ブルベも始めました

2016年からブルベも始めました。

BRM626四国600km

2017年のBRM609四国600kmの改訂版コース。2017年のブルベ2年目に 走った時は22時スタートで朝方の津野町から四国カルストにかけて眠くて仕方がなかったし,布団の上で寝る場所も余裕も36時間走り続けたきつかった記憶しかない。なまじそういう記憶や経験がある分走る前から気分は重い。AR四国作成のRWGでは獲得標高が16,000m超えの超級ブルベになっていたが,実走のTCXファイルでは8,381mとキツイめくらいのブルベだった。

朝スタートに変わったので,姫鶴荘での補給やもみの木のチーズケーキが食べられなくなった。PC1とPC2の90kmの間と400km地点の松野町のファミマから496km地点の津野町Yショップの間もほとんど固形食の補給が見込めない*1。一方で263kmのPC2の後は通過チェックなので,最高地点の四国カルスト大野ヶ原のアップダウンさえなんとか時間以内にクリアすれば,その後は下りと海岸線沿いなのでなんとかなりそうな期待を持たせているコースではある。

梅雨時期だがそれほど蒸し暑さは感じない。四国山地を抜けたら雨が降りそうな予報。600kmでも73行しかないキューシートなのでブリーフィングも簡潔。出走者は6人しかいないので車検もあっさりと終わり,五月雨式にスタート。まずは寒風山トンネルへの20kmの登り。高知県に入ると霧雨が降り始めた。吉野川を横目に見ながら10kmほど平坦を走って,仁淀川沿いに下りで路面はしっかりウェットになっているが,降っているのは霧雨で身体を冷やすにはちょうどで気持ちいいくらい。下りが終わり,高知市に入って高知競馬場の横を通って桂浜への登りを超えて通過チェック。

折り返しの登りを超えて,もうすぐ仁淀川河口大橋ってところで大粒の雨が降り始めた。あっというまに土砂降り。レインジャケットを着るが,足元は無防備なのでずぶ濡れ。視界が悪くなったのでテールライトとフロントライトをつける。ブルベではおなじみのファミマ土佐宇佐店の手前で雨が止んだので,レインウェアを脱ぐのと補給を兼ねて立ち寄る。残念ながらイートイン使用停止中ということなので,座って休憩することはかなわず。

日中に横浪半島を走るのはこれが初めてだが,それほど見通しのいい道ではないので景色を楽しめる箇所はそれほどない。たかが10kmほどなのに平坦がまったくなくアップダウンが繰り返される。コーナーを抜けても抜けても通過チェックの帷子崎につかないと思いながら,繰り返される登りにダンシングする余力もなくなりだらだら走って帷子崎に到着。その後もまだまだ続くアップダウン。やっと須崎市街への下りに入っておなじみの住友セメントの工場を見ながら,土讃線を越える高架橋を通って須崎市を抜ける。

四国カルストを登る前に津野町セブンイレブンで補給をしようと,緩い登りを走って2018年BRM519四国300km以来のセブン-イレブン津野町葉山店到着。昼飯と走りながら食べられる一本満足バーとどら焼きを買う。2017年はこの先で眠気に負けてぐだぐだ走ったが,今回は昼間なので眠気もなく走れるが登りは登りで変わらないので進まない。道の駅布施ヶ坂がもうすぐだと思いきやトンネルを抜けてもコーナーを抜けてつかない。疲れていると記憶の捏造が行われて,距離の見込みが甘くなって自分の心を折りに来る。布施ヶ坂を越えると少し下ってPC1のYショップ。ここでUターンして国道439号線を通ってから四国カルストへの8%10kmの登り。2018年BRM519四国300kmは,この登りの前に9%9kmを一本登ってからだったので,今回のほうがちょっとだけまし。

それほど気温が高くないのが助かる。それでも汗がしたたりおちる。1時間半耐えるだけ。ラスト3kmぐらいまでは林の中で見通しが悪い。開けて道が平らになったと勘違いするが,ゆるいところでも5%で登っている。内装工事中らしい天狗荘の前を通って,霧の中視界が50mもない中四国カルストを愛媛県側に抜ける。やっとのことで姫鶴平の看板に到着。食堂はもちろん閉まっているので,そのまま大野ヶ原に抜ける。地芳峠までは下りだけど,そこから7kmほどアップダウンの繰り返し。ここまでの登りで足を使い切っているので,この7kmがつらい。もみの木の自動販売機で水を補給して,ところどころの登り返しを踏ん張って,下って通過チェックの九十九曲峠の看板。下草が伸びて下半分が覆われてしまっていて,看板を見落とすところだった。

ここから城川までの10kmの下りでちょっと休める。下り終わって野村町への登りに入った頃に雨が降り始めた。野村町に入ったときには本降りになり,路面は水が浮いている。PC2のローソンに到着。PC2が最後の関門で,あとはゴールに間に合わせるだけ。イートインがないので,軒先で夕食をとる。

野村ダムへの登りを越えるとあとは平坦と下り。西予市の市街地を抜ける頃には雨もあがり,八幡浜へ下る。通過チェックの保内町のファミマに着いた。予定だと早くても23時頃と想定していて,疲労度合いによっては八幡浜のホテルで寝ようかと思っていたが,時間も早いし眠気も来ていないので先に進むことにする。

2017年にも通った八幡浜から宇和島までの海岸線は,昼間だと対向車や歩行者に気をつかったが,夜中だと空いていて走りやすい。2時間弱走って通過チェック下泊簡易郵便局自動販売機があったので麦茶の補給。1時間ほど走ると軽く眠気がやってきた。ちょうど海水浴場のベンチが見えたので,どうしようかと思ったがもうちょっと頑張ることにする。海岸線を抜けて国道56号線に入る。吉田町のファミマのベンチに誘われるが,そのまま進み市街地を抜けて鬼北町への登り。たかが4kmで200mの登りなのに,疲れた身体で真っ暗闇を走るのはつらい。

下りに入って,おなじみのファミマ鬼北奈良店で補給。ここでカフェイン解禁。しばらく走るが,眠気がとれない。雨足が強くなってきたので,屋根付きベンチを見つけてしばらく横になる。

自動車のエンジン音で起こされてリスタート。ファミマ松野虹の森店で四万十川沿いの最後の補給。ここから90kmほど補給場所がない。小雨から本降りになっている。平坦なのに進みが悪い。国道439号線への分岐点はまだかと思うがなかなかつかない。やっと分岐点を左折して,国道439号線。2017年は真っ暗闇で路肩工事中のLEDが連なっていたが,今回は明るいし工事も終わっていた。落石があちこちにあり,うっかり踏むとトレッド面ですら切り裂きそうなので路面を見ながら慎重に走る。そもそも登り基調なのでスピードあげられないので路面はよく見える。

林が開けてきて,やっと通過チェックあいの里まつばら。真向かいのパン工場「シェ・ムワ」が開いていたので朝食休憩。サンドイッチ2つに紅茶に砂糖4個入れてカロリー補給。まだまだ緩い登りは続く。行きでPC1のYショップを通り過ぎて県道378号線四万十川源流点への登りに入る。序盤は緩いが,源流点へ5.4kmの看板ぐらいからきつくなってくる。平均斜度7.5%なので四国カルストほどではないはずなのだが,500km走った身体には四国カルスト以上の難コース。もう1枚ギアが欲しい。下りて押したい気持ちと乗り続ける意地とのせめぎ合い。やっと源流点2.5kmの看板に到着。あと100km。撮影したはいいが,リスタートするには傾斜が急で難儀する。さらに2km9%の登りが残っている。この登りが終わるのいつだよと呪いながら廻らないペダルを無理矢理回す。登り終えてやっと国道439号線に合流。

ここから30kmは下りで快調に行けるはずだったが,10kmほど下ったところで後輪の感触がおかしい。2018年と同じ場所で確認するとピンホールパンクしている。あのときはチューブ交換したが,パンクの原因を取り除けなくてダメだった。今回は空気を補充しながらごまかしながら走ることにする。こんなときにはTopeakのRoadie TTの出番。無理なく空気が補充できる。

下りきって空気を補充。空気の抜けはそれほどひどくない。2018年にはタイヤ交換のあとでローソン仁淀川町大崎店に駆け込んだが,今年は寄ること無く北上する。主催者は四万十川源流点2.5kmの看板から5時間といっていたが,それは無理っぽい。長い新大峠トンネルを抜けて,ファミマいの町吾北店で最後の補給。あとは本川町への登り。気温が上がってきてつらい。どこが登りの終わりなのかいまいち判断できずetrex30xjの画面を見ながらまだかまだかと走って,トンネルの向こうが下り。下り基調で道の駅木の香までやってこられた。行きはこの登りを平坦のように走れたので,余力のあるなしの差は大きい。木の香を過ぎると寒風山トンネルはもうすぐ。トンネル手前で空気の確認。補充さえすればゴールまでは持ちそうなので,全力200回ポンピング。

長すぎて下りですら飽き飽きする寒風山トンネルを抜けて,さらに続くダウンヒル。やっと平坦になってラストスパート。ゴールのファミマに到着。2018年のパンクから熱中症でのリタイヤの失敗を糧にできた。

AR四国の600kmはトンネルで獲得標高がかさ上げされているので,RWGほどの獲得標高はない。路面も酷道439号線といわれていた昔のイメージはほとんどないくらい整備されている。60kmほど補給場所がない区間はあるが,自動販売機は人里離れた場所にも結構あるので,水分補給なら小銭さえ持っていればなんとかなる。UFOライン-石鎚山四国カルストといった標高1500m超の気象条件と暑熱馴化ができていない6月の気温次第ではあるけど,信号は少ないしキューシートの行数は少なく(今回73行)走りやすいので,600kmの距離を40時間で自分の体力の遣いどころを図りながら走れれば,Legendというサブタイトルほどの怖さはないですよ。

 

*1:四万十川沿いには道の駅があるので,それらが開く頃に通過すれば補給できたと副代表に指摘されたが,走っているときは一刻も早くゴールしたいのでまったく考えなかった。