ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

BRM921神戸600km日本海・瀬戸内海

出走日時が選べるようになって,天気予報で降水確率が下がっていくのを見て20日午前0時スタートにした。21時間で400km走れば鳥取市なので,当日ホテルのキャンセルがあれば寝るし,空きがなければ相生まで走って未明にチェックインすればいいかという予定。

前日入りして,夕食取って午後11時まで寝る。起きて準備して,一旦チェックアウト。余分な荷物はフロント預け。一度HATなぎさ公園によったが誰もいない。午前0時を回ってコンビニでレシートを受け取りスタート。

客待ちタクシーが1車線ふさいでいる山手幹線を抜けるといきなりの再度公園への登り。50分くらいかかってフォト・コントロール1再度公園入口。一旦下るがまた登って神戸市から三田市を抜けてJR古市駅でのフォト・コントロール2。ツイートすると,ポガチャルがTTで逆転したと目に入った。振動吸収に優れているわけでも軽量でもなく,空洞実験やCFDでエアロダイナミクスに優れているわけでもないコルナゴのバイクで優勝する日が来るとは思わなかった。プロなともかく趣味でブルベやっている者にとっては,軽量や空力性能よりも安心して下りが走れるハンドリングと踏めば進むことが重要。あとはライトやetrexをマウントできるハンドルとステム,サドルバッグをつけるためのアルミシートポストのほうが大事だったりする。そういう点で最近のトレンドの専用ステム・ハンドル・シートポストはまるでブルベに向かないので,次の自転車どうしようか悩み中。

そんなことを考えながら,京都府との境界を越えてフォト・コントロール3のスプリング日吉。真っ暗闇のダム湖の傍を走っていると右側から3頭の鹿が前方をかすめて通り抜けていった。幸い加速して走っていってくれたので衝突は免れた。この後南丹市では「熊に注意」の看板。キューシートでは佐用町の近辺が鹿に注意とあったが,京都でも油断ならない。福井への境界となるトンネルを抜けて,PC1のファミマに到着。手持ちの補給食(スポーツようかん4本,スローバークッキー2本)を食べつくして,なんとか間に合った。朝食のパスタとプロテインに補給用の1本満足バーを3本。

コースプロフィールでは,日本海側は峠はないんだが,せいぜい100m程度の登りが何度も続く。シッティングで駆け抜けられるほど緩くないしダンシングで登り切れる程短くもないと非常にいやらしい登り。京都府に戻って宮津市街を抜け,天橋立の手前くらいで大渋滞。しょうがないので,降りて歩行者にジョブチェンジ天橋立はレンタサイクルと歩行者がまじりあっているカオス状態。GW中のしまなみ海道も似たようなものだがこちらのほうが道幅が広い分気楽ではある。しかし自分の場違い感がしんどい。周りを見回す余裕もなく,いったいどこが日本三景の一つなのだろうかとよくわからないまま走り抜け,伊根の舟屋に向かう。ここも道が混み始める。天橋立ほどではないが,観光バスも交じって駐車場の出入口が混んでいる。フォト・コントロール4が具体的に何を指しているのかいまいちわからなかったが,それらしい看板を撮ったので大丈夫だろう。次のフォト・コントロール5までは17kmしかないのだが,アップダウンの繰り返しと海岸線の片側一車線にシルバーウィークの交通量が加わって予想以上に時間がかかった。

まだまだ終わらないアップダウンの下りの途中振り返ったところに経ケ岬灯台の看板があった。事前にストリートビューで予習しておいてよかった。昼になったので飯食いたいのだが,なかなかコンビニがない。さらに30kmほど走ってやっとローソンが見えた。飯食っていると,「どっから来た」とおっさんに聞かれた。「神戸から,舞鶴経由で。この後鳥取に抜けてから相生に行って神戸に帰ります」というと「何泊するの」と聞くので「1泊ですよ」というと「車でも大変なのに,気ぃつけてな」と半ばあきれ気味だった。

まだまだ続くアップダウン。兵庫県に入って,城崎温泉の看板が見えた。やっと半分走った。橋を渡って城崎温泉への右折だが,途切れない車列にうんざりする。温泉街はさらに温泉客でごった返していた。ここでDNFして特急に乗れば神戸にすぐに戻れるなとはちょっと考えたが,歩行者にジョブチェンジ。歩いて温泉街を通り抜ける。

また人里離れてアップダウンが続く。ぽつぽつと雨が降り始めた。西の方の空が灰色になっている。突然雨が激しくなった。気温が高いのでそのまま走る。さすがにブレーキが1回転分効きが遅くなるが,それほどタイトなコーナーがあるわけではないので,落ち着いて下れば問題ない。登りのときにちょっとだけ涼しくなったと思い込んで走る。やっと香美町の看板が見えた。あまり路面が濡れてない。ひょっとして大雨のど真ん中に突っ込んでしまったのかと自分の運のなさを嘆いて,やっとPC2に到着。鳥取市のホテルを検索すると空きがあったので予約。これで今日はあと50km走れば寝られる。

ちょっと安心していたが,相変わらず繰り返されるアップダウンに吐き気すらしてきた。まだ兵庫県の中にいる。鳥取県との境界がいつになるのか不安になるくらい。やっと鳥取県に入ったが,今度は鳥取市までが遠い。岩美町広すぎないか。やっと抜けて鳥取砂丘に着いた。さすがに夜だと寂しい。自動販売機に挟まれたわかりやすい「鳥取砂丘」。放っておくと緑化されてしまうので,メンテナンスがかかせないと緑化事業が進まない砂漠地帯からするとうらやむような日本の環境。市街地の外周を通って千代大橋を渡って鳥取駅南口に出て鳥取にできたスターバックスに来たが,ここから駅前のホテルへの道が分かりにくい。さらに南から周りこむように走って今日のホテルに到着。輪行袋に詰め込んでチェックイン。ウェアをハンガーに干して,ライトとスマホの充電して,シャワーを浴びて寝る。PC3に午前12時には着くように逆算して4時間は寝られる。

スマホのアラームで起こされた。つらい。もっと寝ていたい。二度寝してDNFしたいと思ったが,あと200kmだし,日本海側のアップダウンはもう終わったんだと言い聞かせて出発を決める。ジャージやレーパンは乾いているが,グラブとソックスは湿り気が残っている。輪行を解除して,駅前のローソンで夜食食って再スタート。ちょっと肌寒いがしばらくは平坦なので身体動かせば温まるだろう。まぁまぁ脚は回るが,尻の圧迫痛が出始めた。前走は履き古したレーパンで300kmほどで痛みが出ていたが,今回は去年買った新しいレーパンのおかげか身体がちょっと慣れたかここまでは問題なかったが,限界が来たようだ。智頭町のローソンで,あんパンをホットミルクで流し込みながら休憩。

県境に向かって緩く登り続けているが,このタイプの登りは力があるときにはそれほど嫌いじゃない。国道379号線への合流点でちょっと迷ったが,歩道への入り口を見つけてトンネルを抜けると,階段なので押し歩き。ここからは下りなので,ウィンドブレーカーを着て,ボーナススタージの開始。

あっという間に佐用町に入って,ベンチのあるファミマがイートインもやっていたので,ここでカフェイン解禁。コーヒーとプリンで休憩。傾斜は緩くなったが,まだまだボーナスステージは続く。上郡町を通過して相生市に入った。地蔵堂への登りがところどころ10%を超えるキツイ登り。そこそこのパワーは出るのだけど心拍数はまるであがらない。もう一度川べりに出てフォト・コントロール7の坂越公民館。湾沿いもアップダウンがあるが,時間に余裕があるので焦る必要は無い。道の駅みつに着いたら,朝なのに結構な観光客がいる。レストランはまだ開いていないので,写真だけとって姫路に向かう。10km以上走り続けて,やっと姫路城に向かって左折。さらに5km走って姫路城に着くと,やはり観光客でごった返していた。市街地を抜けて川を渡りPC3に到着。佐用町からのボーナスステージのおかげで,時間は余裕がある。

あと50kmでゴール。姫路行きは自動車多いが,神戸行きは空いている。キューシートにあるように,わりと時間が稼げる。それも神戸市西区までだった。須磨区に入ると片側一車線が混み合っている。道路工事で交互通行になっている箇所まであった。板宿にまで来た。あと少しと思ったら意外と遠い。西代,高速長田,大開と通ってやっとゴールのセブンイレブン。直射日光を受ける背中側,とくに黒いレーパンが暑い。ゴール祝いにチョコモナカ。あと300kmでSR。