PBP走っての検証と実感他
私の基本的な走力は,ヒルクライムレースだと,1000m登るのに80分。平均登坂速度(VAM)750m/h,FTP210w,3.2w/kgの貧脚。300km/3000mUP,400km/4000mUPのブルべだとグロス20km/hで帰ってこれるくらい。登りは遅めで,平坦と下りで稼いで,PCは最小限のタイムロスで走ってる。
Stravaだと移動時間60時間,停止時間25時間半。睡眠時間のぞくとPCとWPで平均45分停止。往路はNP147Wで走ってる(復路はバッテリ切れで未測定)。WPとPCごとの締め切り時刻に対する余裕時間の推移が下のグラフ。初日QuédillacとPC4 LOUDEACとの間で1時間昼寝,PC5 CARHAIX-PLOUGUERで5時間寝てる。二日目はQuédillacで4時間,PC10 FOUGERES と PC11 VILLAINES-LA-JUHELの間で1時間昼寝。三日目はPC13 DREUXで1時間寝てる。今回はボリュームゾーンを避けて,たっぷり寝て走ることが目標だったが,それはうまくいった。
寝る時間稼ぐために走って寝て,また走って寝るを繰り返しているが,二日目はパンクもあったし,疲労のためかあまり時間が稼げていない。この区間は獲得標高も多め?
ブルべで完走のための本質は以下のツイート。
ブルベに観光を求めてはいけません。そこにあるのは距離=速さ×時間だけです。
— HORITOMO (@HORIGON69) September 6, 2018
速さ=ギア倍数×ケイデンスなので,ギアかけるか,ケイデンスあげるか,時間かけるかの3択問題。どれかをあげれば他が少なくてすむ。制限時間内で自転車こぐか飯食うか寝るかのどれか。寝不足は事故のもとだし,飯食わないとハンガーノックで終わる。自転車に乗っている時間とは,寝る時間と飯食う時間を稼ぎ出すための手段でしかない。
PBPのパンフレット見ると,2011の出走者の400と600の持ちタイムと完走時間・DNF・out of timeの割合が乗っている。
— katsunoriw (@kw324) January 19, 2019
400kmの完走時間が20H,600kmの完走時間が36Hを超えると,DNF+out of timeが20%を超える。 pic.twitter.com/GucRpE1zX5
国内のブルべを時間ギリギリでしか走れていないと,食事1回ごとに40-50分かかるPCで時間切れになる。PCは広いのでControlだけでもそこそこ時間食うし,町のパン屋だって日本のコンビニでのキャッシュレス決済と比べれば時間取られる。グロス20km/hで400km走れることが完走の条件。
https://t.co/rPRqXX8LyI
— 生郎ラーメン@BRM915神戸600GF (@KT500000) September 2, 2019
のサイトでPBPの通過時間確認できるけど、ブレスト40時間以内にリスタートしてる人はほぼ時間内完走、逆に42時間超えてる人は苦戦が見て取れるけど、43時間台で間に合ってる人もいるので後半次第
41時間台は後半次第で余裕になったりギリギリ隊になったり各人のドラマが
600km超で制限時間が緩むが,走る側も疲労で速度低下するので,後半巻き返すのも簡単ではない。前半メカトラなどの外部要因で遅れた人を除いて,残り600kmをグロス15km/hで走れる余力があるか。その余力のためには食事と睡眠が必要で,ギリギリ隊になると食事も睡眠も削られるのでますます走力が低下する悪循環。
ここからはPBPでの実感
PBPで一番大事なのは,復路のVILLAINES-LA-JUHELへ日中に到着すること。ここの盛り上がりがPBPのクライマックス。
平均斜度7%以上が5kmや10kmも続くようなロングヒルクライムはPBPにはでてこない。2%くらいの緩斜面が20kmくらい続くというのはあるが,6%超えるような坂は1-2分くらいで終わる。2分間頑張ればたいていの坂は越えられる。下りは逆で緩斜面なので,シフトアップして回し続けないと置いていかれる場合がある。
もちろんFTPは走力の基本だけど,2分間インターバル走でアップダウンの繰り返しに耐えられるようにしておく。自分で止まらない限り3時間でも4時間でも走り続けることが可能なので,日本だとサーキットでの4時間や8時間の耐久レースが一番似たような環境で走れる。
オフィシャルのGPSと実際の看板の方向が違っている場合がある。その場合は看板の指示に従うべき。GPSに従ったら工事中で通行止めだった。看板はあるのだが,それでも見落としの可能性があるし,前後にひとがいなくて単独走になることはあるので,GPSはあったほうがいい。
路面は四国の酷道や険道と比べるときれい。多少荒れたところはあるが23Cでも十分。ただし,町中は中央分離帯,バンプ,幅員減少,歩道との段差,路面陥没や亀裂,十字路,石畳と走りにくい要素が一挙に増えるので,町中は気をつかう。
シャワー室にコインロッカーなんてものはないので,貴重品はポリ袋につめて持ち込んだ。更衣室もないので,着替えするならシャワー室。駐輪場をはじめ屋外にはごみ箱・ごみ袋があって,しかも分別しないのでごみを捨てるのは非常に簡単。
PCにはコンセントがあって充電可能。利用者は少なかった。充電待ちの時間がかかるし,その場を離れると盗難の恐れがあるので,それほど使い勝手がいいわけではないが,次回は利用者増えるのかな。
仮眠室には当たり外れがあるようなので,ハズレでも寝られるようにレスキューシートと耳栓はもっておいたほうがいい。幸いうるさいところにはあたらなかったので,レスキューシートかぶれば寒さはしのげた。
PCで盗まれたという話は聞かないが,スタート地点のランブイエ駅やホテル近辺の駅で自転車盗まれたという話は聞いた。PBPの最中はいいんだけど,その前後が危険。
最後に,2011年,2015年の実走からの知見をブログやYoutubeに残してくれた先人たちのおかげで完走できました。特にばる(@barubaru24)さんの東京⇔大阪キャノンボール研究,yoshi(@gear_masher)さんのLate Night Monologueからは多くを学ばせていただきました。ありがとうございます。
告知
今年10月11日にはAR四国で1000kmブルべがあります。石鎚山や剣山,四国カルストは通らないけど,700km過ぎた先にある佐田岬半島往復のアップダウンはPBPの気分が味わえるかも。