ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

Flèche 熊本 2020 DNF

昨年のFlècheは瀬戸内海を渡れなかった。いつも通りのブルベのつもりで走ってしまったが,Flècheは全く違うルールであることを理解できていなかった。Flècheは3-5台の自転車で24時間走り続けるのが基本ルール。22時間目と24時間目は時刻とその地点の証跡が必要で,その間に25km以上の移動が求められ,総距離が360km以上でなければならない。3人以上の人間が24時間一緒に走るので,時間を潰すことのストレスに耐えるゲーム。通常のブルベなら他人と一緒になることはほとんどないし,なるべく速く走れば早く終わる。Flècheは,どんなに速く走っても距離が伸びるだけで終わらない。

今回はいつも二人で走っているY夫妻を誘ってチームを組んだ。いつも二人でSR600完走やエベレスティング達成をしているので,この二人に私がくっついていけばいけるだろうという算段。10月に延期になったので,200kmと300kmブルベを一緒に走ることができたので,おおよそのペースは分かった(つもり)。

コースは,なるべく平坦というリクエストを受けて,熊本に360kmぎりぎりで到着できるように,松山から出発ということを考えて,柳井スタート。まったく土地鑑がないままRidewithGPSでルート引いて主催者に提出すると,コースの部分変更やいくつかのPCの追加した後に受理された。

なるべく停まりたくないのでPCを増やさないように最短コースを心がけたつもりだが,福岡県内は4つもPC置かざるをえなかった。カーブの多い道が編み目状に絡んでいるので,どこを通れば最短になるのか判別がつかなかった。22時間目は玉名市のコンビニ3軒のどれか,24時間目は熊本駅の入場券の予定。

4月から10月に延期になって,コンビニが24時間営業なのか,営業しているかPCの再チェック。コンビニが24時間営業を前提としなくなると,時間証明や補給に問題がでてくる。幸い,どこのコンビニも24時間営業だったので問題ない。玉名市のジョイフルも24時間営業だったので,時間調整も可能。

当日は雨。天気予報を見ると3時間くらい走れば雨が上がりそうだし,雨量は1mm程度,気温は最低10度で最高20度なので,上はカペルミュールストレッチストーム2.5で,AR四国ジャージ,おたふく手袋のボディタフネスアウトラストにポリプロピレンアンダーウェア,下はNanoflexのビブとレッグウォーマー,靴はビニールのシューズカバーをシューズカバーで覆う。ストレッチストーム2.5は撥水性が走行中に低下して生地にしみてきた。薄手で生地が伸びるのでウィンドブレーカーとしては使いやすい。

雨の中柳井港に到着。隣の7-11でスタート前の準備。ここに来るのは初ブルベだった2016年BRM306岩国200km以来。車検もして問題なく,スタート時刻に合わせてレジで買い物してスタート。

基本的にY夫妻のペースで走ってもらうので,私はツキイチ。雨なので車間距離は余裕を持って走る。序盤は多少のアップダウンがあるが,光市に入ると市街地走行。幹線道メインでルートを引いているので,交通量が多い。その代わりに道なりに走るだけでいい。西に進んでいるので予定より早めに雨が上がって晴れ間が見えてきた。コンビニによって靴のビニールカバーとシューズカバーを外したら,足が汗で蒸れてふやけ気味だった。これなら雨にぬれたほうがよかったかもしれない。

たいして風もなく進んでいるはずなのが,信号での停止が意外と効いているようでグロス18km/hにあがらない。福岡県は唯一の峠もあるし,街中つっきるコースなのでなるべく時間稼いでおきたいがなかなかうまくいかない。

やっと関門海峡大橋が見えて,同時に道が荒れて振動に耐えながら関門海峡トンネルに到着。780mの徒歩を強いられる。下関側と比べて地味な門司側に出る。細かいアップダウンと交通量の多さでだれてきた。小倉に入って国道3号線と県道296号線を通るルートにしたのが大失敗だった。路線バスに押さえられ,交通量は多いし,意外とあるアップダウンで1時間弱貯金を失った。やっと遠賀川に出て川沿いに出ると,時間帯もあるだろうが,交通量も信号も少なくてやっと一息つける。

飯塚市を抜けると,今回唯一の本格的な登り(といっても200mくらい)の冷水峠に入る。平坦だけなら北九州と福岡の2大都市を通るほうがいいのだが,信号と交通量を考えて峠越えての鳥栖入りルートを引いた。自動車専用が峠をトンネルで抜けているので,対面車1台しか出会わなかった。そのかわりに鹿が出てきた。峠の頂上でウインドブレーカーを着てダウンヒル。そして平坦を走っていると「Hisamitsu」のネオン。佐賀県に入った。ここからはほぼ平坦。登りは橋の傾斜くらい。道なり平坦でやることがなく,眠くなってきそうだったので経過時間と距離で現在のグロス時速や目標グロス時速にするための速度を暗算していたら,前を走っていたYさんが「何?」って聞いてきた。どうやら暗算が口に出てたらしい。「ひとりごとです。やることなくて眠くなりそうだし」と返事しておく。意外と広い佐賀県。やっと折り返し点。それからもまた平坦時々信号が続く。川を渡って福岡県に戻り,酔客がたむろしている柳川を通過,大牟田市に入ったところで,パトカーに警官が点々と立っている。なんかあったようでもないが,夜中なのに結構ものものしい雰囲気。

熊本県に入って,もうすぐ玉名市街というところでYさんの前輪がパンク。ブレーキシューがタイヤをこすっていたらしい。タイヤとチューブ交換。24時間営業のジョイフルで飯食って,暖かい店内で休憩。22時間目前に10m先のローソンでレシートとって,あとは30km走るだけ。あと20kmのところで,ふたたびYさんがパンク。今度は後輪だけど,タイヤとチューブを交換してもなぜか空気が入りきらない。どうやらピンホールパンクの原因がどこかにあるようだ。キシリウムにタイヤをはめるのがこんなに困難だとは思わなかった。BORAなら素手で楽に外せる/はめられるCORSAが,なぜこんなにきついのか。ポンプを押しても押しても空気が入らない徒労感。結局丁寧さを欠いた作業を繰り返して時間だけを浪費してしまった。一番近い駅まで行って輪行熊本駅に向かってもらう。私は自走で熊本駅へ。熊本市街地は走りずらかった。土地鑑のないコースに無理にルート通してもいいことないことをいやというほど味わった。主催者にDNFの連絡を入れて,お土産を買うとかどこかで食事をする気力もなくそのまま輪行で帰宅。