあるベンチで横になる。再出発するが,夕やけ小やけラインを走っていても眠気が抜けず,ベンチを見るたびに横になる。通過するライダーの話し声で起きて走り出すが,また眠気が襲ってベンチを見つけて横になるを4回繰り返して,やっと佐田岬への分岐点に到着。

半島の尾根伝いにたかだか200m強のアップダウンのはずなのだが,まったく進まない。眠いのと力がいれられないので嫌になってくる。それでも前に進むしかないので,積算距離が増えるのだけを楽しみに走って,やっと三崎への下りに入る。下りきって通過チェック佐田岬はなはなに到着。営業前だったので写真だけ撮って折り返して,ローソンで朝食をとる。イートインスペースがあったので腰を落ち着けて,ご飯を食べていると力がでてきたような気がする。やる気がでてきたのか,コースレイアウトの問題か佐田岬の折り返しは行きと比べると天と地ほど違う。どんどん進む。保内から八幡浜に抜けてPC4に到着。有人チェックだったので,レシートはいらないのだが,せっかくみなっとに来たので石窯ピザを食べて,再出発。

気温が上がり始めて,また辛くなってくる。西予市のローソンでドリンクかって駐車場に座り込んでしばらくうつらうつらしてた。再出発するが道路が狭くそこそこ交通量があるので,神経使いながら走る。持参していたChallengerがなくなったし,もう味に空きていたので,ローソンでいろはす塩レモン味を飲んだら神のドリンクの一歩手前くらいハマった。Challengerはカロリーとれるという点ではいいんだけど,水にうまく溶けず粉のまま残ってしまうのと,一袋が大きくて数持てないのが問題。気温が上がりジリジリと焼きつけられてる感じ。国道56号線を走り続けるだけなので道に迷う心配はないのだが,気温の高さと繰り返す細かいアップダウンで走るのに飽きてくる。やっと宿毛市街の看板に出会えて,PC5のローソンに到着。夕方なので,ご飯には早いけど,この後は四万十市に到着するまであまり補給地点がないので,ここで弁当食べておく。時間を計算すると22時前には四万十市には着けそうなので,ちょっと安心した。

フォトコントロール足摺岬を目指して再出発。60kmくらいなので3時間くらい頑張ればいいはずなのだが,その3時間が長い。ちょっと頑張ったところでもう時速30kmを出せるのはせいぜい2分位。だらだらと速く走る方法はないものかと虫の良いことを考えながら,積算距離と積算時間を見ながら走り続ける。だんだんと日が沈み,土佐清水市の市街地を抜ける頃には真っ暗になった。この先に足摺岬は本当にあるのかと疑いが浮かび始めたころに,結構きつめの登り坂が登場し,久しぶりにインナーにギアを落としてのんびり登る。大きめの建物が見えてここが足摺岬ということがわかったが,四国最南端の碑はもうちょっと先。観光客が暗闇の中出歩いているので気をつけながら碑にたどり着くと,地元のお祭をやっていた。明らかに場違いな格好の者が自転車と碑を撮影している姿はどう見えているのだろうかと思いながら,さっさと撮影を終えて再出発。地元の婦人会がうどんを100円で売ってたので食べたらよかったかなと思ったけど,なんかいたたまれない気持ちだった。

キューシートでは「この先ジャングルのような道」と書かれている以布利のポイントに入る。暗闇なのでジャングル感はいまいちない。ブライドコーナーだらけだし,路面状態もいまいちよくないので,余裕をもって走って通り抜ける。こんな道沿いにも民家があるのにちょっと驚く。海岸沿いの道から川沿いの道に変わり,トンネルを抜けてやっと四万十市に入る。四万十市に入ってからもしばらく四万十川沿いを走らされて,やっと街あかりが見えるようになってきた。時計を見ると21時過ぎになったので,佐田沈下橋を通過するのを諦めて手前でホテルに向かう。ローソンで晩飯買って,ホテルで輪行袋に詰め込みチェックイン。Volt1600,モバイルバッテリ,iPhone,SGX-CA500を充電して,Volt800のバッテリを交換して,晩飯食ってボトルとジャージとアンダーウェア洗って,風呂入って目覚ましセットして寝る。

朝4時半に目覚まし時計に起こされ,洗っていたアンダーウェアとジャージを着て,ビブショーツと靴下は交換,ホテルをチェックアウトして元のコースに復帰したのが5時半前。そこから佐田沈下橋を目指すが,河川敷コースがわかりづらく,本当にここであっているのか不安になりつつ走り続ける。川沿いの一本道になってからは迷いがなくなって走ると佐田沈下橋に到着。6時過ぎで明るくなっているからいいものの,真夜中には通りたくない沈下橋沈下橋を抜けて川沿いを通るが,そこそこの交通量が朝からある。だらだらと走っていると,後ろから猛スピードで追い抜かされた。心のスイッチが入って,目標として追いかける。朝から30km/h超はきついなぁと思ったが,時間の節約のためと思って,追いかけ続ける。登りでは離され,下りでは少しだけ距離が縮まる。30km以上なんとか付かず離れず走れて,江川崎を通過し,PC6雪の宿への市道に入る。最後の苔むしたコンクリート路面では後輪がずるっとすべってちょっとヒヤッとしたりしたが,看板通りになんとか到着。

雪の宿ではバーベキューが始まっていて,楽しそうだったが,じゃこ天とトマトを摘んで折り返しに入る。道の駅西土佐が開いていて,ここのいちご羊羹食べたいなぁと思ったが,一竿まるごと買っても困るのでそのまま通過。行きよりも多くの参加者とスライドして走って,何度か後ろから抜かれたが,行きのようにはうまくいかず目標にするものの引き離されるだけで,ちょっとオーバーペース。バイパス分岐で迷って戻ってきたひとと一緒にだらだら県道を走ってPC7のローソンに到着。

朝食抜きだったので, 親子丼とヨーグルト食べて再出発。次のPC8までは112kmあるので,四万十町の看板の残り距離が減るのを見ながら走る。黒潮町から太平洋沿いになるが逆風気味でちょっときつい。途中で「海の王迎駅」の看板を見て,「ポセイドンでも召喚するのか?」とか思いながら,きつい日差しの中走る。道の駅なぶら土佐佐賀で鰹のタタキを食べようか悩んだが,下り坂でスピードが乗っていたのでそのまま通過し,片坂の登りで苦しめられながらやっと四万十町に入る。ちょうど昼飯時だったので道の駅あぐり窪川に寄ったが,レストランは満席だったので,豚まんとだし巻き卵だけ買ってベンチで食べる。去年のBRM319とBRM409では真夜中だったので,真向かいのローソンでしか食べられなかった。昼間の七子峠は気持ちよく下れるコースで,太陽の下で走るのはいいなぁと改めて思った。下って中土佐町に入るが,観光シーズンだし満席だったら時間のムダだから,鰹をあきらめてそのまま国道を直進して須崎市に入る。

須崎市を昼間に走るのも初めてで,鍋焼きラーメンの店に並んでいる人が結構いたり,須崎港の木材置き場の様子を見ることができた。夜中の住友セメントの工場は結構神々しい感じに見えるが昼間はそうでもなく,浦ノ内湾はきれいだった。土佐市に入って,黒潮ラインになると風は追い風になる。一気にペースがあがるが,今度は自動車が結構多くて,信号待ちの列に捕まる。仁淀川を越えて,高知市に入って,目印となる病院の看板が見えた。左折してPC8のファミマに到着。イートインが広くて冷房が利いていたが,晩飯には早いのでフラッペだけ飲んで再出発。安芸市を目指す。

安芸市はフォトコントロールの野良時計があるが,その手前に国虎屋がある。去年のBRM501では寄れなかったが,今回は間に合うようにペースを上げて到着した。店名を冠した国虎うどんは白味噌仕立てで酒粕とすだちが利いていて,もちっとしたうどんは他にはない味。ちょっと塩辛かった。野良時計にはなんとか日があるうちに到着して,撮影完了。時間的には多少余裕があるので,近くに日帰り入浴施設がないかと探してみたら,田野町にあるたのたの温泉が閉店時間までにはなんとか間に合いそうなので,奈半利川の手前を曲がって温泉に到着。汗でベタベタした身体を洗ってさっぱりした。

再出発してしばらくすると左アキレス腱が猛烈に痛みだした。温泉が原因なのか,よくわからないがとりあえず薬局はすでに通り過ぎたので,室戸市までいかないとなさそうだ。ケイデンスをあげると足首を使う回数が増えるのでギアをあげて,ケイデンスを落として走る。室戸市との境界を越えても市街地まではかなりの距離があるので,痛みをこらえながら走り続けて,なんとか閉店前に薬局に入れた。ボルタレンテープを買って,室戸市最後のローソンで晩飯食べながら,アキレス腱を冷やしてボルタレンテープを貼って様子をみる。立ったり座ったりしても痛くないがペダルを回すと痛い。とはいってももうどうしようもないので,だましだまし走るしかない。

フォトコントロール室戸岬は,真っ暗闇で室戸岬らしいものはバス停に「室戸岬」と書いているので,それにした。そのちょっと先に碑と看板があるのを確認したのでそれらも撮影しておいた。BRM501のときは膝が痛かったが,今回はアキレス腱。膝が痛いと踏めなくなるので登りがきついが,アキレス腱が痛いとペダルを回すのが辛いので登りよりも平坦がつらい。なんとか東洋町を過ぎ,徳島県に入る。BRM501のときは暑くてつらかったから,今回は涼しくていいじゃないかと自分をごまかしながら,徳島県側の最初のコンビニのセブンイレブンを通過する。ここからPC9のローソン牟岐町中村店までが長い。しかもローソンも現れてくるのに牟岐町中村店はさらに先。やっとPC9たどり着いたら,店員さんに「なんかのイベントですか?」と聞かれて「ブルベです」と答えたら「これからたくさんくるんですか?シフトの人数がいなくて大変なんですよ」と言われる。「夜中にそんなに来ませんよ」とは言っておいた。一人シフトのようで大変そうだった。

残り70km弱なので4時間はかからないはず。そう思ってアップダウンを走っていたら,急激な眠気に襲われる。バス停のベンチも東屋もなく,どうしようかと走り続けていたら,道の駅日和佐にたどり着いた。ちょうどいいやとベンチを探すと先客がいたので,離れた喫煙者用のベンチで横になる。肌寒さは感じたもののあっという間に眠りに落ちた。

目覚めると寒い。疲れもあってか体温が上がりにくくなっているのだろうか。日和佐からちょっと走ったところにローソンがあったので,ホッカイロを買って貼り付けて走り出す。しばらくすると温まってきた。相変わらずアキレス腱は痛いけど,なんとか進み続けている。星越峠も問題なくクリア。阿南市に入って空腹を感じたので,ブリトーとコーヒーでちょっと休憩。新聞配達が始まっている時間になったので,朝5時に眉山は無理だなと思いながら,再出発。

徳島南バイパスに入って,しばらくすると路面が荒れだす。振動でアキレス腱が痛むので嫌なのだが,逃げ場なくアウター×トップで踏むしかない。ラストだと思って走っているが意外と徳島市まで距離があった。BRM501の目印だったスタバを通り過ぎても,まだ距離がある。国道55号線からわかれて市道に入ってからもこんなにというくらいの距離があった。ミニストップを見落としていないかちょっと不安を覚えたくらいの距離があったが,なんとかゴールのミニストップに到着。ゴールまでの時間の計算が分からないくらい知能が低下している。

ラスト3.5kmのヒルクライム。序盤はまぁまぁの傾斜だが,途中で15%のコンクリート路面がでてきてヤバイと思った。しかも15%で感覚が麻痺しているので8%が平坦に見える罠。ハンドルにしがみついて走り続けてやっとかんぽの宿に到着。ゴール受付完了。今年のブルベは終了