ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

Clover Hokkaido 1200 (1)

Clover Hokkaido 1200は帯広(正確にはその北の音更町)を起点にして,初日は襟裳岬を東から西に周る,二日目は狩勝峠を抜けて美瑛・富良野と通り再び狩勝峠,三日目は上士幌から三国峠を抜けて留辺蘂から上士幌に戻る,四日目は池田から十勝川沿いを通り海岸線に沿って白糠を通って,阿寒湖へ,足寄から池田に戻ってきて音更ゴールの4つのコース。

 

一本300kmで,累積獲得標高は1499m,2059m,2432m,1482mだし,最高標高も三国峠の1079m。四国と違って斜度10%なんてない。グロス20km/hで走って15時間,帰ってきて洗濯,食事,仮眠で6時間とすると,78時間。マージンが12時間あるから,深刻なメカトラや体調不良にならなければいけるはず。

装備としては,タイヤをVittoria Corsa Controlにした。北海道は道が悪いと聞いていたので(現実は四国よりもずっと良かった),パヴェでも大丈夫なタイヤということで選んだ。重量はSchwalbe Oneよりも重いが,ヒルクライムレースではないので耐パンク性能の方が大事。四国600kmではパンクに泣かされたのでチューブは8本買って,そのうち6本をサドルバッグに入れた。もちろんタイヤブートも6枚。他はいつもと変わらず。

スポーツホテル・クロス・コートがPCであり宿泊場所でもあるので,必要なものは全部送っておける。予備タイヤ,クリート,ライト,空気入れ,シューズ,ヘルメットなどほとんどの物は自転車と一緒に西濃運輸カンガルー自転車便 で送った。自転車はバイクサンドに入れた。縦横高を203cmにするか230cmにするかで旅客会社の扱いが変わると聞いていたが,ANAは230cmでもいけるので,サドルやステム外したくないので230cmのバイクサンドを選んだ。

ウェアは,晴れなら20度程度だから夏用,雨なら15度程度と予想して下はNanoflexショーツとレッグカバーで,上はモンベルレインジャケットだけ着て,寒ければGoreのWindstopperジャケットとカイロ追加。アンダーウェアは100%ポリプロピレンDry,寒さと雨にはモンベルのジオラインとウール追加。シューズはむき出しのまま,ヘルメットにはシャワーキャップかぶせただけ。グラブは初日だけパールイズミのナノフロントのスリップオンだったが,手のひらがしびれてきたので残り3日間はSpecialized BG GEL GLOVE。反射ベストはJ2X。風通しが悪いのだけど,バックポケットの大きさの便利さで結局今年はこれを愛用している。

 

Day 0


羽田乗り継ぎで新千歳,JRで帯広へ。土地鑑のない路線バスは苦手なのだが,問題なく受付のスポーツホテル・クロス・コートに到着。受付でスタート時刻を6時か6時10分かの選択なので早い方を選んだ。アンクルバンドをもらった。そういえばいつもつけているアンクルバンドを忘れていた。個室を頼んでいたのに,相部屋に強制変更で返金された。相部屋だと相方の生活リズムに左右されるし,特に二日目以降のスケジュールがかみ合わないときついことになりかねない。幸い,相方は紳士的な振る舞いで,スケジュールのズレも問題なかった。SR600を三本走っているベテランの方だった。四国山脈のことを聞いてみたら,「登りと同じ速さでしか下れない。ロードバイクじゃなくてグラベルロードのほうがいい」とのこと。他の二本とは難易度が違うらしい。
西濃運輸の輸送は大した問題もなく,無事に組み立てられた。忘れ物もなく車検をパスした。来るまではライトや尾灯,反射ベストを忘れてたらどうしようか気が気がじゃなかった。ミーティングはあっさり終了。道があれてる箇所があることと,三日目の三国峠の前は上士幌町が最後の補給場所ということ。
夕飯は帯広なら豚丼ということで歩いて5分ほどのぶたいちへ,帰りにセイコーマートで北海道メロンモナカ買って,北海道らしい食事終了。帰ってきて自転車を見てみると前輪の空気が抜けている。どうやらバルブから抜けてるようなので,新品に交換。翌朝出発前に確認しなきゃ。
翌日から雨ということなのだけど,自転車は野ざらし。ハンドルまわりやサドルはポリ袋でカバーできるけど,他は無防備。どうせ明日から雨ざらしで走るんだからとも考えられるけど,やはり走ってないときは濡れないところに置きたいのが自転車乗りの心情。翌朝は4時から朝食が出るので,目覚ましかけて就寝。

Day1


朝4時前に起きて,仕出弁当とサラダバイキングの朝食。プチトマトがうまい。食事が終われば,身支度してライト,GPS,サイコンを自転車に取りつけ,サドルバッグの中身を確認して装備完了。タイヤの空気も問題ない。
スタート前に集合写真撮影して,6時にスタート。最初は帯広市内を通るので,信号峠が過酷。みんな1200kmということなのかどこかのんびりムード。私はなるべく早く帰ってきてその分休む時間に使えばいいと思っているので,あんまりのんびりでも困る。市街地だと信号で止められて,集団から抜け出しても無に帰す場合があるので,市街地は集団からちょっと距離をおいて走る。市街地を抜け出して信号がなくなった頃に,集団を追い越した。しばらくするとその前を走っている集団に追いつく。海外参加者がほとんどのグループのようだ。ちょっとした登りの手前で追い越してみると,登りで追いかけて追い越される。体格のいいひとは重量あるから登り苦手じゃないのかよとちょっと驚き,追いつかれたのでおとなしく集団の後ろでひらひら走ることにする。雨なので水しぶきあびたくないし,右側通行のひとたちはどうしても右によりがちのようで,集団の中にはいたくない。途中の信号の切り替わりでうっかり一人置いてかれる。見通しのいい直線道路なので,追いかける集団は見えている。まだ序盤だけど,集団で走れるメリットのためにちょっと頑張る。見えているけどなかなか追いつけないじれったさに耐えながら,心拍数が上がりすぎないように加減しながら走っているとなんとか追いつく。追いついたことに気づいたアメリカ人が「お前,先頭を牽いて,こいつらにカツを入れてやれよ」(というようなことを言っていたような気がする)と言うので,"I'm very tired." と中学生英語で返事しておく。
結局,集団のままPC1に到着。ここでキューシートを落としてしまったのだが,巡回に来ていたスタッフの方に拾ってもらって助かった。買い物して,トイレ済ませてさっさと出発。広尾からえりも町にかけては海岸線なのだけど,トンネルが多い。途中のえりも黄金トンネルはあまりに長かった。寒風山トンネルよりは500mほど短いのだが,中が曲がっていて先が見えないので精神的にきた。先行していた二人に追いついて3人で走る。連続するトンネルが終わると雨が上がった。途中で北海道らしい風景の写真を撮るために立ち止まって,先に行ってもらう。ちょっと時間を使ったのだが,見通しがいいので先行するひとの姿が見え続ける。見え続けるから頑張れるのか,追いつけないのに見え続けるから心が折れるのか。襟裳岬へはちょっと登って到着。西岸側は横風が強くて車体ごと振られる。風は強いしアップダウンは繰り返される。えりも町を抜けて様似町に入るころには平坦基調になって走りやすくなった。海岸線なので似たような景色が続くし,灰色の空を見続けるのは楽しくはない。たまに自動車に抜かれるだけを繰り返す。こういうときに参加者が前に見えるとちょっと嬉しい。PC2に到着。
昼食時間帯なので,セイコーマートの駐車場があやしい自転車乗りたちの集会場所みたくなっている。豚丼食べて再スタート。浦河町は馬産地で有名で,牧場の看板がたくさんあるし,競走馬が放牧されている。そんな景色を見ながら天馬街道を走るのだが,この道が平坦に見えているのに登っていて,パワーださないと進まない。まるで毒の沼地のように進むごとにHPが減る感じがする。ちょっと気が滅入ったし,チェーンから音が出てきたので,注油してチェーンを拭いて気分の切り替え。タイヤはパンクはしてなかった。進まないのは斜度のせい。となるとあとはパワー見ながら走るだけ。頑張りすぎない程度に頑張る。700mの三坂峠ならせいぜい1時間もあれば頂上につくのに,なぜかここでは着かない。やっとトンネルが見えて頂上に着いた。下りはボーナスコース。四国と違ってコーナーがゆるいのでほぼノーブレーキで下れる。コーナーの度にブレーキかけて体重移動して,タイヤのグリップをフルに使って曲がる四国とは全く違う。ハンドルに手を添えているだけで下れる。下り終わって,最初に通った国道236号線に合流。
上がっていた雨も再び降り出して,幕別町に入ったころには本格的になってきた。東の地は日の入りが早いのでもう暗くなってきた。信号待ちの間に尾灯を点けた。しばらく走っているとアメリカチームの3人に追いついた。朝は4人いたのだが,年長ぽいひとがいなくなってる。朝と違って人数も少ないのでローテーションに加わる。疲れているようで,10分くらいで代わってる。雨が強くなってきたし,ゴールも近い,暗くなってきたと速く帰りたいのは皆一緒。途中ちょっとした登りで,後ろがちぎれてしまう。朝だと追い抜いていったくらいなのに,この雨の中半袖で走るような人でも疲れている。ちょっとペースを緩めて待って,しばらく引き続ける。
帯広市に入ると,交通量は増えるし,信号待ちも増えて,精神的に疲れてきた。アメリカチームの3人は逆にテンションあがってきたのか元気に走っている。そんな中,先頭交替終了したひとりがちぎれて前を二人で行ってしまう。中切れなのか,あとは各人勝手に走れってことかと思って,前の二人に追いつく。それまでは30km/h前後だったのに,32-33km/hくらいで走るようになったので,じゃあ全力で行くわけかと思って,先頭になったので,いいペースで引いたら,先頭交替するときに肩を叩かれ,「お前,やるじゃん」とか言われたような気がするので,"Thank you."と答えておいた。ちぎれたと思った3人目もちゃんと追いついている。こういう底力ほしい。スピードを急には上げられないけど,持続できるのは羨ましい。
十勝川にかかる橋を越えてやっと音更町にたどり着いた。ゴール受付で,レシートと写真を提示。予定より2時間稼げた。まずはライト,サイコンの充電開始,ウェア脱いでシャワー浴びて,ウェアを洗濯する。洗濯が終わったら乾燥機を回して,その間に次のルートの確認。夜食が始まったので,カレーにハンバーグとカツのトッピングとブロッコリとプチトマトを食べて部屋に戻った頃に相方の帰還。お互いに出発時刻を確認して,お互いの目覚まし時刻を気にしないことを確認して就寝。